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消防設備の改修工事|点検で不良が出たら何をするか、誰が工事できるか、着工届と設置届、軽微な工事の範囲、費用と日数の公開データ【2026年版・条文と通知つき】

2026 10/29
改修・交換工事
2026年10月29日
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消防設備の改修工事|点検で不良が出たら何をするか、誰が工事できるか、着工届と設置届、軽微な工事の範囲、費用と日数の公開データ【2026年版・条文と通知つき】

この記事の情報

消防法・消防法施行令・消防法施行規則(e-Gov)、消防庁の立入検査標準マニュアル、日本消火装置工業会の資料に別添された消防庁の通知(消防予第192号)、東京消防庁・川越地区消防組合・船橋市の案内は、2026年10月11日に原文を取得して確認しました。費用は業者が公開している料金表の数字をそのまま引用したもので、相場を示すものではありません。軽微な工事の扱いや改修の期限は消防本部ごとに運用が違うことがあるため、最終的な確認は建物のある地域の消防署と工事をする消防設備士に行ってください。

消防設備の点検報告書を受け取ったら「不良」の欄に印が付いていた。あるいは消防署の立入検査で、感知器が足りない、誘導灯が点かないと指摘された。そうしたとき、建物の所有者や管理者が次に考えるのは、誰に頼めばいいのか、届出は要るのか、いくらかかるのか、いつまでに直せばいいのか、という4つだと思います。

この記事は、点検や立入検査で不良が出てから直し終わるまでを、法律の条文、消防庁の通知、消防本部の案内、公開されている業者の料金表だけを使って整理します。新築や大きな改装のときの届出と消防検査の全体は 消防用設備等の設置届と消防検査 に、立入検査の流れは 消防の立入検査 にまとめているので、ここでは「直す工事」に絞ります。

天井の設備を作業員が脚立に乗って交換している様子のイメージ
消防設備の改修工事(イメージ)
目次
点検の義務と費用の相場をLINEで受け取る。受け取れる情報を見る

先に結論

消防設備の改修工事の要点5つ。不良が出たら改修計画書を添えて報告、工事できる人は法律で決まっている、着工届は工事の10日前で設置届は完了から4日以内、軽微な工事でも設置届は省略できない、見積もりは複数とって期間も確かめる
消防設備の改修工事の要点
知りたいこと答え(根拠)
不良が出たら何をするか早期に改修し、報告書を出すときは改修計画書を合わせて出す(東京消防庁Q14)
誰が工事できるか自動火災報知設備・スプリンクラーなど13設備の工事は甲種消防設備士だけ(法17条の5・令36条の2)
資格なしでできるのは屋内消火栓の表示灯の交換、ホースやノズル・ヒューズ類・ネジ類の交換、消火栓箱の補修など(規則33条の2の2)
届出は着工届は工事の10日前までに消防設備士が、設置届は完了から4日以内に関係者が出す(法17条の14・規則31条の3)
小さな工事なら届出は不要か軽微な工事は着工届を省略できることがあるが、設置届は省略できない(消防予第192号)
いつまでに直すか全国一律の期限は見つからない。船橋市は改修期限を概ね2か月程度が一般的と案内
いくらかかるか公開例では自動火災報知設備の改修(増設)1台が合計130,000円。1社の例で相場ではない

点検で不良が出てから直し終わるまでの流れ

不良が出てから直し終わるまでの5段階。点検報告書で不良を確かめる、改修計画書を合わせて消防署へ、見積もりと工事期間を確かめる、工事(必要なら着工届を10日前まで)、設置届と消防検査と書類を維持台帳へ
改修の流れ

消防用設備等の点検は、消防法17条の3の3で建物の関係者(所有者・管理者・占有者)の義務とされ、結果は消防長又は消防署長に報告します。点検の仕組みと頻度は 消防設備点検とは で詳しく扱っています。

点検で不良が出た場合について、東京消防庁は点検報告制度のQ14で「不備事項があった場合は、早期に改修してください。」とし、続けて「不備のあった報告書を消防署に提出する場合は、改修の予定を記載した「消防用設備等点検報告改修計画書」を合わせて消防署へ提出してください。」と案内しています。

