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  3. 指定可燃物とは|全12区分の数量表、届出が要る量、東京都の紙類・穀物類・布類、500倍・750倍・1000倍で増える消防用設備、置き方の基準、届出書の書き方、罰則【2026年版・政令と条例の原文つき】

指定可燃物とは|全12区分の数量表、届出が要る量、東京都の紙類・穀物類・布類、500倍・750倍・1000倍で増える消防用設備、置き方の基準、届出書の書き方、罰則【2026年版・政令と条例の原文つき】

2026 10/21
防火対象物点検
2026年10月21日
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指定可燃物とは|全12区分の数量表、届出が要る量、東京都の紙類・穀物類・布類、500倍・750倍・1000倍で増える消防用設備、置き方の基準、届出書の書き方、罰則【2026年版・政令と条例の原文つき】

この記事の情報

消防法・同法施行令・同法施行規則・危険物の規制に関する政令(e-Gov)、消防庁の火災予防条例(例)、東京都火災予防条例・同施行規則(東京都例規集)、東京消防庁の届出ページと記入例、志太消防本部・新発田地域広域事務組合・草加八潮消防組合・横須賀市・弘前地区消防事務組合の案内は、2026年10月11日に原文を取得して確認しました。指定可燃物の置き方と届出は市町村の火災予防条例で決まるので、届出が要る量や部数、付ける図面は消防本部ごとに違います。最後は建物を管轄する消防署で確かめてください。

倉庫に段ボールや古紙を積んでいる。工場に樹脂のペレットや発泡スチロールの断熱材を置いている。店舗のバックヤードに木製パレットやゴムタイヤがたまっている。こうした物は、量が増えると消防法でいう「指定可燃物」に当たることがあります。指定可燃物は、燃え広がりが速い、または消火が難しい物品として政令で決められた物で、決まった量を超えると、置き方の基準、消防署への届出、消防用設備の設置が関係してきます。

この記事では、倉庫・工場・店舗・ビルの所有者や管理者、物を置いている事業者の目線で、指定可燃物の決まり方を順に並べます。どの法令で決まっているか、12区分の品名と数量、届出が要る量、東京都で追加されている3つの品名、量の倍数で増える消防用設備、置き方と空地の基準、標識と掲示板、届出書の書き方、東京以外の消防本部の違い、違反したときの罰則です。

ビルのエントランスで、作業服の担当者が書類を手に建物の管理者と話している様子のイメージ
倉庫やビルの管理者が確かめること(イメージ)
目次
点検の義務と費用の相場をLINEで受け取る。受け取れる情報を見る

先に結論

指定可燃物の要点5つ。品名ごとに決まった量を超えると指定可燃物、置き方の基準は市町村の条例、多くの条例は数量の5倍以上で届出、東京都は紙類・穀物類・布類も対象、500倍・750倍・1000倍で消防用設備が増える
指定可燃物の要点
知りたいこと答え
指定可燃物とは危険物の規制に関する政令 別表第四の品名の物品で、数量欄の量以上のもの(1条の12)
何区分あるか綿花類から合成樹脂類まで12区分(合成樹脂類は発泡させたものとその他で数量が分かれる)
どこで決まるか置き方と場所の基準は市町村の火災予防条例(消防法9条の4)。消防用設備は消防法施行令
届出が要る量火災予防条例(例)46条は数量の5倍以上。再生資源燃料・可燃性固体類等・合成樹脂類は数量以上
東京都の違い紙類10,000kg・穀物類20,000kg・布類10,000kgが品名に加わる。設置の10日前までに届出
消防用設備数量以上で消火器具。500倍で自動火災報知設備、750倍で屋内消火栓設備、1000倍でスプリンクラー設備
罰則(東京都)基準違反は30万円以下の罰金、届出をせずに置くと10万円以下の罰金

少しでも量が多いと感じたら、まず置いている物の品名と、1日のうちで一番多くなる量を書き出すところから始めてください。そこから数量の何倍かを出せば、届出と消防用設備の要否の見当がつきます。

指定可燃物はどの法令で決まっているか

指定可燃物のルールは、国の法律、国の政令、市町村の条例の3段で決まっています。法律と政令が「何が指定可燃物か」を決め、市町村の条例が「どう置くか、どこに置くか、いつ届け出るか」を決める形です。消防用設備だけは、国の消防法施行令と施行規則で決まっています。

指定可燃物のルールの3段。消防法9条の4、危険物の規制に関する政令1条の12と別表第四、各市町村の火災予防条例。国のひな形の火災予防条例(例)と東京都の火災予防条例
ルールは3段で決まっている

