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消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方|様式の入手先・提出部数・郵送と電子申請・控えと維持台帳・出さないとどうなるか【2026年版】

2026 9/26
消防設備点検
2026年9月26日
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消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方|様式の入手先・提出部数・郵送と電子申請・控えと維持台帳・出さないとどうなるか【2026年版】

この記事の情報

法令は e-Gov の現行版(消防法は2025年6月1日施行、消防法施行令は2025年10月1日施行、消防法施行規則は2026年6月26日施行の版)で確認し、平成16年消防庁告示第9号、消防庁の点検票の一覧、東京消防庁の制度案内と様式・記入例、相模原市・埼玉西部消防組合・那須地区消防組合・千葉市・大阪市・我孫子市・熊本市・名古屋市・衣浦東部広域連合の案内とあわせて2026年9月26日に確認した内容です。提出部数や出し方は消防本部ごとに違います。出す前に、建物を管轄する消防署に確かめてください。

点検業者から「報告書ができました。確認して、消防署に出しておいてください」と書類の束を渡された。管理会社が替わって、前の担当者が毎年やっていた報告を引き継ぐことになった。消防署から「点検結果の報告が出ていません」という通知が届いた。消防用設備等点検結果報告書は、建物を持っている人や借りて使っている人のところに、ある日こういう形で回ってきます。

ところが、いざ手元に来ると分からないことだらけです。何枚をどの順に綴じればよいのか。表紙の「届出者」には誰の名前を書くのか。何部出すのか。郵送でもよいのか。控えはどうやってもらうのか。電子申請にしたら控えはどうなるのか。出さなかったら何が起きるのか。消防署や消防本部のページはどれも自分の地域のやり方だけを書いていて、全体像が見えません。

この記事では、消防法17条の3の3と消防法施行規則31条の6、報告書の様式を定めた平成16年消防庁告示第9号の原文を確かめたうえで、東京消防庁と各地の消防本部の案内を横に並べました。書類の束の組み方、欄ごとの書き方、点検票の選び方、提出部数、窓口・郵送・電子申請の違い、控えと維持台帳、罰則、業者に任せられる範囲の順に進みます。

先に結論を書くと、報告書は表紙1枚ではなく、表紙・総括表・点検者一覧表・点検票を重ねた束です。出すのは建物の関係者(所有者・管理者・占有者)で、業者に作成や提出を頼んでも名義は関係者のままです。周期は特定用途の建物が1年に1回、それ以外が3年に1回で、出し先は建物を管轄する消防署です。提出部数は法令に書かれておらず、消防本部によって1部だったり2部だったりします。

点検結果報告書の要点。中身は表紙と総括表と点検者一覧表と点検票の束、出す人は関係者、周期は1年か3年、出し先は管轄の消防署、提出部数は消防本部ごとに違う
点検結果報告書の要点(出典 消防法17条の3の3・44条11号/消防法施行規則31条の6)

点検そのもの、つまりどの建物が対象か、誰が点検できるか、何か月ごとに点検するかは「消防設備点検とは(義務・頻度・報告・費用)」に詳しく書いています。この記事はその先の、点検が終わってから消防署に受け付けてもらうまでの書類の実務だけを扱います。

目次
点検の義務と費用の相場をLINEで受け取る。受け取れる情報を見る

消防用設備等点検結果報告書とは何か

報告の義務は消防法17条の3の3に書かれています。条文は1文でとても長いので、まず原文を引きます。

「第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。」(消防法17条の3の3)

この1文には、誰が(関係者)、何を(消防用設備等)、誰に点検させるか(有資格者か自分か)、どうするか(消防長又は消防署長に報告)の4つが入っています。点検の義務と報告の義務が同じ条文に並んでいるので、点検しただけでは義務を果たしたことになりません。報告して初めて完了です。

消防法17条の3の3を4つの要素に分けた図。誰が=関係者、何を=消防用設備等、誰に点検させる=有資格者か自ら、どうする=消防長又は消防署長に報告。様式は消防庁長官が定める
条文を4つに分けて読む(出典 消防法17条の3の3/消防法施行規則31条の6第5項)

報告書の形は法律には書かれておらず、消防法施行規則31条の6第5項が「点検の方法及び点検の結果についての報告書の様式は、消防庁長官が定める。」と委ねています。これを受けて決められたのが平成16年消防庁告示第9号の別記様式第1から第3で、世の中で「点検結果報告書」と呼ばれているのはこの様式です。

決めているものどこに書いてあるか中身
報告の義務消防法17条の3の3関係者が点検させ(又は自ら点検し)、結果を消防長又は消防署長に報告
出す人の範囲消防法2条4項「関係者とは、防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者をいう。」
報告の周期消防法施行規則31条の6第3項特定用途は1年に1回、それ以外は3年に1回
点検の周期平成16年消防庁告示第9号 第3機器点検6月、総合点検1年
報告書の様式消防法施行規則31条の6第5項 → 告示第9号別記様式第1(報告書)・第2(総括表)・第3(点検者一覧表)
点検票の様式昭和50年消防庁告示第14号設備ごとの別記様式(38種類)
出さないとき消防法44条11号30万円以下の罰金又は拘留
天井の感知器を点検している様子
点検が終わっても、結果を報告するまでが義務です

