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消防法・消防法施行令・消防法施行規則(e-Gov)、消防庁の違反処理標準マニュアル(令和7年10月16日改正)と立入検査標準マニュアル、消防庁の通知と消防白書、東京消防庁の点検報告制度のQ&Aは、2026年10月11日に原文を取得して確認しました。実際の対応は消防本部ごとに異なることがあるため、最終的な確認は建物のある地域の消防署で行ってください。
消防設備の点検を何年かしていなかった。点検はしていたけれど、消防署への報告書を出していなかった。管理会社が替わって、誰が出していたのか分からない。こうしたことに気づいたとき、まず知りたいのは「罰金になるのか」「消防署から何か言われるのか」「今から何をすればいいのか」の3つだと思います。
この記事では、その3つを法律の条文と消防庁のマニュアルの原文だけで順に追います。結論を先に言うと、罰則はあります。ただ、消防の手順はいきなり罰金ではなく、指導、勧告と段階を踏む形で定められています。気づいた時点で点検と報告を済ませることが、いちばんの近道です。

先に結論

| 知りたいこと | 答え(根拠) |
|---|---|
| 罰則はあるか | 点検結果を報告しない、又は虚偽の報告をすると30万円以下の罰金又は拘留(消防法44条11号) |
| すぐ罰金になるか | 消防庁のマニュアルでは、立入検査結果の通知や指導、それでも改善されないと勧告、人命危険が高く悪質なときに告発という流れ |
| 悪質とされる目安 | 繰り返し違反。例として「2年分以上点検報告がなされない等」(違反処理標準マニュアル) |
| 設備が壊れたままなら | 設置・維持の命令(17条の4)。従わないと、維持しない場合30万円以下の罰金又は拘留、設置しない場合1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 会社にも罰金があるか | あります。両罰規定(45条)で、設置命令違反なら法人に3千万円以下の罰金 |
| 忘れていたら | 直近1年の機器点検と総合点検の結果報告書を出す。直近1年に点検がなければ、点検してから出す(東京消防庁Q20) |
消防点検は誰の義務か

消防設備の点検は、消防法17条の3の3で決まっています。原文は「第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等…について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。」です。
義務を負うのは「関係者」です。東京消防庁はQ7で「消防設備が設置されている建物の、所有者(所有権を有する者)、管理者(管理権を有する者)、占有者(占有している者)です。一般的には、建物に設置されている消防設備の維持管理について、権限を持っている者が報告します。」と説明しています。ビル1棟を持っているオーナーだけでなく、テナントとして入っている会社が自分の区画の設備を管理している場合もあるので、契約書で誰が点検と報告を担うかを確かめておくと話が早くなります。
この条文には、義務が2つ入っています。1つは「点検させる(又は自ら点検する)」こと、もう1つは「その結果を報告する」ことです。罰則の条文が直接名指ししているのは、このうちの報告のほうです。点検の周期は機器点検が6か月に1回、総合点検が1年に1回、報告の周期は飲食店や物品販売店舗、ホテル、病院などの特定防火対象物が1年に1回、工場、事務所、共同住宅、学校などの非特定防火対象物が3年に1回です(東京消防庁Q5・Q6、点検の期間は 消防庁告示第9号)。点検の中身は 消防設備点検とは で詳しく扱っています。
なお、東京消防庁はQ16で「消防職員が消防設備点検を実施することはありません。」としています。点検は、建物側が業者や資格者に頼んで行うものです。
自分で点検してよい建物と、資格者が要る建物

東京消防庁はQ4で、消防法令上は「以下のいずれにも該当しない場合に限り、消防設備士や消防設備点検資格者以外の者が消防設備点検を実施することが認められています。」と説明しています。挙げられているのは、延べ面積1,000㎡以上の建物、地下又は3階以上の階に特定用途があり、かつ屋内階段が1か所のみの建物、二酸化炭素消火設備(全域放出方式)が設置されている建物の3つです。
この3つのどれかに当たる建物は、資格者に点検させる必要があります。資格の種類と、どの設備を誰が点検できるかは 消防設備の点検資格者 と 消防設備士 にまとめています。同じQ4で、東京消防庁は点検の専門性と安全面から資格者による点検を推奨しています。
点検や報告をしないときの罰則