消防法9条の4

出発点は消防法9条の4です。指定数量未満の危険物と、わら製品、木毛その他の物品で火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるもの(指定可燃物)について、貯蔵と取扱いの技術上の基準、置く場所の位置・構造・設備の技術上の基準は、市町村条例で定めるとしています。ただし、17条1項の消防用設備等の技術上の基準は条例ではなく国の基準によります。

指定数量未満の危険物及び指定可燃物その他指定可燃物に類する物品を貯蔵し、又は取り扱う場所の位置、構造及び設備の技術上の基準(第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準を除く。)は、市町村条例で定める。(消防法9条の4)

危険物の規制に関する政令1条の12と別表第四

どの物が指定可燃物かは、危険物の規制に関する政令(以下、危政令)1条の12が決めています。別表第四の品名欄に掲げる物品で、同表の数量欄に定める数量以上のものが指定可燃物です。つまり、品名に当たる物でも、数量欄の量に届かなければ指定可燃物にはなりません。

市町村の火災予防条例

置き方や届出は、建物がある市町村(または消防の事務をまとめている組合)の火災予防条例で決まります。消防庁は条例のひな形として火災予防条例(例)を示していて、多くの条例がこれをもとに作られています。東京都(東京消防庁の管轄)は独自の火災予防条例を持っていて、品名や届出の書き方が条例(例)と違います。この記事では、条例(例)と東京都の条例を並べて書きます。

指定可燃物の品名と数量(全12区分)

危政令 別表第四に載っている品名と数量は次のとおりです。右の列は、火災予防条例(例)46条の届出ラインです。条例(例)は「別表第8で定める数量の5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等及び合成樹脂類にあつては、同表で定める数量以上)」で届出としているので、品名によって5倍と1倍に分かれます。

指定可燃物の品名と数量の表。綿花類200kg、木毛及びかんなくず400kg、ぼろ及び紙くず1,000kg、糸類1,000kg、わら類1,000kg、再生資源燃料1,000kg、可燃性固体類3,000kg、石炭・木炭類10,000kg、可燃性液体類2立方メートル、木材加工品及び木くず10立方メートル、合成樹脂類 発泡20立方メートル・その他3,000kg と届出の量
指定可燃物の品名と数量(全12区分)
品名指定可燃物になる量条例(例)46条の届出ライン
綿花類200kg1,000kg(5倍)
木毛及びかんなくず400kg2,000kg(5倍)
ぼろ及び紙くず1,000kg5,000kg(5倍)
糸類1,000kg5,000kg(5倍)
わら類1,000kg5,000kg(5倍)
再生資源燃料1,000kg1,000kg(数量以上)
可燃性固体類3,000kg3,000kg(数量以上)
石炭・木炭類10,000kg50,000kg(5倍)
可燃性液体類2立方メートル2立方メートル(数量以上)
木材加工品及び木くず10立方メートル50立方メートル(5倍)
合成樹脂類(発泡させたもの)20立方メートル20立方メートル(数量以上)
合成樹脂類(その他のもの)3,000kg3,000kg(数量以上)

条例(例)の別表第8そのものは、消防庁のPDFでは「省略」となっています。志太消防本部・新発田地域広域事務組合・横須賀市が公開している表では、品名と数量は危政令 別表第四と同じで、届出が必要となる数量は上の右の列と同じ値でした。

品名の中身(別表第四の備考)

品名は、ふだんの言葉より範囲が決まっています。別表第四の備考から、倉庫や工場でよく出てくるものを抜き出します。

  • 綿花類 不燃性又は難燃性でない綿状又はトップ状の繊維及び麻糸原料
  • ぼろ及び紙くず 不燃性又は難燃性でないもの。動植物油がしみ込んでいる布又は紙及びこれらの製品を含む
  • 糸類 不燃性又は難燃性でない糸(糸くずを含む)及び繭
  • わら類 乾燥わら、乾燥藺い及びこれらの製品並びに干し草
  • 再生資源燃料 資源の有効な利用の促進に関する法律2条4項の再生資源を原材料とする燃料
  • 石炭・木炭類 コークス、粉状の石炭が水に懸濁しているもの、豆炭、練炭、石油コークス、活性炭など
  • 合成樹脂類 不燃性又は難燃性でない固体の合成樹脂製品、合成樹脂半製品、原料合成樹脂及び合成樹脂くず。不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずを含み、合成樹脂の繊維、布、紙及び糸並びにこれらのぼろ及びくずを除く

