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消防用設備等の設置届と消防検査|工事完了から4日以内、誰が出すか、検査が必要な建物、添付書類、着工届、検査済証、テナントの届出、出さないときの罰則【2026年版・条文つき】

2026 10/10
消防設備点検
2026年10月10日
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消防用設備等の設置届と消防検査|工事完了から4日以内、誰が出すか、検査が必要な建物、添付書類、着工届、検査済証、テナントの届出、出さないときの罰則【2026年版・条文つき】

この記事の情報

消防法・同法施行令・同法施行規則(e-Gov)、東京消防庁の設置届出書・着工届出書・テナント向けのページ、日本消防設備安全センターの様式のページ、消防庁の立入検査標準マニュアル(令和5年3月16日最終改正)は、2026年10月10日に原文を取得して確認しました。条文は原文どおりに引用しています。届出の細かい運用や必要な図書は消防本部ごとに違うので、最後は建物を管轄する消防署で確かめてください。

新しく建てた建物に消火器や感知器を付けたとき、店舗の改装でスプリンクラーのヘッドを動かしたとき、テナントが入れ替わって自動火災報知設備を足したとき。消防用の設備を付けたり直したりしたら、消防署に「設置届」を出して検査を受けるのが決まりです。

ところが、工事をした業者が出してくれるものだと思っていたり、期限が「4日以内」と短いことを知らなかったりして、あとで慌てることがあります。この記事では、設置届と消防検査を、建物の所有者とテナントの目線で並べます。誰が出すのか、どの建物で検査が要るのか、いつまでに何を付けて出すのか、検査で何が起きるのか、工事の前の着工届、東京都のテナントの届出、出さないとどうなるかです。

改装を終えた和風の飲食店の店内。客席と厨房が見え、壁際に消火器が置かれている様子のイメージ
改装を終えた飲食店(イメージ)
目次
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先に結論

設置届と消防検査の要点5つ。工事完了から4日以内、届け出るのは関係者、届出のあとに検査、工事の前に着工届、怠ると30万円以下の罰金又は拘留
設置届と消防検査の要点
知りたいこと答え
根拠消防法17条の3の2(設置の届出と検査)
誰が出すか関係者(所有者、テナントの占有者など)。工事業者ではない
いつまでに設置に係る工事が完了した日から4日以内(施行規則31条の3第1項)
検査が要る建物施行令35条1項の建物(面積に関係なく対象のものと、延べ300㎡以上のものなど)
付ける書類平面図、配管及び配線の系統図、消防用設備等試験結果報告書など
検査のあと基準に適合していれば検査済証が交付される
工事の前甲種消防設備士が着手の10日前までに着工届(法17条の14)
罰則届出を怠ると30万円以下の罰金又は拘留(法44条8号)

設置届と消防検査とは

消防法17条の3の2は、政令で決められた建物の関係者は、消防用設備等を設置したときは「総務省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。」と決めています。これが設置届と消防検査です。

東京消防庁は、届出が必要な場合として、建物の用途や規模に応じて消防法令上の設置義務がある設備を設置した場合を挙げ、「もともと設置されていた設備を改修した場合でも届出する必要があります。」と書いています。想定される具体例は、建物の建築後、改装工事後、テナント入れ替え後です。新築だけの話ではありません。

工事から使用開始までの流れ。着工届が10日前まで、工事、設置届が工事完了から4日以内、消防署の検査、検査済証の交付。東京都は使用開始届と工事等計画届が7日前まで
工事から使用開始までの流れ

流れを並べると、工事の前に甲種消防設備士が着工届を出し、工事をして、終わったら関係者が4日以内に設置届を出し、消防署が検査をして、合格なら検査済証が出る、という順番です。東京都では、これとは別に、テナントが店を使い始める前の使用開始届と、内装などの工事の前の工事等計画届が火災予防条例で決められています。

誰が出すのか

誰が出すのか。設置届は関係者(所有者やテナント)、着工届は甲種消防設備士。東京消防庁は届出者欄は工事する消防設備業者ではないと注意
設置届と着工届で出す人が違う

いちばん間違えやすいのがここです。東京消防庁は、届出をする人を法令上は「消防用設備等を設置した関係者」としたうえで、「関係者とは、一般的に消防用設備等の所有権を有する人とされていますが、建物の所有者、テナントの占有者等、状況に応じて変わります。」と説明しています。そして「届出者欄に記載される方は「工事する消防設備業者」ではありませんのでご注意ください。」と念を押しています。