点検報告そのものの罰則は、消防法44条11号です。44条の柱書は「次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は拘留に処する。」で、11号に「第八条の二の二第一項…又は第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者」とあります。東京消防庁もQ15で「点検結果の報告をしない場合には、消防法第44条第11号により、30万円以下の罰金又は拘留となる可能性があります。」と案内しています。
ここで注意したいのは、「報告をしない」だけでなく「虚偽の報告」も同じ号に入っていることです。実際には点検していないのに点検したように書いた報告書を出すのは、出さないのと同じ扱いになります。
ほかの罰則は、いずれも消防署長などから「命令」が出たあとに、それに従わなかったときのものです。
| してしまったこと | 罰則 | 条文 |
|---|---|---|
| 点検結果を報告しない・虚偽の報告 | 30万円以下の罰金又は拘留 | 44条11号 |
| 設備の維持の命令に従わず、必要な措置をしない | 30万円以下の罰金又は拘留 | 44条12号 |
| 設備の設置の命令に従わず、設置しない | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 41条1項5号 |
| 使用の禁止・停止・制限の命令に違反 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 39条の2の2 |
会社(法人)にも罰金が科される

消防法45条は、いわゆる両罰規定です。原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。」です。
44条11号(未報告・虚偽)と12号(維持命令違反)は45条3号に入っていて、法人には各本条の罰金刑、つまり30万円以下の罰金です。41条1項5号(設置命令違反)は45条2号で法人に3千万円以下、39条の2の2(使用禁止等の命令違反)は45条1号で法人に1億円以下の罰金刑です。建物を会社で持っている場合、担当者個人だけの問題では終わらないということです。
| 違反 | 行為者 | 法人 |
|---|---|---|
| 点検結果の未報告・虚偽(44条11号) | 30万円以下の罰金又は拘留 | 30万円以下の罰金 |
| 維持命令違反(44条12号) | 30万円以下の罰金又は拘留 | 30万円以下の罰金 |
| 設置命令違反(41条1項5号) | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 3千万円以下の罰金 |
| 使用禁止等命令違反(39条の2の2) | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 1億円以下の罰金 |
報告しない建物に、消防はどう対応するか

罰則があることと、すぐに罰金になることは別の話です。消防庁が全国の消防本部向けに示している「違反処理標準マニュアル」には、点検報告の未報告に対するフローが「(参考10)」として載っています。原文は「防火対象物点検報告及び消防用設備等又は特殊消防用設備等点検報告の未報告に対しては、次のフローにより処理する。」です。
フローの順番は次のとおりです。
- 消防用設備等の点検報告の未報告(消防法第17条の3の3)
- 「立入検査結果の通知、指導等にかかわらず、改善されない。」
- 【一次措置】勧告(「勧告」について、「指示」等の用語を用いて差し支えない)
- 総合的に判断(災害発生時の人命危険が高い かつ 悪質性がある)
- 不履行のとき【二次措置】告発(刑事訴訟法第239条第2項)
悪質性については「悪質性は、繰り返し違反(指導等を行ったが、2年分以上点検報告がなされない等)による。」とあり、人命危険については「人命危険は、他の違反内容(法第 36 条第1項において準用する第8条第1項等の違反の内容)等による。」とされています。つまり、未報告だけでなく、指導を受けても2年分以上出さない、ほかの違反も重なっている、といった事情が重なったときに告発の判断になる、という組み立てです。
一方で、マニュアルは「なお、このフローは、事案の情状に応じこれによらないで処理することを妨げるものではない。」とも書いています。消防本部の判断で別の処理になることもある、という前提で読むのが安全です。また「○他の事項で法令に違反するなど他の命令適用要件に該当する場合は、当該他の事項と合わせて対応する。」ともあり、設備の不備などがあれば、そちらの命令と一緒に扱われます。
勧告書にはこう書かれる