可燃性固体類と可燃性液体類は、引火点や燃焼熱量で決まります。可燃性固体類は、固体で、引火点が40度以上100度未満のもの、引火点が100度以上200度未満で燃焼熱量が34キロジュール毎グラム以上のものなどです。可燃性液体類には、1気圧・温度20度で液状で、引火点が250度以上の引火性液体の性状を持つ物品などが入ります。潤滑油やグリスのように、危険物かどうかの境目にある物は、製品の安全データシートで引火点を確かめてから品名を決めるのが安全です。

身近な物に置きかえると

消防本部の公式ページには、品名ごとの物品例が載っています。志太消防本部の表を中心に、新発田地域広域事務組合の例を加えると次のようになります。

品名ごとの物品例の表。綿花類は原毛や羽毛、ぼろ及び紙くずは古新聞や古雑誌、木材加工品及び木くずは家具類・建築廃材・木製パレット、合成樹脂類(発泡)は発泡ウレタン・発泡スチロール・断熱材、合成樹脂類(その他)はゴムタイヤなど
身近な物に置きかえると

新発田地域広域事務組合の案内には、木材チップ、タイヤチップ、畳表、ござ、引火点250℃以上の動植物油も例として挙がっています。ゴムタイヤについては、大型トラック用は1本50㎏から60㎏とあり、合成樹脂類(その他のもの)の数量3,000kgに届く本数の目安になります。ただし、不燃性や難燃性の製品は品名から外れるなど、物の性質で扱いが変わります。迷う物は管轄の消防署に聞いてください。

東京都は品名が3つ多い

東京都の火災予防条例は、指定可燃物を条例の別表第七で決めています。別表第七には、危政令 別表第四と同じ12区分に加えて、紙類・穀物類・布類の3つの品名があります。東京都の条例33条は、別表第七の品名の物品で数量以上のものを「指定可燃物」と呼び、それを置く場所を「指定可燃物貯蔵取扱所」と呼んでいます。

東京都火災予防条例 別表第七で追加されている品名。紙類10,000kg(洋紙、和紙、板紙、ルーフィング及び段ボール)、穀物類20,000kg(米粉、麦粉、ぬか、でん粉、大豆粉、粉乳及び砂糖)、布類10,000kg
東京都は品名が3つ多い
東京都で加わる品名数量中身(別表第七 備考)
紙類10,000kg洋紙、和紙、板紙、ルーフィング及び段ボール
穀物類20,000kg米粉、麦粉、ぬか、でん粉、大豆粉、粉乳及び砂糖
布類10,000kg不燃性又は難燃性でない織物生地及び織物製品

紙くず(ぼろ及び紙くず)は1,000kgで、新品の紙類10,000kgとは別の区分です。段ボールの在庫や紙の商品を大量に置く物流倉庫、粉類や砂糖を扱う食品工場は、東京都では指定可燃物に当たるかを一度確かめておくと安心です。

東京都の条例55条の3第1項2号は、指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う防火対象物で床面積の合計が1,500平方メートル以上のもの(消防法施行令1条の2第3項に当たるものを除く)にも、防火管理者を定めるよう求めています。消防法の収容人員の基準とは別の線なので、倉庫や工場でも防火管理者が要る場合があります。選任の手続きは 防火管理者の選任 に書いています。

「数量の倍数」の出し方

届出も消防用設備も、置いている量が数量の何倍かで決まります。倍数は、置いている量を別表の数量で割って出します。東京消防庁の届出書の記入要領では、最大数量は「1日のうちで最大となる数量」を書くことになっています。入荷直後や出荷前など、在庫が一番多くなる時点の量で考えます。

数量の倍数の出し方。品名ごとに1日で最も多くなる量を出し、別表の数量で割り、倍数で届出と設備の要否を見る。500倍・750倍・1000倍の量は綿花類で100トン・150トン・200トン、ぼろ及び紙くずで500トン・750トン・1,000トン、発泡させた合成樹脂類で10,000・15,000・20,000立方メートル
数量の倍数の出し方
品名500倍750倍1000倍
綿花類(200kg)100トン150トン200トン
ぼろ及び紙くず(1,000kg)500トン750トン1,000トン
合成樹脂類 発泡(20立方メートル)10,000立方メートル15,000立方メートル20,000立方メートル
紙類(東京都 10,000kg)5,000トン7,500トン10,000トン

たとえば綿花類を1,000kg置くなら、1,000kgを200kgで割って5倍です。合成樹脂類(その他のもの)は数量が3,000kgなので、500倍は1,500トンになります。品名が複数あるときの合算の仕方は、届出書の書き方も含めて条例や消防本部の運用で変わることがあるため、管轄の消防署で確かめてください。