実務では、書類の作成や消防署への持参を工事業者が代わりにやることが多いはずです。それでも、届出書に名前が載り、期限を守る責任があるのは関係者です。工事を頼むときに、届出書の作成と提出を誰がするのか、見積もりに入っているのかを確かめておくと安心です。

一方、工事の前の着工届は、工事をする甲種消防設備士が出すものです(法17条の14)。設置届と着工届は、出す人が違います。

検査が必要な建物

消防法施行令35条1項で検査が必要な建物。一号は面積に関係なく、二号は特定用途で延べ300㎡以上、三号は非特定用途で延べ300㎡以上かつ指定、四号は特定一階段等防火対象物
検査が必要な建物(令35条1項)

どの建物で届出と検査が必要かは、施行令35条1項が決めています。用途は施行令別表第一の項で表され、大きく4つに分かれます。

  1. 面積に関係なく対象 → 別表第一(2)項ニ(カラオケボックス等)、(5)項イ(旅館・ホテル等)、(6)項イ(1)から(3)まで(入院設備のある病院・有床診療所等)と(6)項ロ(老人短期入所施設等)、利用者を入居させ又は宿泊させる(6)項ハ、これらの用途を含む(16)項イなど
  2. 延べ面積300平方メートル以上で対象 → (1)項(劇場・集会場)、(2)項イからハ、(3)項(飲食店等)、(4)項(物品販売店舗)、(6)項イ(4)・ハ・ニ、(9)項イ、(16)項イなど
  3. 延べ面積300平方メートル以上で、消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定したもの → (5)項ロ(共同住宅)、(7)項(学校)、(8)項(図書館)、(12)項(工場)、(14)項(倉庫)、(15)項(事務所)など
  4. 上のほか、特定用途の部分が避難階以外の階にあり、そこから避難階か地上に直通する階段が2(屋外階段などは1)以上ない建物

施行令35条2項は、簡易消火用具と非常警報器具を、届出と検査の対象から外しています。たとえば消火器だけを置いた場合の扱いは、建物と消防本部で変わりうるので、迷ったら工事の前に管轄の消防署に聞いてください。

いつまでに、何を付けて出すか

設置届に付ける書類のチェックリスト。設置届出書、平面図、配管及び配線の系統図、計算書、設備の概要表、消防用設備等試験結果報告書
設置届に付ける書類

施行規則31条の3第1項は、検査を受けようとする関係者は、設置に係る工事が完了した場合に「工事が完了した日から四日以内」に、別記様式第一号の二の三の届出書に書類を添えて届け出る、としています。消防用設備等の場合に添える書類は、平面図、配管及び配線の系統図と、消防用設備等試験結果報告書です。試験結果報告書の様式は、設備ごとに消防庁長官が決めています。

東京消防庁は、添付書類として、平面図、配管系統図、配線系統図、計算書、設備の概要表、消防用設備等試験結果報告書を挙げ、「届出内容によって必要な添付図書が変わる場合があります。」と書いています。窓口のほか、郵送と電子申請でも受け付けています。

様式のありか。日本消防設備安全センターの設置届様式1の2の3、着工届様式1の7、概要表11種
様式のありか

様式は、日本消防設備安全センターが令和5年4月1日現在のものをまとめて公開しています。設置届が様式1の2の3、着工届が様式1の7で、概要表は防火対象物、消火栓、スプリンクラー、自動火災報知設備、避難器具などの11種類です。記載要領は管轄の消防本部・消防署に問い合わせるよう書かれています。

4日以内は、土日をはさむとすぐに来ます。工事完了日を工事業者と先に決め、その日から逆算して書類をそろえておくのが現実的です。

届出のあとの消防検査と検査済証

届出のあとの消防検査。受付で日程を相談、遅滞なく検査、検定・認定の表示がある機器は適合とみなす、適合なら検査済証
消防検査から検査済証まで

施行規則31条の3第2項は、届出があったときは、消防長又は消防署長が「遅滞なく」、設置された設備が技術上の基準に適合しているかどうかを検査しなければならない、としています。認定を受けて表示が付いている機器は、その基準に適合するものとみなされます(同条3項)。

東京消防庁は、届出の受付のときに窓口で検査の日程を相談するよう案内し、郵送で出したときも管轄の消防署に連絡して日程を相談するよう書いています。届出の内容によっては検査を省略する場合もあります。