報告書は1枚ではなく「束」

告示第9号の第4は、報告のしかたを次のように決めています。

「点検の結果の報告は、別記様式第1の消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告に、…点検票を添付して行うものとする。ただし、消防用設備等のうち、消防長又は消防署長が適当と認める場合にあっては、別記様式第2の…点検結果総括表及び別記様式第3の…点検者一覧表を添付することをもって足りるものとする。」(平成16年消防庁告示第9号 第4)

つまり表紙(別記様式第1)だけでは報告にならず、点検票を付けるのが原則です。東京消防庁の制度案内のQ8は、作る書類を次の4つとしています。

順番書類様式付けるとき
1消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書別記様式第1必ず
2消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果総括表別記様式第2「点検票が添付されている場合には、②は省略できます。」
3消防用設備等(特殊消防用設備等)点検者一覧表別記様式第3「消防設備士または消防設備点検資格者以外の者が点検した場合には、(3)は省略できます。」
4必要な設備の点検票昭和50年消防庁告示第14号の別記様式点検した設備ごとに
5消防用設備等点検報告改修計画書東京消防庁の様式(別記様式第43号)不良が改修されていないとき(Q14)
報告書の束の組み方。上から点検結果報告書(表紙)、点検結果総括表、点検者一覧表、点検票、不良が残るときは改修計画書
報告書は束で出す(出典 平成16年消防庁告示第9号 第4/東京消防庁 Q8・Q14)

熊本市は案内で「報告書は、「棟」ごとに作成をお願いいたします。」と書いています。敷地に建物が2棟あれば、束も2つになるということです。那須地区消防組合は案内で、窓口に出すものを「消防用設備等点検結果報告書・総括表・点検者一覧表・点検票を編冊したもの」と書いていて、やはり綴じて1つにまとめる前提です。

点検から受付までの流れ

書類の流れを先に全体で見ておくと、この先の説明が追いやすくなります。

点検から受付までの6段階。点検、書類を作る、関係者が中身を確かめる、管轄の消防署へ出す、控えを受け取る、維持台帳に綴じる
点検から受付までの流れ(出典 消防法17条の3の3/消防法施行規則31条の6/平成16年消防庁告示第9号)

業者に点検を頼んでいる場合、1と2は業者の仕事です。3から6は、業者に代行を頼んでいても最終的には関係者の責任として残ります。特に3の確認を飛ばして、建物名や電話番号が違ったまま出てしまう例が多いので、この記事では表紙の欄を1つずつ見ていきます。

誰が出すのか(届出者は関係者)

報告の義務を負うのは、条文のとおり防火対象物の「関係者」です。消防法2条4項は「関係者とは、防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者をいう。」と定めています。建物のオーナー、管理会社、テナントのいずれもが関係者になりえます。

届出者になる関係者の3者。所有者(建物のオーナー)、管理者(管理会社など)、占有者(テナントなど)。3者が別々なら内部の取り決めで決めた者が届け出る
出す人は関係者(出典 消防法2条4項/東京消防庁 報告書の記入例)

では3者がそろっている建物では誰が出すのか。東京消防庁の報告書の記入例は、届出者の欄の書き方として次の3つを挙げています。

番号記入要領の原文(東京消防庁 報告書の記入例 ③届出者)
1「点検対象物の関係者(所有者・管理者・占有者)の住所、氏名及び電話番号を記入します。」
2「法人の場合は、所在地、法人名称、電話番号及び法人代表者の職・氏名を記入します。」
3「関係者がそれぞれ別々の者である場合は、内部的な法律関係により定めた者が届出を行います。」

3つめの「内部的な法律関係により定めた者」とは、管理委託契約や賃貸借契約などで誰が出すかを決めておきなさい、という意味に読めます。オーナーと管理会社のどちらが出すのかが契約に書かれていないと、どちらも出さないまま年が過ぎることがあります。賃貸マンションのオーナーの立場での整理は「マンションの消防点検(部屋に入る理由・費用の負担)」にも書いています。

業者に頼んでも名義は関係者のまま

点検業者の多くは、点検のあとで報告書を作り、消防署への提出まで代行しています。それでも届出者が業者に替わるわけではありません。点検業者の消防テックは自社のページ(2026年9月26日取得)で「点検結果報告書の届出者は各防火対象物の関係者となります」と書いています。

業者と関係者の分担表。点検と書類作成は業者、表紙の名義は関係者、中身の確認は関係者、提出は代行できる、控えの保管は関係者
業者の仕事と関係者の仕事(出典 消防法17条の3の3・44条11号/消防テック 消防定期点検)
作業業者がすること関係者がすること
点検有資格者が点検する日程を決め、立ち会う
点検票・総括表・点検者一覧表書く受け取る
表紙(届出者の欄)下書きをすることがある名義は関係者
中身の確認説明する確認して承認する
消防署への提出代行できる代行を頼むか、自分で出す
不良の改修見積もりと工事発注するか決める
控えの保管写しを渡す維持台帳に綴じる