倍数で増える消防用設備

指定可燃物を置く建物の消防用設備は、消防法施行令と施行規則で全国共通に決まっています。用途や面積の基準とは別に、指定可燃物の量だけで設置が必要になる設備があります。

倍数で増える消防用設備の表。数量以上で消火器具(令10条1項4号)、能力単位は量を数量の50倍で割った数以上(規則6条3項)、500倍以上で大型消火器(規則7条)と自動火災報知設備(令21条1項8号)、750倍以上で屋内消火栓設備(令11条1項5号)、1000倍以上でスプリンクラー設備(令12条1項8号)と水噴霧消火設備など(令13条1項)
倍数で増える消防用設備
量設備根拠
数量以上消火器具施行令10条1項4号
数量以上能力単位の合計は、置く量を数量の50倍で割った数以上。各部分から歩行距離20メートル以下施行規則6条3項・6項
500倍以上大型消火器(各部分から歩行距離30メートル以下)施行規則7条
500倍以上自動火災報知設備施行令21条1項8号
750倍以上屋内消火栓設備(可燃性液体類に係るものを除く)施行令11条1項5号
1000倍以上スプリンクラー設備(可燃性液体類に係るものを除く)施行令12条1項8号
1000倍以上水噴霧消火設備・泡消火設備など(品名ごとに選べる設備が違う)施行令13条1項

施行令10条1項4号は、少量危険物又は指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う建築物その他の工作物に消火器具を求めています。量の基準は「数量以上」なので、届出のラインより手前から消火器具は要ります。

1000倍以上で選ぶ消火設備(施行令13条)

施行令13条1項の表では、1000倍以上の指定可燃物を置く場合に、品名ごとに設けることができる消火設備が分かれています。

消防法施行令13条1項の表。綿花類・木毛・紙くず・糸類・わら類・再生資源燃料・ゴム類は水噴霧・泡・全域放出方式の不活性ガス、油のしみた布・紙と石炭・木炭類は水噴霧・泡、可燃性固体類・可燃性液体類・合成樹脂類は水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末、木材加工品及び木くずは水噴霧・泡・全域放出方式の不活性ガス・全域放出方式のハロゲン化物
1000倍以上で選ぶ消火設備

これらの設備は、設置したあとの点検と報告も続きます。設置したときの届出と消防検査は 消防用設備等の設置届と消防検査 に、点検の周期と報告は 消防設備点検 に書いています。

東京都で紙類等を置く場合

東京都の条例は、紙類・穀物類・布類(紙類等)を置く指定可燃物貯蔵取扱所について、36条から41条で消防用設備を上乗せしています。倍数の考え方は国と同じで、別表第七の数量で割ります。

東京都で紙類等を置く場合の設備の表。数量以上で消火器具(36条2項6号)、500倍以上で大型消火器(37条1項6号)と自動火災報知設備(41条1項4号)、750倍以上で屋内消火栓設備(38条1項3号)、1000倍以上でスプリンクラー設備(39条1項6号)と水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物(40条1項)
東京都で紙類等を置く場合の設備

紙類なら500倍は5,000トン、穀物類なら500倍は10,000トンです。消火器具の能力単位は、床面積を150平方メートルで割った数と、紙類等の量を別表第七の数量の50倍で割った数の、いずれか大きい数値以上とされています(36条6項)。1000倍以上の紙類等の貯蔵取扱所にスプリンクラー設備を施行令12条の例で付けたときは、その有効範囲内では水噴霧・泡などの消火設備を設けなくてよいとする規定もあります。

置き方の基準

指定可燃物を置くときの基準は、可燃性固体類・可燃性液体類(可燃性固体類等)と、それ以外の綿花類等とで分かれています。条例(例)では33条と34条、東京都では33条から34条の2です。

可燃性固体類・可燃性液体類

可燃性固体類・可燃性液体類の基準。決められた容器に入れて密封する、化学名と数量と火気厳禁を表示する、積み重ねは高さ4メートルまで、炎や高温体との接近と過熱を避ける、屋外では倍数に応じた空地か塀、屋内で20倍以上は不燃材料の室内で、100倍以上は火災の危険要因を把握して対策をとる
可燃性固体類・可燃性液体類の基準
  • 決められた種類の容器に収納し、温度変化等で漏れないよう密封する
  • 容器には化学名又は通称名、数量、「火気厳禁」などを表示する(化粧品で最大容量300ミリリットル以下の容器は除く)
  • 容器を積み重ねるときは高さ4メートルを超えない。東京都は機械で荷役する構造の容器だけなら6メートル
  • 炎、火花、高温体との接近や過熱を避け、みだりに蒸気を発生させない
  • 屋内で数量の20倍以上を置くときは、壁・柱・床・天井を不燃材料(東京都は特定不燃材料)で造った室内で行う。周囲に幅1メートル(200倍以上は3メートル)以上の空地などがあれば、覆った室内でもよい