検査で基準に適合していると認められると、同条4項にもとづいて、別記様式第一号の二の三の二の検査済証が関係者に交付されます。この検査済証は、あとで建物を売るとき、テナントが入れ替わるとき、立入検査を受けるときに、設備が正しく付けられたことを示す書類になります。消防用設備の点検の報告書と一緒に保管しておくと探しやすくなります。点検の報告書の扱いは 消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方 に書いています。

工事の前の着工届と、工事できる人

着工届は着手しようとする日の10日前まで、甲種消防設備士が届け出る。平面図、配管及び配線の系統図、計算書を付ける
工事の前の着工届

法17条の14は、甲種消防設備士が、決められた工事をしようとするときは「その工事に着手しようとする日の十日前までに」、工事の種類や場所などを消防長又は消防署長に届け出なければならない、としています。施行規則33条の18は、別記様式第一号の七の着工届出書に、平面図、配管及び配線の系統図、計算書の写しを付けるよう決めています。

消防設備士でないと工事できない設備。屋内消火栓、スプリンクラーなどの消火設備、自動火災報知設備などの警報設備、避難はしご・救助袋・緩降機
消防設備士でないと工事できない設備

決められた工事とは、法17条の5と施行令36条の2が、消防設備士でなければ行ってはならないとしている工事です。屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の消火設備、屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、固定式の金属製避難はしご、救助袋、緩降機の設置に係る工事です(電源や水源、配管の部分を除くものがあります)。消防設備士の種類と、工事ができる甲種と整備・点検の乙種の違いは 消防設備士 で書いています。

つまり、スプリンクラーや自動火災報知設備を付ける工事では、工事の前に着工届、工事のあとに設置届、と届出が2回あります。工事業者がこの段取りを知っているかは、見積もりの段階で確かめられます。

どのくらいの期間がかかるか

消防庁の立入検査標準マニュアルの参考12。自動火災報知設備を設置して違反を直した100件で、延べ500㎡未満は94%が60日以内、500から1,000㎡は87%が90日以内、1,000㎡以上は95%が120日以内
着工届から設置届までの日数

工事にどれくらいかかるかの目安として、消防庁の立入検査標準マニュアルに実データがあります。自動火災報知設備が全部付いていなかった違反を、設備を付けて直した100件で、着工届から設置届までの日数を調べたものです。延べ面積500平方メートル未満では94%が60日以内、500平方メートル以上1,000平方メートル未満では87%が90日以内、1,000平方メートル以上では95%が120日以内でした。

同じ資料には業者が試算した例もあり、RC造で地上3階地下1階、延べ面積500平方メートルの既存ビルに新しく付ける場合、着工届から設置届までが、屋内消火栓設備で60日、スプリンクラー設備で120日、自動火災報知設備で60日とされています。延べ面積1,000平方メートルの例では、それぞれ90日、150日、90日です。立入検査で設備の不備を指摘されたときの改修の期日も、この数字を参考に決められます。立入検査の流れは 消防の立入検査 で書いています。

テナントの出店・改装のとき(東京都)

東京都のテナントの届出。工事等計画届は着手の7日前まで、使用開始届は使用開始の7日前まで、指定防火対象物等は使用開始前に検査
テナントの届出(東京都)

東京都では、消防法の設置届とは別に、火災予防条例で2つの届出が決められています。東京消防庁は「店舗等の出店や入居の際、建物又はその部分を使用しようとする方は、使用を開始する日の7日前までに、防火対象物使用開始届出書の届け出が必要です。」と書き、修繕、模様替え、間仕切り変更などをする場合は、着手する日の7日前までに防火対象物工事等計画届出書が必要だとしています。

条例56条の2は、指定防火対象物等を使用しようとする者は、使用開始前に消防署長の検査を受けなければならない、とも決めています。必要書類の例として、防火対象物概要表、案内図、平面図、詳細図、立面図、断面図、展開図、室内仕上表及び建具表等が挙げられています。条例は、建物の所有者に対しても、テナントにこれらの届出を適正に行うよう求める努力を求めています。

内装の工事で間仕切りを足すと、感知器やスプリンクラーのヘッドの位置が合わなくなることがあります。テナントの工事は、内装業者と消防設備業者の両方が関わるので、所有者や管理会社が工事の前に図面を見て、設置届が要る工事かどうかを確かめておくと、あとの立入検査で指摘を受けにくくなります。防火管理者の選任届も、テナントごとに必要になることがあります(防火管理者とは)。