つまり、不良が出ても報告書は出します。直してから出すか、直す予定を書いた計画書を添えて出すかのどちらかです。そのうえで、見積もり、工事、工事後の届出と検査、書類の保管と進みます。工事の中身によって届出が要るかどうかが変わるので、ここから順に見ていきます。

  1. 点検報告書と点検票で、どの設備のどの項目が不良かを確かめる
  2. 改修計画書を書き、報告書に合わせて消防署へ出す
  3. 見積もりをとり、工事の区分(交換か増設か)と期間を確かめる
  4. 工事をする。着工届が要る工事は、甲種消防設備士が工事の10日前までに出す
  5. 工事の完了から4日以内に設置届を出し、消防検査を受ける。受け取った書類を維持台帳に綴る

改修計画書の書き方

改修計画書に書くこと。定型文に続けて、設備名、点検項目・不良内容、改修内容、改修予定日を書く。押印は不要
改修計画書の欄

東京消防庁の様式は「消防用設備等点検報告改修計画書」(別記様式第43号)です。上の欄に提出日、あて先、建物の名称と所在地、関係者の職と氏名を書き、その下に「年 月 日に提出した消防用設備等点検結果報告書で一部未実施・不良内容の改修(計画)については、次のとおりです。」という定型文が入ります。

欄書く内容書くときの注意
設備名不良が出た消防用設備等点検票の設備名と合わせる
点検項目・不良内容点検票のどの項目がどう不良だったか点検票の記載をそのまま写す
改修内容交換・増設・移設など何をするか見積もりの内容と合わせる
改修予定日工事を終える予定の日見積もりと工期を確かめてから書く

押印は不要とされています。様式は消防本部ごとに違うことがあるので、建物を管轄する消防署の様式を使ってください。報告書そのものの書き方と出し方は 消防設備点検の報告書 にまとめています。

改修予定日は、思いつきの日付ではなく、見積もりで工期を確かめてから書くのが安全です。予定日を過ぎても直っていないと、計画どおりに進んでいないことが書類に残るからです。

日本消火装置工業会の資料「改修工事における消防用設備等の着工届について(お願い)」の1ページ目
日本消火装置工業会の資料(1ページ目)

誰が工事できるか

誰が工事・整備できるか。甲種消防設備士は工事と整備、乙種消防設備士は整備だけ。資格がなくてもよいのは表示灯の交換、ホースやノズル等の部品の交換、消火栓箱などの補修。無資格で工事をすると6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
工事・整備ができる人

消防設備の工事は、誰でもできるわけではありません。消防法17条の5は「消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行つてはならない。」と定めています。

免状には甲種と乙種があり、17条の6は、甲種消防設備士が行うことができるのは「工事又は整備」、乙種消防設備士が行うことができるのは「整備」としています。改修のうち設備を新しく付け加えたり、位置を変えたりする工事は甲種の仕事で、壊れた部分を直す整備は乙種でもできる、という分担です。消防設備士の資格そのものは 消防設備士とは で、点検の資格との違いは 消防設備の点検資格 で説明しています。

甲種消防設備士でなければ工事できない13設備

甲種消防設備士でなければ工事できない13設備の表。消火設備8つ、警報設備3つ、避難設備3つ。電源・水源・配管の部分を除く設備がある。整備は消火器と漏電火災警報器が加わる
消防設備士でなければ工事できない設備

政令で定める設備は、消防法施行令36条の2第1項に並んでいます。屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、金属製避難はしご(固定式のものに限る)、救助袋、緩降機です。

ただし、屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備は「電源、水源及び配管の部分を除き」、泡消火設備から粉末消火設備、自動火災報知設備から消防機関へ通報する火災報知設備は「電源の部分を除く」とされています。電源の工事は電気工事の資格で行う範囲になります。

同じ条の2項は、整備について、13設備に「消火器」と「漏電火災警報器」を加えています。消火器の交換や廃棄の扱いは 消火器の交換 に、誘導灯は13設備に入っていないため、交換の話は 誘導灯の交換 にまとめています。