条例(例)34条の2と東京都の34条の3は、数量の100倍以上の再生資源燃料(廃棄物固形化燃料等)、可燃性固体類、可燃性液体類、合成樹脂類などを置く場合に、火災の危険要因を把握して対策をとるよう求めています。東京都では、これを「保安に関する計画」として作ります。

綿花類・紙くず・合成樹脂類など

綿花類などの置き方の基準。みだりに火気を使用しない、係員以外をみだりに出入りさせない、整理と清掃、くずやかすは1日1回以上廃棄、標識と掲示板、廃棄物固形化燃料等と合成樹脂類以外は一集積単位200平方メートル以下、合成樹脂類は500平方メートル以下に分ける
綿花類などの置き方の基準
  • みだりに火気を使用しない。係員以外の者をみだりに出入りさせない
  • 常に整理と清掃を行い、危険物と分けて置き、地震などで荷くずれ・落下・転倒・飛散しないようにする
  • くず、かす等は1日1回以上、安全な場所で廃棄するなどの措置をとる(条例(例)34条1項4号)
  • 標識と、品名・最大数量・防火に関し必要な事項を書いた掲示板を設ける
  • 廃棄物固形化燃料等と合成樹脂類以外を集積するときは、一集積単位を200平方メートル以下に区分し、集積単位の間に距離をとる
  • 合成樹脂類を集積するときは、一集積単位を500平方メートル以下に区分し、集積単位の間に距離をとる
  • 東京都では、綿花類等は高さ6メートルを超えて集積しない(散水設備など十分な措置があれば別)

廃棄物固形化燃料等は、水分管理、受け入れ時の温度、3日を超えて集積する場合の集積高さ(5メートル以下)、温度や可燃性ガス濃度の監視といった基準が別にあります(条例(例)34条1項5号)。

東京都の空地と集積の数字

東京都の条例は、屋外に置く場合の空地の幅と、集積単位の間の距離を数字で決めています。

東京都の空地と集積の数字の表。可燃性固体類等の屋外はタンク・金属製容器で倍数に応じ1・2・3メートル以上、その他の容器で1・3・5メートル以上。綿花類等の屋外は一集積単位50平方メートル以下で1メートル、超えると2メートル。集積単位の間は1・2・3メートル、合成樹脂類は100・300・500平方メートルの区分で1・2・3メートル
東京都の空地と集積の数字

合成樹脂類以外の綿花類等は、散水設備を設置する等の措置をとった場合、一集積単位を400平方メートル以下とし、集積単位の間と集積群の間を1メートル以上とすることもできます(34条の2第1項2号イ)。集積群とは、屋内で一集積単位の面積の合計が500平方メートル以上になる場合の、500平方メートル以下ごとのまとまりです。

標識と掲示板

指定可燃物を置く場所には、指定可燃物を置いている旨の標識と、品名・最大数量などを書いた掲示板を設けます。東京都の施行規則は、掲示板に書く防火上の事項を、物の種類で分けています。

標識と掲示板。綿花類・紙くずなどは火気注意と整理整とん、可燃性固体類・液体類は火気厳禁。掲示板には品名と最大数量を書く。新発田の案内では火気厳禁は25cm以上×50cm以上、火気注意は30cm以上×60cm以上
標識と掲示板
物の種類掲示板に書く防火上の事項(東京都 施行規則)
可燃性固体類・可燃性液体類火気厳禁
それ以外の指定可燃物火気注意、整理整とん

東京都の標識と掲示板の様式は施行規則の別表に図で示されていて、寸法は今回の取得では読み取れませんでした(取得できず)。新発田地域広域事務組合の案内には、火気厳禁は25㎝以上×50㎝以上、火気注意は30㎝以上×60㎝以上と寸法が書かれています。寸法は管轄の消防本部の様式に合わせてください。

オフィスの天井に付いた感知器を、作業服の点検員が棒状の器具で試験している様子のイメージ
設備の点検(イメージ)