同じマニュアルには、勧告書の作成例(作成例㉙「消防用設備等又は特殊消防用設備等点検報告実施の勧告」)があります。本文は「上記防火対象物は、消防法第17条の3の3違反と認めるので、下記のとおり履行するよう勧告する。」で、記の部分は3項目です。
| 項目 | 作成例の原文 |
|---|---|
| 1 勧告事項 | 上記防火対象物における消防用設備等について、資格を有する者に点検させ、その結果を消防用設備等点検結果報告書により○○消防署長に報告すること。(消防法第 17 条の3の3) |
| 2 履行期限 | ○○年○○月○○日 |
| 3 勧告に従わない場合 | 本勧告に従わない場合は、消防法第 44 条第 11 号に該当するものとして、刑事訴訟法(昭和 23 年法律第 131 号)第 239 条第2項に基づき告発され、罰せられることがある。 |
勧告書が届いた場合、求められているのは「資格を有する者に点検させ、報告すること」と、それを履行期限までに済ませることです。期限に間に合いそうにない事情があるときは、黙っているより、勧告書に書かれた消防署へ早めに相談するほうがよいでしょう。
告発で対応すべきとされている事案

マニュアルの違反処理要領には「告発をもって措置すべきと認められる事案」が列挙されています。命令違反を前提とする事案として、防火対象物使用禁止等命令違反、屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・自動火災報知設備の設置維持命令違反など。規定違反に対する直接の罰則規定に関する事案として、「消防用設備等又は特殊消防用設備等点検報告の未報告(法第 17 条の3の3)の繰り返し」、立入検査の拒否の繰り返し、無資格者による消防用設備等工事などです。
未報告の繰り返しには注記があり、「度重なる指導にかかわらず改善が見られない場合には、勧告により対応し、悪質性があり、火災発生時の人命危険が大である場合は、告発により対応する。」とされています。ここでも「繰り返し」「度重なる指導にかかわらず」という条件が付いています。
立入検査で指摘されたあとの流れ

未報告が見つかるきっかけの1つが、消防の立入検査です。消防庁の立入検査標準マニュアルでは、不備があると検査結果が通知され、改修(計画)報告書を出すよう指導されます。その報告期限は「おおむね2週間程度とする。」とされています。
同じマニュアルは、次の場合に「原則として、違反処理へ移行することが適切である。」としています。
- 提出期限を過ぎても改修(計画)報告書が提出されない場合
- 改修(計画)報告書の内容に不備があり、期限を定めて是正を指導したにもかかわらず、期限を過ぎても応じない場合
- 履行期限までに違反の是正が完了していないと認められる場合
- ①から③にかかわらず、直ちに違反処理を行う必要があると認める場合
言いかえると、指摘を受けたあとに報告書を期限内に出し、書いた期限までに直していれば、違反処理には進まないのが原則です。立入検査の事前通知や当日の流れは 消防の立入検査 で詳しく扱っています。

設備が壊れたまま、付いていないとき

点検をしていない建物では、設備が壊れていることに誰も気づいていない、ということが起こりえます。設備が基準どおりに設置・維持されていないと、消防法17条の4で命令の対象になります。原文は「消防長又は消防署長は、第十七条第一項の防火対象物における消防用設備等が設備等技術基準に従つて設置され、又は維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で権原を有するものに対し、当該設備等技術基準に従つてこれを設置すべきこと、又はその維持のため必要な措置をなすべきことを命ずることができる。」です。
17条の4第3項は5条3項を準用していて、命令をしたときは「標識の設置その他総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。」とされています。命令が出ると、そのことが建物に標識などで示されるということです。
命令に従わず、維持のための措置をしなければ44条12号(30万円以下の罰金又は拘留)、設置しなければ41条1項5号(1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)です。さらに命令が履行されず、引き続き火災の予防に危険であるなどの場合には、5条の2で建物の使用の禁止、停止又は制限を命ずることができ、これに違反すると39条の2の2で3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金になります。
点検で不良が見つかったときは、報告書に改修の予定を書いた計画書を添えて出し、早めに直すのが基本です(東京消防庁Q14)。報告書の書き方は 消防設備の点検報告書 にまとめています。
違反対象物の公表制度
消防庁のリーフレットは、公表制度を「違反対象物の公表制度は、各消防本部において条例を定め、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備、自動火災報知設備が全く設置されていない等の消防法令の中でも極めて重大な違反がある建物の情報を公表している制度です。」と説明しています。対象は「極めて重大な違反」で、点検報告を出していないだけで公表される制度ではありません。ただし、点検をしないまま設備の不備を放置すると、その入口に近づくことになります。
数字で見る点検報告と命令