資格がなくてもできる軽微な整備

施行令36条の2第2項は、整備から「屋内消火栓設備の表示灯の交換その他総務省令で定める軽微な整備」を除いています。総務省令にあたる施行規則33条の2の2は「屋内消火栓設備又は屋外消火栓設備のホース又はノズル、ヒユーズ類、ネジ類等部品の交換、消火栓箱、ホース格納箱等の補修その他これらに類するものとする。」としています。

点検で「表示灯の球切れ」「ホースの劣化」と書かれた場合は、この範囲に入ることがあります。どこまでが軽微な整備かの判断は、点検をした消防設備士に確かめてから手配すると安全です。

資格のない者が17条の5の工事や整備をした場合、消防法42条1項10号により「六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」の対象になります。発注する側としては、見積もりの段階で工事をする人の免状の種類を確かめておくのが手堅い方法です。

工事の区分と届出の要否

工事の区分7つの表。新設、増設、移設、取替え、改造は着工届・設置届が要る(増設・移設・取替えは軽微な工事なら着工届を省略できることがある)。補修は対象に入らない。撤去は要しない
工事の区分

改修工事に届出が要るかどうかは、工事の区分で決まります。区分の定義は、消防庁予防課長の通知「消防用設備等に係る届出等に関する運用について」(消防予第192号、平成9年12月5日)の別紙1にあります。この通知は、日本消火装置工業会が改修工事の着工届について出した資料に別添として付いていて、原文を読むことができます。

区分通知の定義(原文)
新設従前設けられていない消防用設備等を新たに設けること
増設構成機器・装置等の一部を付加すること
移設構成機器・装置等の全部又は一部の設置位置を変えること
取替え構成機器・装置等の一部を既設のものと同等の種類、機能・性能等を有するものに交換すること
改造一部を付加若しくは交換し、又は取り外して消防用設備等の構成、機能・性能等を変えること(取替えを除く)
補修変形、損傷、故障箇所などを元の状態又はこれと同等の構成、機能・性能等を有する状態に修復すること
撤去その全部を当該防火対象物から取り外すこと

通知は、着工届と設置届・消防検査はどちらも「別紙1、1から5までに掲げる消防用設備等に係る工事について要するものである。」としています。1から5は新設・増設・移設・取替え・改造です。補修はこの範囲に入りません。撤去については「着工届及び設置届を要しないものであるが、防火対象物の関係者から事前に情報提供を求めること等により、その実態を把握することが望ましいこと。」とされています。

着工届と設置届の違い

着工届と設置届の違いの表。着工届は工事に着手する日の10日前までに甲種消防設備士が出す。設置届は工事が完了した日から4日以内に建物の関係者が出し、消防検査を受ける。怠るとどちらも30万円以下の罰金又は拘留
着工届と設置届

着工届は、消防法17条の14で「甲種消防設備士は…その工事に着手しようとする日の十日前までに…消防長又は消防署長に届け出なければならない。」とされています。東京消防庁の案内も、届け出る人は「届出内容の工事を担当する甲種消防設備士」で、「この届出の場合、建物の所有者、テナントの占有者ではありませんのでご注意ください。」と書いています。添付書類は平面図、配管系統図、配線系統図、計算書、設備の概要表です。

設置届は、消防法17条の3の2で建物の関係者が出すもので、施行規則31条の3は工事が完了した日から「四日以内」としています。東京消防庁も「設置後、4日以内に管轄消防署に届出する必要があります。」と案内しています。検査で基準に適合していると認められると検査済証が交付されます。設置届の対象となる建物や添付書類は 設置届と消防検査 で詳しく扱っています。

着工届と設置届を怠った場合は、どちらも消防法44条8号により「三十万円以下の罰金又は拘留」の対象です。日本消火装置工業会の資料は、着工届の違反について消防設備士に違反点数4点が付き、過去3年以内の合計が20点に達すると免状を返納しなければならない、という運用を紹介しています。工事を急がせると、工事をする側の資格にも影響します。