届出が要るライン

指定可燃物を一定量以上置くときは、あらかじめ消防署(消防長)に届け出ます。届出のラインは、国のひな形と東京都で書き方が違います。

届出が要るライン。火災予防条例(例)46条は数量の5倍以上、再生資源燃料・可燃性固体類等・合成樹脂類は数量以上。東京都の条例58条は数量以上の場所(指定可燃物貯蔵取扱所)で設置の10日前まで。やめるときも届出が要り、東京都は開始前に消防署長の検査がある
届出が要るライン

火災予防条例(例)46条

別表第8で定める数量の5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等及び合成樹脂類にあつては、同表で定める数量以上)の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱おうとする者は、あらかじめ、その旨を消防長(消防署長)に届け出なければならない。(火災予防条例(例)46条1項)

同じ条の2項で、この規定は貯蔵と取扱いを廃止する場合に準用するとしています。つまり、置くのをやめるときも届出が要ります。今回確認した志太・草加八潮・弘前の案内も、同じ5倍以上(再生資源燃料・可燃性固体類等・合成樹脂類は数量以上)の書き方でした。

東京都の条例58条

東京都の条例58条1項は、指定可燃物貯蔵取扱所を設置しようとする者に、設置しようとする日(工事を伴う場合は工事に着手する日)の10日前までの届出を求めています。届出の内容を変えるときも同じです。条文を読む限り、東京都では別表第七の数量以上を置く場所が届出の対象で、条例(例)の「5倍以上」という書き方とは違います。自分の場所が当たるかどうかは、管轄の消防署で確かめてください。

  • 変更の届出が要らない軽微な変更は、品名・数量・貯蔵や取扱いの方法に変更がなく、構造や設備を安全性が同等のものと取り替え・補修するもの(施行規則14条2項)
  • 届出をした者は、貯蔵や取扱いを始める前に、位置・構造・設備について消防署長の検査を受ける(58条4項)
  • 指定可燃物貯蔵取扱所を廃止した者は、遅滞なく届け出る(58条5項)。様式は第8号様式

届出の対象になるかどうかの前に、量が数量以上かを判断する必要があります。テナントや倉庫の借主が置いている物は、建物の所有者や管理会社から見えにくいものです。入居の段階で、置く物と量を聞いておくとよいでしょう。

届出書の書き方(東京消防庁)

東京消防庁では、少量危険物と指定可燃物の届出は同じ様式で、「少量危険物貯蔵取扱所、指定可燃物貯蔵取扱所設置(変更)届出書」(第7号様式)を使います。様式はWordとPDFで、記入例もPDFで公開されています。

東京消防庁の第7号様式の記入例の上の部分。届出区分、届出日、あて先、届出者、貯蔵取扱所の所在地、名称、類・品名、最大数量、倍数、位置、方法の概要、消防用設備等、その他の欄に1から13の番号が振られている
東京消防庁 第7号様式の記入例(東京消防庁の記入例PDFから)
届出書の13の欄の書き方の表。届出区分、日付とあて先、届出者、所在地と名称、品名、最大数量(1日のうちで最大となる数量)、倍数、位置と方法の概要、消防用設備等、その他(開始予定日、設計者・施工者など)
届出書の書き方
欄書くこと(東京消防庁の記入要領)
1 届出区分少量危険物か指定可燃物か。違う方を二重線で消す
2 届出日提出する日
3 あて先東京消防庁 ○○消防署長
4 届出者貯蔵し又は取り扱う者。法人は名称・代表者氏名・主たる事務所の所在地
5 所在地貯蔵取扱所の所在地
6 名称貯蔵取扱所の名称と代表者名
7 類・品名化学名や通称名を併記(例 可燃性液体類(大豆油))
8 最大数量1日のうちで最大となる数量
9 倍数指定数量の倍数又は条例別表第7の数量の倍数
10 位置屋外・屋上・屋内(階)・その他
11 方法の概要貯蔵・取扱い方法の概要
12 消防用設備等種類と数(例 粉末消火器(10型)2本)
13 その他開始予定年月日、設計者、施工者、水張(水圧)検査の検査機関・年月日・番号

付ける資料

東京消防庁の届出に付ける資料。設置(変更)届出書(第7号様式)、案内図・配置図、位置・構造・設備に関する図面、建築物又は工作物の構造図、機器等の仕様書、消防設備・警報設備等に係る図面と仕様書等、その他審査に必要な書類
届出に付ける資料