日本消防設備安全センターのセミナー資料によると、消防設備点検の報告率は全国平均で55.6%(2024年3月31日時点)です。報告が出ていない建物は、全国的に見ても珍しくないことが分かります。
一方、令和7年版の消防白書では、令和6年度に出された消防用設備等に関する措置命令(法17条の4)は220件、是正件数は142件でした。是正件数は「令和6年4月1日から令和7年3月31日までに発せられた命令に基づき、令和7年3月31日までに是正された件数(令和7年3月31日現在、計画書を提出し、是正措置を実施中のものを含む。)である。」とされています。命令全体では441件、是正は361件です。
| 項目 | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 消防設備点検の報告率(全国平均) | 55.6%(2024年3月31日時点) | 日本消防設備安全センター |
| 消防用設備等に関する措置命令 | 220件(是正142件) | 令和7年版 消防白書(令和6年度) |
| 命令の合計 | 441件(是正361件) | 同上 |
重大な違反がある建物でも、多くは行政指導の段階

消防庁の通知(消防予第483号)は、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備又は自動火災報知設備が「過半にわたって設置されていないもの若しくは機能不良の程度が著しく、本来の機能が 損なわれている状態にあるもの」を重大違反対象物として、措置の状況をまとめています。令和7年3月31日時点で、特定防火対象物は1,364件、それ以外は9,980件でした。
| 段階 | 特定防火対象物 | それ以外 |
|---|---|---|
| 警告前段の行政指導 | 1,129(82.8%) | 9,279(93.0%) |
| 警告 | 180(13.2%) | 488(4.9%) |
| 命令 | 49(3.6%) | 212(2.1%) |
| 告発 | 6(0.4%) | 1(0.01%) |
| 合計 | 1,364 | 9,980 |
設備がほとんど付いていない、あるいは機能していないという重い違反でも、告発まで進んだのは特定防火対象物で6件、それ以外で1件です。通知は「特定防火対象物及び特定防火対象物以外の防火対象物ともに重大違反対象物数は減少傾向にあり」としています。消防の対応は、まず直してもらうことに重きが置かれていると読めます。
なお、点検報告の未報告だけを理由にした告発や起訴の全国件数は、公表資料の中に見つけられませんでした(取得できず)。
点検や報告を忘れていたときの出し方

東京消防庁はQ20「報告を忘れてしまったら?」に、こう答えています。「直近1年間で実施した機器点検(6ヶ月に1回)と総合点検(1年に1回)の結果報告書を、管轄消防署に提出してください。直近1年以内に点検を実施していない場合は、点検を実施した後に点検結果報告書を提出してください。」
- 点検を頼んでいた業者や管理会社に、直近1年の機器点検と総合点検の記録があるか確かめる
- あれば、その結果報告書を管轄の消防署に出す
- なければ、点検を業者に頼み、点検が終わってから報告書を出す
- 点検で不備が出たら、改修の予定を書いた「消防用設備等点検報告改修計画書」を合わせて出す(東京消防庁Q14)
出していなかった期間の分をさかのぼって全部出すように、とは書かれていません。まずは直近の点検と報告を整えるのが出発点です。ただし受付の扱いは消防本部ごとに違うことがあるので、提出前に管轄の消防署へ電話で確かめておくと手戻りが減ります。
報告書の様式や提出の方法は 消防設備の点検報告書 で説明しています。
住人が点検に立ち会えないとき

「消防点検をしないとどうなる」と調べる人の中には、マンションやアパートの住人で、点検の日に家にいられない、部屋に入ってほしくない、という人もいると思います。
消防法44条11号の罰則の相手は「報告をせず、又は虚偽の報告をした者」です。消防法の41条、42条、44条、45条を読んだ範囲では、点検に立ち会わなかった住人を対象にした罰則の条文は見当たりませんでした。点検と報告の義務を負うのは、建物の関係者(所有者・管理者・占有者)です。
ただ、住戸の中にも感知器などの設備があり、点検できなかった部屋が残ると、建物としての点検が終わりません。業者の料金表には「不在による再点検実施は、別途費用が発生します。」と書かれている例もあります。不在の住戸が報告書の上でどう扱われるかは、公表資料から確認できませんでした(取得できず)。部屋に入る理由や、不在のときの扱いは マンションの消防点検 にまとめています。
これから点検を頼むときに確かめること