罰則の条文(44条11号)の対象は「報告をせず、又は虚偽の報告をした者」です。業者が提出を忘れても、報告していない状態は関係者の側に残ります。代行を頼むなら、受付印の押された控えや受付完了のメールを必ず受け取るようにしてください。控えについては後の章で詳しく書きます。

いつ出すのか(1年に1回か3年に1回)

報告の周期は消防法施行規則31条の6第3項が建物の用途で2つに分けています。

区分規則31条の6第3項の原文報告の周期
1号「令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物」一年に一回
2号「令別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項及び(十八)項までに掲げる防火対象物」三年に一回
報告の周期の図。特定用途の建物は1年に1回、それ以外の建物は3年に1回。点検は機器点検6月、総合点検1年
報告は1年に1回か3年に1回(出典 消防法施行規則31条の6第3項/平成16年消防庁告示第9号 第3)

1号がいわゆる特定防火対象物、2号がそれ以外です。項の番号だけでは分かりにくいので、東京消防庁と千葉市の用途の例を並べます。

東京消防庁 Q6千葉市
1年に1回「特定防火対象物」(用途例 物品販売店舗、ホテル、病院、飲食店など)「福祉施設、宿泊施設、飲食店、診療所、物販店などの特定防火対象物」
3年に1回「非特定防火対象物」(用途例 工場、事務所、共同住宅、学校、駐車場等)「共同住宅、学校、工場、倉庫、事務所などの非特定防火対象物」
用途の例で見る報告の周期。飲食店・物販店・ホテル・病院は1年に1回、事務所・共同住宅・工場・学校・駐車場は3年に1回
用途の例で見る報告の周期(出典 東京消防庁 Q6/千葉市)

注意したいのは、1階に飲食店が入っている事務所ビルのような複合用途の建物です。報告書の用途欄の記入例では「複合用途 ⒃項イ」と書く例が示されていて、(十六)項イは1号、つまり1年に1回の側に入っています。事務所ビルだから3年に1回、と思い込まないようにしてください。

点検の回数と報告の回数は違う

点検は告示第9号の第3で機器点検が6月ごと、総合点検が1年ごとと決まっています。東京消防庁Q5の説明では、機器点検は「外観又は簡易な操作による確認をする点検」、総合点検は「実際に消防設備を作動させ、全般的な機能を確認する点検」です。報告の周期は点検とは別に決まっているので、3年に1回の建物なら、3年の間に点検は6回あり、報告はそのうち1回だけです。

3年に1回の建物の例で、3年間に機器点検と総合点検が半年ごとに6回あり、報告は1回だけであることを示す時間軸
点検と報告の回数(出典 消防法施行規則31条の6/平成16年消防庁告示第9号 第3)

どの点検の結果を出すのかについて、相模原市は案内で「消防署への報告は、総合点検を報告してください。」と書いています。報告しない回の点検結果も、後で書く維持台帳に記録して残しておく必要があります。

報告を忘れていたとき

前回の報告から何年も空いてしまった、前の管理者が出していたか分からない、というときの扱いを、東京消防庁はQ20で次のように答えています。

「直近1年間で実施した機器点検(6ヶ月に1回)と総合点検(1年に1回)の結果報告書を、管轄消防署に提出してください。直近1年以内に点検を実施していない場合は、点検を実施した後に点検結果報告書を提出してください。」(東京消防庁 Q20)

報告を忘れていたときの対応。直近1年間に点検していれば機器点検と総合点検の結果を出す。点検していなければ点検してから出す
報告を忘れていたとき(出典 東京消防庁 Q20)

過去の分をさかのぼって全部出す、という書き方にはなっていません。まず直近の点検の結果を出す、点検していなければ点検から始める、という順番です。管轄によって扱いが違うことも考えられるので、気づいた時点で管轄の消防署に相談するのが早道です。

どこへ出すのか(建物を管轄する消防署)

条文上の出し先は「消防長又は消防署長」です。実際の窓口は、建物の所在地を管轄する消防署です。各地の案内の書き方を並べると、窓口の細かさに違いがあります。

消防本部出し先の原文
東京消防庁(Q10)「建物を管轄する消防署又は出張所へ報告書を提出してください。」
相模原市「受付窓口:市内の各消防署の本署、分署、消防出張所又は査察指導課」
埼玉西部消防組合「宛先(提出先) 管轄の消防署長(管轄の消防署第1課、第2課、第3課又は分署)」
名古屋市「防火対象物が所在する区の消防署予防課に提出してください。」
千葉市「点検報告を行う建物が所在する区の消防署に送付してください。」(宛先は各消防署の予防課予防係)
出し先は建物を管轄する消防署。東京消防庁は消防署又は出張所、名古屋市は区の消防署予防課、千葉市は区の消防署の予防課予防係など本部ごとに書き方が違う
出し先は管轄の消防署(出典 東京消防庁 Q10/相模原市/埼玉西部消防組合/名古屋市/千葉市)