東京都の施行規則14条3項は、添付する図書に、設置場所の周囲の状況、建築物や工作物と主要な設備機器の配置・構造、34条の3の保安に関する計画(該当する場合)を書くよう求めています。保安に関する計画には、物品の危険性、貯蔵や取扱いの危険要因、それを踏まえた災害予防対策、火災その他の異常発生時の措置を定めます(施行規則11条)。

出し方は、電子申請、管轄の消防署の窓口、郵送などです。問い合わせ先は管轄の消防署の予防課危険物係と案内されています。廃止したときは、廃止届出書(第8号様式)に設置時の届出書等を付けて出します。

東京以外の消防本部では

東京以外では、市町村や消防組合ごとの火災予防条例と案内に従います。今回確認した5つの消防本部の案内を並べます。部数や付ける図面、期限の書き方が少しずつ違います。

東京以外の消防本部の届出の比較表。志太消防本部は届出書(正・副)と資料を各2部で平面図などを付ける、草加八潮消防組合は各2部、弘前地区消防事務組合は2部で着工の10日前まで、新発田地域広域事務組合は標識・掲示板の寸法も案内、横須賀市は数量の表と届出様式(Word)
東京以外の消防本部の届出
消防本部案内の要点
志太消防本部数量の5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等、合成樹脂類は数量以上)で管轄の消防署へ届出。届出書(正・副)と資料を各2部。案内図・敷地配置図・平面図(消火設備と標識・掲示板の位置を記載)・立面図・設備の概要図
新発田地域広域事務組合品名と数量、物品例、倍数で増える消防用設備、掲示板の寸法を案内
草加八潮消防組合5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等および合成樹脂類は数量以上)で届出。開始時は届出書と添付書類(案内図・配置図・平面図・立面図・設備の概要図)を各2部。廃止時は開始時の副本と廃止届出書。届出先は最寄の消防署・分署
横須賀市品名と数量、届出が必要となる数量、品名例の表と、届出の様式(Word)。問合せは消防局予防課
弘前地区消防事務組合5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等、合成樹脂類は数量以上)で届出。設置工事に着手する日の10日前まで。窓口へ2部(1部は副本で返却)、郵送も可。代理可・委任状不要。手数料無料

弘前地区消防事務組合は、受付時間を午前8時30分から午後5時と案内しています。どの本部でも、提出の前に様式と部数を案内ページで確かめておくと、出し直しを減らせます。

少量危険物との違い

指定可燃物と並んで出てくるのが「少量危険物」です。少量危険物は、消防法上の危険物のうち、危政令1条の11の指定数量の5分の1以上で指定数量未満のものを指します(施行令10条1項4号)。灯油やガソリンなどの危険物を少し置く場合の話で、紙や樹脂などの指定可燃物とは品名の表が別です。

ただし、置き方の基準や届出は同じ火災予防条例の中にあり、東京消防庁の届出書も共通の様式です。危険物と指定可燃物の両方を置く場合は、届出書の届出区分の欄でどちらに当たるかを分けて書きます。危険物の量の扱いは、この記事では詳しく扱いません。

違反したときの罰則

指定可燃物の罰則は市町村の条例で決まります。東京都の条例と、国のひな形の条例(例)を並べます。

違反したときの罰則の表。置き方・場所の基準に違反すると東京都は30万円以下の罰金(66条3号)、条例(例)も30万円以下(49条3号)。届出をせず・うその届出で貯蔵や取扱いをすると東京都は10万円以下(67条の2第6号)、条例(例)は罰則の条に入っていない。開始前の検査を拒んで貯蔵や取扱いをすると10万円以下。従業員の違反は法人にも罰金刑(68条)、条例(例)は両罰(50条)
違反したときの罰則
違反東京都の条例火災予防条例(例)
置き方・場所の基準に違反30万円以下の罰金(66条3号)30万円以下の罰金(49条3号)
届出をせず、またはうその届出で貯蔵・取扱い10万円以下の罰金(67条の2第6号)罰則の条に入っていない
開始前の検査を拒み、妨げ、忌避して貯蔵・取扱い10万円以下の罰金(67条の2第6号)検査の規定なし
従業員が業務で違反法人や事業主にも罰金刑(68条)法人や事業主にも罰金刑(50条)

条例(例)は、46条の届出をしなかった場合を49条の罰則に入れていません。東京都以外では、届出の罰則があるかどうかを自分の市町村の条例で確かめる必要があります。罰則の有無に関係なく、届出は消防署が物の量と置き方を事前に把握するための仕組みです。消防の立入検査で指摘を受けるきっかけにもなりえます。立入検査の流れは 消防の立入検査 に書いています。