同じ資料は「特に、新たなテナント様の入居工事やレイアウト変更などによる改修工事におきましては、工事期間が短いと思われますが、着工届に必要な日数を確保していただけますようお願い申し上げます。」と、発注する側に向けて書いています。改修の予定を立てるときは、着工届の10日を工期に入れておく必要があります。

軽微な工事なら着工届を省略できることがある

軽微な工事の範囲の抜粋表。屋内・屋外消火栓設備は消火栓箱2基以下、スプリンクラー設備はヘッド5個以下、自動火災報知設備は感知器10個以下、ガス漏れ火災警報設備は検知器5個以下などの条件
軽微な工事の範囲

消防予第192号は、増設・移設・取替えのうち別紙2に掲げる軽微な工事に当たるものは「着工届を要しないことができるものとする」としています。別紙2の主な線引きは次のとおりです。

設備軽微な工事の主な範囲(別紙2の要約)
屋内・屋外消火栓設備消火栓箱の増設は2基以下で既設と同種類、移設は同一の警戒範囲内。取替えは加圧送水装置を除く構成部品
スプリンクラー設備ヘッドの増設は5個以下で散水障害がない場合、移設は5個以下で防護範囲が変わらない場合
自動火災報知設備感知器の増設・移設・取替えは10個以下。受信機・中継器の取替えは7回線を超えるものを除く
ガス漏れ火災警報設備検知器の増設・移設は5個以下で警戒区域の変更がない場合。取替えは受信機を除く

ここで注意したいのは3点です。1つ目に、通知は「令第36条の2第1項に掲げる消防用設備等に係る工事については、着工届の有無にかかわらず、当該消防用設備等に係る甲種消防設備士が行うこと。」としていて、軽微でも工事をする人は変わりません。

2つ目に、設置届は省略できません。通知は「軽微な工事にあっても、設置届を省略することはできないものであること。」とし、東京消防庁も「本届出を省略した場合でも工事後の届出(消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書)は省略できません。」と書いています。軽微な工事の消防検査は、添付された試験結果報告書などの確認で行い、現場確認を省略できるとされています。

3つ目に、省略の基準は地域で違います。日本消火装置工業会の資料は「軽微な工事等に係る着工届の省略については、各自治体により基準が異なりますので、消防設備士または管轄する消防署にご確認願います。」としています。東京消防庁の案内も「工事内容が軽微な場合、この届出を省略できることがあります。詳しくは管轄する消防署へお問い合わせください。」です。

立入検査で指摘されたときの改修

立入検査で指摘されたときの改修の流れ。改修(計画)報告書を出す、見積もりをとって改修期限を決める、改修予定期日に確認される。2か月程度で難しいときは担当者に相談
立入検査の指摘と改修

消防署の立入検査で指摘を受けた場合は、点検報告の改修計画書とは別に、改修(計画)報告書を出す流れになります。消防庁の立入検査標準マニュアルは、改修(計画)報告書について「改修が完了したことを報告する場合は、改修した内容について記載させる。」「今後、改修を行う予定であることを報告する場合は、社会通念上是正可能と認められる客観的な所要日数と火災予防上の必要性と比較して妥当な期間及び実現可能な方法による改修計画を記載させる」としています。

提出の期限は消防本部の案内で確かめます。川越地区消防組合は、指摘事項があった場合に改修(計画)報告書を渡すので「改修についての計画を記載のうえ、14日以内に所管の消防署へ提出してください。」と案内しています。

改修そのものの期限について、船橋市は「消防用設備等の種類や不良内容にもよりますが、改修期限は概ね2か月程度(見積もり取得期間を含む。)が一般的です。」とし、「2か月程度での改修が難しい場合(改修工事に長期間を要する場合など)には、立入検査を実施した担当者までご相談ください。」と書いています。全国一律の日数を定めた条文は見つかりませんでした。

マニュアルは、報告書が出されない場合や、報告された期間を過ぎても改修が見込めない場合は「躊躇することなく警告、命令等の違反処理へ移行する。」としています。長くかかる工事ほど、早めに担当者へ相談して期間を合意しておくことが、結果として手間を減らします。立入検査全体の流れと命令・公表の仕組みは 消防の立入検査 にまとめています。