表紙のあて先の欄について、東京消防庁の記入例は「当該防火対象物を所轄する消防署長を記入します。」としています。届出者の住所や本社の所在地ではなく、建物の所在地で決まる点に注意してください。本社が東京にあって建物が千葉にあれば、出し先は千葉の消防署です。

東京には一括報告の道がある

都内に多数の事業所を持つ事業者向けに、東京消防庁はQ10で一括報告の道を示しています。次の3つの条件をすべて満たす場合、報告先を東京消防庁予防部査察課とし、一括報告できる場合がある、という書き方です。

条件原文(東京消防庁 Q10)
1「同一の事業者が都内全域に多数の事業所を所有又は管理しており、消防用設備等点検結果報告書の量が膨大であること。」
2「点検報告の対象となる消防用設備等が、消火器のみであること。」
3「報告時に点検結果の不良箇所がすべて改修されていること。」
東京消防庁の一括報告の3条件。都内に多数の事業所を持ち報告書の量が膨大、対象の設備が消火器のみ、不良箇所がすべて改修済み
一括報告の3条件(出典 東京消防庁 Q10)

消火器しか付いていない小さな店舗をチェーンで多数持っている事業者が想定されているように読めます。「できる場合があります」という書き方なので、使えるかどうかは査察課への確認が前提です。東京消防庁以外で同じ仕組みがあるかは、今回確かめた範囲では取得できていません。

様式はどこで手に入るか

様式は全国共通で、消防庁のページに原本が置かれています。ただし各地の消防本部も自分のページに様式や記入例を置いていて、記入例の充実度に差があります。

入手先置いてあるもの
消防庁「消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票」別記様式第1〜第3(Word・PDF)、点検票38種(Word・PDF)、点検基準、点検要領
東京消防庁 申請様式No.1〜No.44(報告書・改修計画書・総括表・点検資格者一覧表・点検票)と記入例
日本消防設備安全センター「3.点検報告・点検票」様式の案内。「様式の記載要領につきましては、届け出る地域を管轄する消防本部・消防署にお問い合わせください。」
大阪市報告書(PDF・DOCX)、総括表(PDF・DOC)、点検者一覧表(PDF・DOC)。「CC-BY4.0 で提供いたします。」
埼玉西部消防組合報告書(Word・PDF)と記入例
相模原市報告書・総括表・点検者一覧表の記入例(PDF)
千葉市消防庁のページへのリンク
様式の入手先の一覧。消防庁は様式と点検票38種、東京消防庁は様式と記入例、大阪市はCC-BY4.0の様式、埼玉西部と相模原市は記入例
様式の入手先(出典 消防庁/東京消防庁/日本消防設備安全センター/大阪市/埼玉西部消防組合/相模原市)

書き方を知りたいなら、記入例がそろっている東京消防庁の申請様式が一番の手がかりになります。報告書・改修計画書・総括表・点検者一覧表のそれぞれに記入例があります。一方、日本消防設備安全センターが書いているとおり、記載のしかたの細部は届け出る地域の消防本部に合わせるのが基本です。

様式は改正されることがあります。千葉市は「点検結果報告書・点検票の様式は、平成31年4月18日付で改正されていますのでご注意ください。」と注意書きを置いています。業者から古い様式で書類が来た場合は、消防庁のページの最新版と見比べてください。

消防庁が公開している別記様式第1 消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書の実物
別記様式第1 点検結果報告書の実物(出典 消防庁 別記様式第1。平成16年消防庁告示第9号)

表紙(別記様式第1)の書き方

表紙の欄は、年月日、あて先、届出者(住所・氏名・電話番号)、防火対象物(所在地・名称・用途・規模)、消防用設備等の種類等、それに記入しない受付欄と経過欄です。様式の中央には「下記のとおり消防用設備等(特殊消防用設備等)の点検を実施したので、消防法第17条の3の3の規定に基づき報告します。」という定型文が印刷されています。

様式の備考には次の4つが書かれています。

番号別記様式第1の備考(原文)
1「この用紙の大きさは、日本産業規格A4とすること。」
2「消防設備士又は消防設備点検資格者が点検を実施した場合は、点検を実施した全ての者の情報を別記様式第3に記入し、添付すること。」
3「消防用設備等又は特殊消防用設備等ごとの点検票を添付すること。」
4「※印欄は、記入しないこと。」