東京消防庁は、Q12で「消防署では特定の業者を教えることができません。」、Q13で「消防署から具体的な金額を提示することはできません。契約後のトラブルを避けるためにも、複数の点検事業者から見積もりをとって依頼することをお勧めします。」としています。
見積もりを比べるときは、金額が点検1回分なのか年2回分なのか、報告書の作成と消防署への提出まで含んでいるのか、不在の住戸の再点検が別料金かどうかをそろえて見るのがコツです。公開されている料金表の読み方と業者の選び方は 消防点検の費用と業者の選び方 に、具体的な金額の例とあわせてまとめています。

よくある質問
消防点検をしないと、すぐに罰金になりますか
消防法44条11号の罰則(30万円以下の罰金又は拘留)はありますが、消防庁の違反処理標準マニュアルでは、立入検査結果の通知や指導、それでも改善されないと勧告、人命危険が高く悪質なときに告発という流れが示されています。悪質性の例として「2年分以上点検報告がなされない等」が挙げられています。ただし、事案によってはこの流れによらない処理もあるとされています。
点検はしていたが、報告だけ出していませんでした
罰則の条文(44条11号)が対象にしているのは「報告をせず、又は虚偽の報告をした者」です。東京消防庁のQ20では、直近1年間の機器点検と総合点検の結果報告書を管轄の消防署へ出すよう案内しています。
何年も点検をしていません。さかのぼって全部やり直す必要がありますか
東京消防庁のQ20は、直近1年以内に点検をしていなければ、点検をしたあとに報告書を出すよう案内しています。過去の分をさかのぼって点検し直すようには書かれていません。受付の扱いは消防本部で違うことがあるので、管轄の消防署に確かめてください。
会社で持っているビルの場合、誰が罰せられますか
消防法45条の両罰規定で、違反行為をした人を罰するほか、法人にも罰金刑が科されます。未報告(44条11号)なら法人にも30万円以下の罰金、設置命令違反(41条1項5号)なら法人に3千万円以下の罰金です。
点検で不良が出たら、報告書は出さないほうがいいですか
出してください。東京消防庁のQ14は、不備事項があれば早期に改修し、不備のあった報告書を出す場合は改修の予定を書いた改修計画書を合わせて出すよう案内しています。不良を隠して出すと虚偽の報告(44条11号)になるおそれがあります。
消防署の人が点検してくれることはありますか
ありません。東京消防庁のQ16は「消防職員が消防設備点検を実施することはありません。」としています。点検は建物側が業者や資格者に頼みます。
防火対象物点検をしていない場合も同じですか
防火対象物点検(消防法8条の2の2)は消防設備点検とは別の制度ですが、未報告の罰則は同じ44条11号に入っています。制度の違いは 防火対象物点検 にまとめています。
まとめ

消防点検をしないと、法律上は30万円以下の罰金又は拘留の対象になります。ただ、消防の対応は指導と勧告から始まり、告発は繰り返し違反や人命危険が重なったときの最後の手段として位置づけられています。気づいたら、直近の点検記録を確かめ、なければ点検を頼み、報告書を出す。不良があれば改修計画書を添えて直す。立入検査標準マニュアルでも、期限内に報告書を出して直していれば違反処理に進まないのが原則とされています。
出典(すべて2026年10月11日に原文を確認)
消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
消防庁 違反処理標準マニュアル(PDF)
消防庁 立入検査標準マニュアル(PDF)
消防庁 消防予第483号 重大な消防法令違反対象物の措置状況等に係る調査結果について(PDF)
消防庁 リーフレット(違反対象物の公表制度)(PDF)
消防庁告示第9号(PDF)
令和7年版 消防白書
東京消防庁 消防用設備等点検報告制度
日本消防設備安全センター セミナー資料(PDF)
東海メンテック 料金ページ(2026年9月23日取得)