工事にかかる日数の実データ

工事にかかる日数の表。自動火災報知設備の着工届から設置届までは500平方メートル未満で94%が60日以内、500以上1,000平方メートル未満で87%が90日以内、1,000平方メートル以上で95%が120日以内。業者の試算では延べ500平方メートルの既存ビルでスプリンクラー設備120日など
工事にかかる日数

改修予定日を書くときの参考になる数字が、立入検査標準マニュアルの参考12にあります。自動火災報知設備の全部未設置の違反を、設備を設置して改修した100件について、着工届から設置届までの日数を調べた結果です。

延べ面積着工届から設置届までの日数
500㎡未満94%が60日以内
500㎡以上1,000㎡未満87%が90日以内
1,000㎡以上95%が120日以内

同じ参考12には、業者が試算した工事日数の例も載っています。RC造、地上3階地下1階、延べ面積500㎡の既存ビルに新しく設置する場合、見積りにかかる日数はどの設備も30日で、着工届から設置届までは屋内消火栓設備60日、スプリンクラー設備120日、自動火災報知設備60日です。地上5階地下1階、延べ面積1,000㎡の例では、屋内消火栓設備90日、スプリンクラー設備150日、自動火災報知設備90日です。

これは設備を一から付ける場合の数字で、感知器を数個替えるような改修はもっと短く済むことが多いはずです。ただ、見積りの段階だけで30日という試算があることは、改修予定日を決めるときに覚えておいて損はありません。

天井の感知器を点検員が試験器で確かめている様子のイメージ
工事後の試験(イメージ)

費用の公開例

改修・交換の費用の公開例の表。自動火災報知設備の改修(増設)1台は合計130,000円、交換1台は39,000円、スプリンクラーの改修(移設)1台は182,000円、改修(増設)1台は260,000円、誘導灯の予備電池の改修は18,000円、交換1台は80,000円
改修・交換の費用の公開例

改修工事の費用について、公的な積算資料は取得できませんでした。ここでは、業者が公開している料金表の数字を原文のまま引用します。消防テックの料金一覧は、改修と交換を分けて次のように書いています(税の表示は原文に記載がありません)。

設備・区分施工費・材料費届出・検査立合い費合計
自動火災報知設備 改修(増設) 1台65,000円65,000円130,000円
自動火災報知設備 交換 1台39,000円記載なし39,000円
スプリンクラー設備 改修(移設) 1台117,000円65,000円182,000円
スプリンクラー設備 改修(増設) 1台195,000円65,000円260,000円
誘導灯 改修(予備電池×1個)18,000円記載なし18,000円
誘導灯 交換 1台30,000円50,000円80,000円
避難器具(ハッチ付避難梯子)改修・交換 1台169,000円記載なし169,000円
避難器具(緩降機)交換 1台260,000円記載なし260,000円

この表で目につくのは、同じ自動火災報知設備1台でも、交換なら39,000円、増設なら届出・検査立合い費65,000円が加わって130,000円になっていることです。前の章で見た工事の区分と届出の有無が、そのまま金額の差になっています。原文には「※取付個数や間取りによっても費用が異なりますので、詳細料金のお見積もりを希望される方は(無料見積フォーム)よりお問い合わせください。」「※交換の場合も、種類の違う誘導灯に交換される場合は、所轄消防署への届け出が必要な場合があります。」という注記があります。

部品の交換単価

部品の交換単価の公開例。感知器の交換は1個約6,000円から12,000円、誘導灯の予備電源バッテリー交換は1台約8,000円から15,000円、光電式煙感知器1個25,000円から、差動式熱感知器1個5,000円から、消防用ホース65Aは1本25,000円で40Aは12,000円
部品の交換単価

部品単位の金額も、2社が公開しています。消防テックは「自動火災報知設備の差動式・光電式感知器交換(1個当たり)約6,000円〜12,000円」「誘導灯の予備電源バッテリー交換(1台当たり)約8,000円〜15,000円」としています。なかの消防サービスの設備単価の例は、光電式煙感知器1個25,000円〜、差動式熱感知器1個5,000円〜、消防用ホース65A 1本25,000円、40A 1本12,000円です(2026年10月11日に取得。工事費・設置届・消費税などは別途と注記)。