欄ごとの書き方は、東京消防庁の報告書の記入例に記入要領があります。

欄東京消防庁の記入要領(原文)
①年月日「消防署に届出する年月日(和暦又は西暦どちらでも可)を記入します。郵送で送付する際は、投函日とします。」
②あて先「当該防火対象物を所轄する消防署長を記入します。」
③届出者関係者の住所・氏名・電話番号。法人は所在地・法人名称・電話番号・代表者の職と氏名
④所在地「当該防火対象物の所在地を記入します。」
⑤名称「「〇〇ビル」等防火対象物の名称を記入します。(届出者の事業所の名称ではなく、建物の名称を記入します。)」
⑥用途「当該防火対象物の用途(建物全体の用途)を消防法施行令別表第 1 に掲げる用途区分により「飲食店 ⑶項ロ」「複合用途 ⒃項イ」の要領で記入します。」
⑦規模「防火対象物の規模(階層・延べ面積)を記入します。」
⑧種類等「点検した消防用設備等を記入します。」
表紙の欄と書き方の一覧。年月日は届出日で郵送なら投函日、あて先は所轄の消防署長、名称は建物の名称、用途は建物全体の用途を項の番号つきで、種類等は点検した設備
表紙の欄と書き方(出典 東京消防庁 報告書の記入例/平成16年消防庁告示第9号 別記様式第1)

記入例の建物で見る

東京消防庁の記入例に使われている建物は、用途が「(16)項イ」、規模が地上11階・地下0階・延べ面積1,100平方メートルです。点検した設備として、次の9つが並んでいます。

  • 消火器具
  • スプリンクラー設備
  • 自動火災報知設備
  • 避難器具
  • 誘導灯及び誘導標識
  • 連結送水管(共同住宅用連結送水管)
  • 非常コンセント設備(共同住宅用非常コンセント設備)
  • 非常電源(自家発電設備)
  • 配線
東京消防庁の記入例の建物。用途は16項イ、地上11階地下0階、延べ面積1,100平方メートル、点検した設備は消火器具からスプリンクラー、自動火災報知設備、配線まで9つ
記入例の建物で見る表紙(出典 東京消防庁 報告書の記入例)

ここで見落としやすいのが、非常電源と配線です。スプリンクラーや自動火災報知設備のように非常電源が要る設備を点検したら、非常電源と配線もそれぞれ1つの設備として種類等の欄に書き、点検票も付けます。後で書くとおり、我孫子市はこの2つの点検票の付け忘れを名指しで注意しています。

表紙で間違えやすい4か所

各地の案内に出てくる注意書きを表紙の欄ごとにまとめると、次の4か所に集まります。

欄よくある間違い原文
年月日空欄のまま出す東京消防庁「届出日の記載 空欄とするのではなく、郵便物の投函日を記入してください。」
届出者名前が抜けている東京消防庁「届出者(所有者、管理者、占有者)名の記載漏れがないか確認してください。」
名称会社名や店名を書く東京消防庁「届出者の事業所の名称ではなく、建物の名称を記入します。」
電話番号内容を答えられない番号を書く千葉市「電話番号欄には報告に関して対応可能な方の連絡先が記載されていますか?」、熊本市「報告に関して対応可能な方の連絡先を記入してください。」
表紙で間違えやすい4か所。年月日は空欄にしない、届出者の名前を抜かさない、名称は建物の名前、電話番号は報告に対応できる人
表紙で間違えやすい4か所(出典 東京消防庁 郵送での報告の受理について・記入例/千葉市/熊本市)

電話番号は、消防署が中身を確認したいときにかけてくる番号です。オーナーの代表番号を書いても、報告書の中身を知らない人が出ると話が止まります。業者に中身の説明を任せるなら、その旨を社内で決めたうえで、答えられる人の番号を書くのが安全です。

押印は必要か

東京消防庁はQ9で「必要ありません。消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書、各消防設備の点検票ともに必要ありません。」と答えています。改修計画書の様式にも押印は不要と注記されています。一方で、点検業者の消防テックのページ(2026年9月26日取得)には「立会者及び防火管理者の記名、押印が必要です」という記述があり、東京消防庁の案内と食い違っています。この記事では東京消防庁の回答を正として扱います。管轄が東京消防庁以外なら、その消防本部の案内で確かめてください。

総括表(別記様式第2)の書き方

総括表は、点検した設備ごとに良か不良かを1枚にまとめる表です。欄は、名称、所在地、防火管理者、点検実施責任者、点検種別(機器点検・総合点検)、点検年月日、設備名、判定(良・不良)、不良内容、措置内容、立会者です(別記様式第2)。

消防庁が公開している別記様式第2 消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果総括表の実物
別記様式第2 点検結果総括表の実物(出典 消防庁 別記様式第2。平成16年消防庁告示第9号)

様式の備考は、判定と措置の書き方を次のように決めています。

欄別記様式第2の備考(原文)
判定・不良内容「判定欄は、正常の場合は「良」に、不良の場合は「不良」に○印を付し、不良内容欄にその内容を記入すること。」
措置内容「措置内容欄には、点検の際措置した内容を記入すること。」
総括表の欄の一覧。名称、所在地、防火管理者は選任されている場合、点検実施責任者、点検種別、点検年月日、設備名、判定の良か不良、不良内容、措置内容、立会者
総括表の欄(出典 平成16年消防庁告示第9号 別記様式第2/東京消防庁 総括表の記入例/我孫子市/熊本市)