所有者・管理者が確かめること

所有者・管理者が確かめることのチェックリスト。品名は別表のどれか、1日で最も多い量と倍数、届出が要る倍数か、標識と掲示板、500倍・750倍・1000倍を超えていないか、テナントや借主が置く物と量、量や品名を変えるときとやめるときの届出
所有者・管理者が確かめること
  1. 置いている物の品名は、別表のどれに当たるか(東京都なら紙類・穀物類・布類も)
  2. 1日のうちで一番多くなる量はどれだけで、数量の何倍か
  3. 届出が要る倍数か。出していれば副本が手元にあるか
  4. 標識と、品名・最大数量を書いた掲示板があるか
  5. 500倍・750倍・1000倍を超えていないか。必要な消防用設備が足りているか
  6. テナントや倉庫の借主が置いている物と量を把握しているか
  7. 量や品名を変えるとき、やめるときに届出を出したか

建物の使い方が変わると、指定可燃物の量も変わります。防火対象物点検が要る建物では、点検のときに置き方を見直す機会にもなります。点検が要る建物の線引きは 防火対象物点検 にまとめています。

よくある質問

段ボールの在庫は指定可燃物になりますか

東京都では、段ボールは別表第七の紙類に入り、10,000kg以上で指定可燃物になります。危政令 別表第四には紙類の品名がありません。東京都以外で段ボールをどの品名で数えるかは、物の状態によって変わりうるので、管轄の消防署に確かめてください。

指定可燃物になったら、すぐに届出が要りますか

火災予防条例(例)46条では、数量の5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等、合成樹脂類は数量以上)で届出です。数量以上で5倍未満なら、届出は要らなくても、置き方の基準と消火器具の設置は関係します。東京都は条例58条で、数量以上を置く指定可燃物貯蔵取扱所の設置を届出の対象にしています。

届出はいつまでに出せばよいですか

条例(例)は「あらかじめ」、東京都は設置しようとする日(工事を伴う場合は工事に着手する日)の10日前まで、弘前地区消防事務組合は設置工事に着手する日の10日前までと案内しています。期限は本部ごとに確かめてください。

届出は誰が出しますか

条例(例)46条も東京都の58条も、貯蔵し、又は取り扱おうとする者(設置しようとする者)を届出の主体にしています。テナントが物を置くならテナント、自社倉庫なら自社です。弘前地区消防事務組合は、代理でも出せて委任状は不要と案内しています。

やめるときも届出は要りますか

条例(例)46条2項は廃止にも届出を準用し、東京都の58条5項は廃止した者に遅滞なく届け出るよう求めています。東京消防庁の廃止届出書は第8号様式で、設置時の届出書等を付けて出します。

消火器は何本置けばよいですか

施行規則6条3項では、消火器具の能力単位の合計を、置く量を数量の50倍で割った数以上にします。各部分からの歩行距離は20メートル以下です(6条6項)。500倍以上なら、大型消火器を歩行距離30メートル以下ごとに置きます(7条)。本数は消火器の能力単位で変わるので、消防設備の業者や消防署に確かめてください。

この記事の要点

この記事の要点6つ。指定可燃物は危政令 別表第四の12区分で数量以上が対象、置き方と届出は市町村の火災予防条例で多くは5倍以上で届出、東京都は紙類・穀物類・布類も対象で設置の10日前までに届出、500倍で自動火災報知設備・750倍で屋内消火栓・1000倍でスプリンクラー、東京都で届出をせずに貯蔵すると10万円以下の罰金・基準違反は30万円以下、届出書は品名・最大数量・倍数・消防用設備を書き部数や図面は本部ごとに違う
この記事の要点

この記事の出典

出典(すべて2026年10月11日に原文を確認)
消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
危険物の規制に関する政令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
消防庁 火災予防条例(例)(PDF)
東京都 火災予防条例(東京都例規集)
東京都 火災予防条例施行規則(東京都例規集)
東京消防庁 少量危険物貯蔵取扱所、指定可燃物貯蔵取扱所設置(変更)届出書
東京消防庁 同 記入例(PDF)
東京消防庁 少量危険物貯蔵取扱所・指定可燃物貯蔵取扱所廃止届出書
志太消防本部 少量危険物及び指定可燃物の届出について
新発田地域広域事務組合 指定可燃物とは?
草加八潮消防組合 少量危険物・指定可燃物貯蔵、取扱開始・廃止届出書
横須賀市 「指定可燃物」とは
弘前地区消防事務組合 少量危険物、指定可燃物の貯蔵・取扱い

防火対象物点検
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