どちらも1社の公開例で、相場ではありません。受信機の交換や自動火災報知設備の全面的な更新の金額は、出典を示せる公開例が取得できなかったため書いていません。点検そのものの料金は 消防設備点検の費用と業者の探し方 に、同じ料金表を含めて9社分を並べています。

見積もりを比べるときに確かめること

見積もりを比べるときに確かめる6項目。区分、届出の費用、工事する人、工期、工事後の書類、相見積もり
見積もりで確かめること

船橋市は、点検の不良を直すときについて「まずは点検を実施した事業者に相談し、改修費用(設置費用)の見積もりを取得するとともに改修に要する期間を確認します。」とし、「改修費用は事業者ごとに異なりますので、点検を実施した事業者以外の事業者からも見積もりを取得することをお勧めします。」と書いています。見積もりを並べるときは、合計の金額だけでなく、次の項目がそろっているかを見てください。

確かめること理由
工事の区分(交換か、増設・移設か)区分で届出の要否と届出・検査立合い費が変わる
着工届・設置届・検査の立会いが入っているか料金表では届出・検査立合い費を別の欄にしている例がある
工事をする人の免状13設備の工事は甲種消防設備士だけができる
工期と着工届の日数着工届は工事の10日前まで。改修予定日に間に合うか
工事後に受け取る書類試験結果報告書・図面・写真は維持台帳に綴る
点検した業者以外の見積もり船橋市が相見積もりをすすめている

見積もりの金額に差があるときは、どちらかが届出の費用を含めていない、区分の見立てが違う(交換で済むと見たか、増設が要ると見たか)、ということがあります。見立てが違う場合は、それぞれの業者に理由を聞くと、どちらの工事が必要なのかがはっきりします。

机の上で見積書とグラフの資料を両手で見比べている様子のイメージ
見積もりの比較(イメージ)

「不良」と「交換推奨」は分けて考える

不良と交換推奨の違い。不良は改修が必要で改修計画書の対象。交換推奨は耐用年数等の関係で業者がすすめるもので不良ではない
不良と交換推奨

点検報告書には、不良とは別に「交換をおすすめします」という記載が付くことがあります。船橋市は「事業者が実施した点検結果では、機器の耐用年数等の関係で交換や改修が推奨されていることがありますが、これらは不良ではないため消防側が指摘事項とすることはありません。これらの推奨項目については、予算を確保して計画的に交換・改修を実施しましょう。」と書いています。

不良は改修計画書に載せて早めに直すもの、推奨は予算の計画に入れて順に替えていくもの、と分けて考えると、急いで払う費用と計画して払う費用を分けられます。どちらに当たるか分からない項目は、点検をした業者に点検票のどの項目かを聞いてください。

工事のあとに受け取って保管する書類

維持台帳に綴っておく書類の表。着工届出書と設置届出書の写し、試験結果報告書と検査済証、点検結果報告書の写しと点検票、修理・整備等の経過一覧表、設計書や図面、写真と立入検査の結果通知書
維持台帳に綴る書類

消防予第192号は、軽微な工事であっても、甲種消防設備士が工事の内容を記録し、試験結果報告書、設備に関する図書、現場の状況を補足する写真や試験データなどを「防火対象物の関係者に提出すること。」としています。そして関係者には「消防用設備等の修理、整備等の経過一覧表に所要の事項を確実に記録するとともに…維持台帳に所要の書類を添付して保存し、査察時等に提示できるようにしておくこと。」を求めています。

同じ通知の第3は、維持台帳を「各消防用設備等ごとに構造、性能等及び設置時からの状態(履歴)を明確にしたもの」とし、綴る書類として、着工届出書の写し、設置届出書の写し、試験結果報告書、検査済証、点検結果報告書の写し、点検票、修理・整備等の経過一覧表、設計書や系統図・配管配線図・平面図などの図書、写真や試験データ、立入検査時の結果通知書などを挙げています。点検票を保存する期間は原則3年とされています。