防火管理者の欄は、防火管理者が選任されている場合に書きます(我孫子市・熊本市の注意書きも同じ)。防火管理者が必要な建物なのに選任していない場合は、この欄が空くことで目立ちます。防火管理者が必要かどうかの判断は「防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届)」にまとめています。

不良の書き方の見本

東京消防庁の総括表の記入例は、不良の書き方を次のように示しています。

不良内容(記入例)措置内容(記入例)
「1、2 階飲食店内 粉末消火器 未設置」「1階飲食店内に粉末消火器 設置済み(〇〇月〇〇日)」
「3階倉庫内煙感知器(No. △)及び4階事務室内煙感知器(No. □)作動不良」「3階倉庫内の煙感知器(No. △)交換済み(〇〇月〇〇日)」
総括表の不良の書き方の見本。場所と設備と状態を書き、措置内容には何をいつしたかを書く。措置が一部だけなら残りは改修計画書へ
不良の書き方の見本(出典 東京消防庁 総括表の記入例)

見本では、不良は1階と2階の2か所なのに措置は1階だけ、感知器も2か所の不良に対して交換は1か所だけになっています。点検の場で直せたものは措置内容に書き、直しきれなかったものが残る、という実際によくある形です。残った不良は、後の章の改修計画書で扱います。

点検者一覧表(別記様式第3)の書き方

点検者一覧表は、点検した人の資格を示す表です。欄は、点検者の住所・社名・氏名・電話番号、消防設備士の種類と交付年月日・交付番号・交付知事・講習受講年月、消防設備点検資格者の種類と交付年月日・交付番号・有効期限、備考、設備名です(別記様式第3)。

消防庁が公開している別記様式第3 消防用設備等(特殊消防用設備等)点検者一覧表の実物
別記様式第3 点検者一覧表の実物(出典 消防庁 別記様式第3。平成16年消防庁告示第9号)
欄書き方(原文)
住所・社名・電話番号「点検者が会社(会社以外の法人に所属する場合は当該法人)に所属する場合には、当該所属する会社の住所、社名及び電話番号を記入すること。」(様式の備考)
資格「消防設備士又は消防設備点検資格者の区分、種類等、交付年月日、交付番号、交付機関、最新の講習(再講習)受講年月日を記入します。」(東京消防庁の記入要領)
備考「消防設備士、消防設備点検資格者のほか、必要資格等(誘導灯の点検における電気工事士資格など)の情報(資格種類、交付番号及び交付年月日等)を記入します。」(同)
設備名「点検した設備名を記入します。」(同)
点検者一覧表の欄。点検者の住所と社名と電話番号は所属会社のもの、資格の種類と交付年月日と交付番号と講習受講年月、誘導灯を点検したら備考に電気工事士などの免状、設備名
点検者一覧表の欄(出典 平成16年消防庁告示第9号 別記様式第1・第3/東京消防庁 点検者一覧表の記入例)

様式の備考4には、誘導灯及び誘導標識を点検した人は、電気工事士免状か第一種から第三種までの電気主任技術者免状の種類・交付番号・交付年月日を備考欄に書く、とあります(第二種消防設備点検資格者の免状を持つ人を除く)。業者から受け取った一覧表で、誘導灯の行の備考が空いていたら確認してみてください。

省略できる書類と条件

束の中には、条件しだいで省略できるものがあります。

書類省略できる条件出典
総括表「点検票が添付されている場合には、②は省略できます。」東京消防庁 Q8
点検者一覧表「消防設備士または消防設備点検資格者以外の者が点検した場合には、(3)は省略できます。」東京消防庁 Q8
点検票告示第9号 第4のただし書き。「消防長又は消防署長が適当と認める場合にあっては」総括表と点検者一覧表の添付で足りる平成16年消防庁告示第9号
省略できる書類と条件。総括表は点検票を付ければ省略できる、点検者一覧表は有資格者以外が点検したら省略できる、点検票は消防長又は消防署長が適当と認める場合
省略できる書類と条件(出典 平成16年消防庁告示第9号 第4/東京消防庁 Q8/那須地区消防組合)

点検票の省略について、那須地区消防組合は案内で「消防長または消防署長が適当と認める場合は、点検票を省略することができます。」と書き、詳しくは運用基準のPDFを見るよう案内しています。この運用基準のPDFの中身は今回取得できていません。どの設備なら点検票を省略できるかは本部ごとの運用なので、省略したい場合は管轄に確かめてください。

点検票はどれを付けるか(38種類の対応表)

点検票は設備ごとに様式が決まっていて、昭和50年消防庁告示第14号の別記様式として消防庁のページに並んでいます。番号は第1から第36までですが、第11の2と第25の2があるので、全部で38種類です。