ビルのエントランスで、スーツ姿の担当者と作業服の業者が書類を見ながら打ち合わせしている様子のイメージ
工事の前の打ち合わせ(イメージ)

建築確認の「消防同意」とは別

消防同意(法7条)は建築確認の前に消防長の同意を得るもの。設置届と消防検査(法17条の3の2)は設備を付けたあと。同意を得ていても設置届と検査は別に要る
消防同意と設置届の違い

新築や増築では、建築確認の段階で「消防同意」という手続きがあります。法7条は、建築確認をする行政庁や指定確認検査機関は、確認の前に消防長又は消防署長の同意を得なければならない、としています。同意は、建築基準法6条1項3号の建築物なら3日以内、その他は7日以内に与えることになっています。

これは図面の段階の手続きで、設備を付けたあとの設置届と消防検査とは別です。建築の側の検査済証と消防の検査済証も別物です。建物が使われ始めてからの建築の定期報告は 特定建築物定期調査 で書いています。

4つの届出の早見表

届出出す人期限根拠
着工届甲種消防設備士工事に着手しようとする日の10日前まで消防法17条の14
設置届関係者(所有者・テナントなど)工事が完了した日から4日以内消防法17条の3の2・規則31条の3
工事等計画届(東京都)工事をしようとする者着手する日の7日前まで火災予防条例56条
使用開始届(東京都)使用しようとする者使用を開始する日の7日前まで火災予防条例56条の2

東京都以外の市町村でも、火災予防条例で使用開始の届出などを決めているところがあります。条例の中身は市町村ごとに違うので、出店する場所の消防本部のページで確かめてください。

出さないとどうなるか

設置届・着工届を怠ると30万円以下の罰金又は拘留(法44条8号)、検査を拒むと30万円以下(44条4号)、設置命令違反は1年以下の拘禁刑又は100万円以下、法人は3,000万円以下
罰則

法44条8号は、17条の3の2(設置届)や17条の14(着工届)の「届出を怠つた者」を、30万円以下の罰金又は拘留に処するとしています。同条4号は、17条の3の2の検査を「拒み、妨げ、又は忌避した者」も同じ罰則です。

届出をしないまま設備に不備があると分かれば、消防長又は消防署長は、法17条の4にもとづいて、基準に従って設置すべきこと、維持のため必要な措置をすべきことを命じることができます。設置の命令に違反して設置しなかった者は、41条1項5号で1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金、法人には45条2号で3,000万円以下の罰金刑です。

工事を頼む前に確かめる6項目のチェックリスト。消防設備士の工事か、届出者は誰か、書類作成の担当、工事完了日、検査の日程、東京都の7日前の届出
工事を頼む前の確認

よくある質問

設置届は工事業者が出してくれますか

書類の作成や提出を工事業者が代わりにすることはよくありますが、届出者は関係者(所有者やテナント)です。東京消防庁も、届出者欄に書くのは工事する消防設備業者ではないと注意しています。誰が出すかを工事の前に決めておいてください。

4日以内に間に合わなかったらどうなりますか

届出を怠ると法44条8号の罰則の対象になりえます。遅れそうなときや遅れたときは、まず管轄の消防署に連絡して指示を受けてください。

消火器を置いただけでも届出が要りますか

施行令35条2項は簡易消火用具と非常警報器具を対象から外していますが、消火器の扱いは建物の用途や規模、消防本部の運用で変わりうるので、管轄の消防署で確かめてください。

設備を交換しただけでも届出が要りますか

東京消防庁は、もともと設置されていた設備を改修した場合でも届出する必要がある、と書いています。どの工事が改修に当たるかは、工事の前に消防署へ確認すると確実です。

検査に落ちたらどうなりますか

検査済証は基準に適合していると認められたときに交付されます。指摘された箇所を直して、改めて検査を受けることになります。

この記事の出典

出典(すべて2026年10月10日に原文を確認)
消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
東京消防庁 消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書
東京消防庁 工事整備対象設備等着工届出書
東京消防庁 新たにテナントを使用する皆様へ
東京消防庁 防火対象物使用開始届出書
日本消防設備安全センター 着工・設置・概要表の様式
消防庁 立入検査標準マニュアル(PDF)

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