管理会社や業者が変わると、こうした書類が引き継がれずに散らばることがあります。工事が終わったら、見積書と請求書だけでなく、これらの書類を受け取ったかを確かめてください。

改修工事にかかわる罰則

改修工事にかかわる罰則の表。資格のない者が工事や整備をすると6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、着工届・設置届を怠ると30万円以下の罰金又は拘留、点検結果を報告しないと30万円以下の罰金又は拘留、維持の命令に従わないと30万円以下の罰金又は拘留
改修工事にかかわる罰則

罰則は、改修を急がせるためではなく、手順を省いたときに何が問題になるかを知るために見ておくものです。

してはいけないこと罰則(消防法)
資格のない者が13設備の工事や整備をする6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(42条1項10号)
着工届・設置届を怠る30万円以下の罰金又は拘留(44条8号)
点検結果を報告しない・虚偽の報告をする30万円以下の罰金又は拘留(44条11号)
維持の命令に違反して必要な措置をしない30万円以下の罰金又は拘留(44条12号)

東京消防庁のQ15も「点検結果の報告をしない場合には、消防法第44条第11号により、30万円以下の罰金又は拘留となる可能性があります。」としています。不良が残っていても、改修計画書を添えて報告すること自体はできます。直す予定を示して報告しておくことが、まず取れる手です。

よくある質問

不良が直るまで点検報告書は出せませんか

出せます。東京消防庁のQ14は、不備のある報告書を出す場合に改修の予定を書いた改修計画書を合わせて出すよう案内しています。

感知器を1個替えるだけでも届出が要りますか

同じ種類のものへの取替えは、消防予第192号の工事区分では取替えに当たり、別紙2の軽微な工事(感知器10個以下)に入る場合は着工届を省略できることがあります。ただし設置届は省略できないとされています。省略の基準は自治体で違うので、工事をする消防設備士と管轄の消防署に確かめてください。

着工届は自分で出すのですか

着工届を出すのは工事を担当する甲種消防設備士です。東京消防庁は、建物の所有者やテナントの占有者ではないと案内しています。設置届は建物の関係者が出すものですが、実務では工事業者が書類を用意することが多いので、見積もりの段階で誰が出すかを確かめておくと安心です。

改修はいつまでに終わらせればいいですか

全国一律の期限を定めた条文は見つかりませんでした。船橋市は概ね2か月程度(見積もり期間を含む)が一般的と案内し、難しい場合は担当者に相談するよう書いています。改修計画書に書いた予定日までに終えることを目安にしてください。

業者から交換をすすめられましたが、すぐやらないといけませんか

点検票で不良とされた項目でなければ、船橋市の案内では消防の指摘事項にはならない推奨です。予算を確保して計画的に交換する対象として扱えます。

設備を撤去するときも届出は要りますか

消防予第192号は、撤去は着工届と設置届を要しないとしています。ただし、設置が義務付けられている設備を撤去すると基準を満たさなくなるおそれがあるため、事前に管轄の消防署に相談してください。

この記事の要点6つ。不良が出たら改修計画書を合わせて報告、13設備の工事は甲種消防設備士だけで軽微な整備は資格不要、着工届は工事の10日前で設置届は完了から4日以内、軽微な工事でも設置届は省略できず撤去は届出不要、見積もりは区分・届出費・工期・書類まで比べる、工事の書類は維持台帳へ
この記事の要点

この記事の出典

出典(すべて2026年10月11日に原文を確認)
消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
日本消火装置工業会 改修工事における消防用設備等の着工届について(お願い)/別添 消防予第192号(PDF)
消防庁 立入検査標準マニュアル(PDF)
東京消防庁 消防用設備等点検報告制度
東京消防庁 工事整備対象設備等着工届出書
東京消防庁 消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書
東京消防庁 消防用設備等点検報告改修計画書(PDF)
川越地区消防組合 消防の立入検査
船橋市 消防法令に基づく検査(立入検査)における指摘事項の対応方法
消防テック 料金一覧(2026年10月11日取得)
なかの消防サービス 設備単価の例(2026年10月11日取得)

改修・交換工事
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