点検票の対応表の前半。消火器具は別記様式第1、屋内消火栓設備は第2、スプリンクラー設備は第3、自動火災報知設備は第11、ガス漏れ火災警報設備は第11の2、避難器具は第15、誘導灯及び誘導標識は第16など
点検票は38種類(1)(出典 消防庁 消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票)
点検票の対応表の後半。連結送水管は第20、非常電源は専用受電設備第23・自家発電設備第24・蓄電池設備第25・燃料電池設備第25の2、配線は第26、特定小規模施設用自動火災報知設備は第33、特定駐車場用泡消火設備は第36など
点検票は38種類(2)(出典 消防庁 消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票)
設備点検票(昭和50年消防庁告示第14号)
消火器具別記様式第1
屋内消火栓設備別記様式第2
スプリンクラー設備別記様式第3
水噴霧消火設備別記様式第4
泡消火設備別記様式第5
不活性ガス消火設備別記様式第6
ハロゲン化物消火設備別記様式第7
粉末消火設備別記様式第8
屋外消火栓設備別記様式第9
動力消防ポンプ設備別記様式第10
自動火災報知設備別記様式第11
ガス漏れ火災警報設備別記様式第11の2
漏電火災警報器別記様式第12
消防機関へ通報する火災報知設備別記様式第13
非常警報器具及び設備別記様式第14
避難器具別記様式第15
誘導灯及び誘導標識別記様式第16
消防用水別記様式第17
排煙設備別記様式第18
連結散水設備別記様式第19
連結送水管(共同住宅用連結送水管)別記様式第20
非常コンセント設備(共同住宅用非常コンセント設備)別記様式第21
無線通信補助設備別記様式第22
非常電源(非常電源専用受電設備)別記様式第23
非常電源(自家発電設備)別記様式第24
非常電源(蓄電池設備)別記様式第25
非常電源(燃料電池設備)別記様式第25の2
配線別記様式第26
総合操作盤別記様式第27
パッケージ型消火設備別記様式第28
パッケージ型自動消火設備別記様式第29
共同住宅用スプリンクラー設備別記様式第30
共同住宅用自動火災報知設備別記様式第31
住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備別記様式第32
特定小規模施設用自動火災報知設備別記様式第33
加圧防排煙設備別記様式第34
複合型居住施設用自動火災報知設備別記様式第35
特定駐車場用泡消火設備別記様式第36

表紙の「消防用設備等の種類等」の欄に書いた設備と、付けた点検票の数が一致しているかを見るのが、いちばん簡単な確認のしかたです。記入例の建物なら、種類等の欄に9つ書いてあるので、点検票も9種類そろっているはずです。

連結送水管の点検票(別記様式第20)には「配管の耐圧性能」の行があり、配管を設置した日から10年を経過した建物では、耐圧試験の結果もこの行に書きます(連結送水管の耐圧試験とは)。

東京消防庁の申請様式では、点検票は No.5 から No.44 の番号で並んでいて、消防庁の別記様式の番号とは振り方が違います(No.40 は自家発電設備の「運転性能の維持に係る予防的保全策」)。東京消防庁の番号で業者と話すときは、この違いに気をつけてください。

消火器具点検票の読み方

いちばん多くの建物で使う消火器具点検票(別記様式第1)を例に、点検票の読み方を見ておきます。見出しには、名称、所在、防火管理者、立会者、点検種別、点検年月日、点検者の氏名、点検者の所属会社の社名・電話番号・住所が並び、その下に設置状況(設置場所・設置間隔・適応性・耐震措置)、表示・標識、消火器の外形などの点検項目が続きます。

消防庁が公開している消火器具点検票(昭和50年消防庁告示第14号 別記様式第1)の実物
消火器具点検票の実物(出典 消防庁 昭和50年消防庁告示第14号 別記様式第1)
欄消火器具点検票の備考(原文)
消火器の種別「Aは粉末消火器、Bは泡消火器、Cは強化液消火器、Dは二酸化炭素消火器、Eはハロゲン化物消火器、Fは水消火器をいう。」
判定「判定欄は、正常の場合は○印、不良の場合は不良個数を記入し、不良内容欄にその内容を記入すること。」
措置内容「措置内容欄には、点検の際措置した内容を記入すること。」
消火器具点検票の読み方。種別はAからFの記号、判定は正常なら丸、不良なら不良個数、不良内容と措置内容を書く
消火器具点検票の読み方(出典 昭和50年消防庁告示第14号 別記様式第1 消火器具点検票の備考)

判定欄に数字が書いてあれば、それは不良の個数です。丸ばかりだと思って読み飛ばさず、数字が入っている行と不良内容欄を見てください。

付け忘れが多い点検票

我孫子市は郵送の案内で、記載漏れ・添付漏れの注意として「非常電源点検票、配線点検票(点検票添付が必要な消防用設備に限る。)」を名指ししています。非常電源と配線は、それだけで独立した設備として目に見えにくいので、点検票が抜けやすいのだと思われます。

付け忘れが多い点検票。非常電源の点検票と配線の点検票。スプリンクラーや自動火災報知設備などを点検したら一緒に付ける
付け忘れが多い点検票(出典 我孫子市/消防庁 点検票一覧)

不良が残るときは改修計画書を付ける

点検で不良が見つかり、報告のときまでに直っていない場合、東京消防庁はQ14で次のように案内しています。

「不備事項があった場合は、早期に改修してください。」「不備のあった報告書を消防署に提出する場合は、改修の予定を記載した「消防用設備等点検報告改修計画書 」を合わせて消防署へ提出してください。」(東京消防庁 Q14)

改修計画書の欄は、年月日、あて先、名称、所在地、電話、関係者の職・氏名、設備名、点検項目・不良内容、改修内容、改修予定日です。定型文は「年 月 日に提出した消防用設備等点検結果報告書で一部未実施・不良内容の改修(計画)については、次のとおりです。」となっています。郵送の場合も、東京消防庁は「改修計画書(No.2)を作成し、なるべく同封して送付願います。」としています。

改修計画書の欄。設備名、点検項目と不良内容、改修内容、改修予定日。不良が改修されていない報告書と一緒に出す。押印は不要
改修計画書(出典 東京消防庁 改修計画書(別記様式第43号)・Q14)

改修計画書は東京消防庁の様式で「別記様式第43号(第38関係)」と書かれていますが、その根拠になっている規程の本文は今回取得できていません。東京消防庁以外の地域で同じ書類が求められるか、様式がどうなっているかは、管轄の消防本部に確かめてください。改修工事の費用の考え方は「{HIYO}」の見積もりの章が参考になります。

何部出すのか(消防本部ごとに違う)

提出部数は、消防法にも施行規則にも告示にも書かれていません。施行規則31条の6の全文と告示第9号の様式の備考を確かめましたが、様式の備考にあるのはA4の用紙の指定だけで、部数の定めはありません。そのため部数は消防本部ごとの運用で、1部のところもあれば2部のところもあります。

消防本部提出部数の原文
東京消防庁(窓口)「原則1部提出してください。なお、受付印を押した控えが必要な場合は、届出者側で控え用のコピー(表紙のみ)をご用意の上、届出書等と併せて提出してください。」
東京消防庁(郵送等)「原則1部提出してください。なお、受付印を押した控えが必要な場合は、届出者側で次の書類を同封の上、郵送してください。① 控え用のコピー(表紙のみ)② 返信用封筒(返信に必要な金額の切手を貼付し、返信先を記載してください)」
相模原市「提出部数:1部(控えが必要な場合は必要な部数を添えて)」
埼玉西部消防組合「提出部数 2部」
那須地区消防組合窓口「…点検結果報告書・総括表・点検者一覧表・点検票を編冊したものを、2部提出してください。」郵送も2部
千葉市「その防火対象物を管轄する消防署へ点検結果報告書(点検票を含む。)を2部(正・副本)提出します。※受付後、1部(副)は返却します。」
熊本市(郵送)「点検結果報告書 1部(提出用)」「副本の返送を希望する場合 点検結果報告書(副本) 1部以上(必要数)副本返信用封筒 1通」
我孫子市(郵送)「送付書類:点検結果報告書(正本・副本)・返信用封筒1通 ※(必要料金分の切手貼付)」
提出部数の比較。東京消防庁と相模原市は1部、埼玉西部と那須と千葉市は2部、熊本市と我孫子市の郵送は正本と副本。法令には部数の定めがない
提出部数は消防本部ごとに違う(出典 東京消防庁 申請様式/相模原市/埼玉西部消防組合/那須地区消防組合/千葉市/熊本市/我孫子市/消防法施行規則31条の6)

ここで大事なのは、「2部」の意味が本部によって違うことです。千葉市の2部は正本と副本で、副本は受付印を押して返してくれる控えです。東京消防庁は原則1部で、控えが欲しければ表紙のコピーだけを添えます。点検票まで全部を2部そろえる必要があるかどうかで、コピーの手間がかなり変わります。

控えのもらい方は2通り

並べてみると、控えのもらい方は大きく2つに分かれます。

やり方消防本部の例用意するもの
表紙のコピーだけを添える東京消防庁表紙のコピー1枚(郵送なら返信用封筒も)
束をもう1部作って副本にする千葉市、那須地区消防組合、埼玉西部消防組合、我孫子市、熊本市正本と同じ内容の副本(郵送なら返信用封筒も)
控えのもらい方は2通り。東京消防庁は表紙のコピーだけを添える、千葉市などは正本と同じ副本をもう1部作る
控えのもらい方は2通り(出典 東京消防庁 申請様式/千葉市/那須地区消防組合/埼玉西部消防組合/我孫子市/熊本市)

副本を作るときは、熊本市が「副本は正本と同じ内容が記載されているか確認してください。」、千葉市が「正本と同じ内容が記載されていますか?」と注意しているとおり、正本と中身をそろえるのが前提です。正本だけ直して副本を直し忘れる、という形のずれが起きやすいところです。

出し方は窓口・郵送・電子申請の3つ

東京消防庁はQ11で、出し方として「管轄消防署の窓口に持参する。」「管轄消防署へ郵送する。」「電子申請システムを利用して、専用の受付フォームから管轄消防署に提出する。」の3つを挙げています。

窓口郵送電子申請
控えその場で受付印の副本(またはコピー)返信用封筒で副本が戻る副本は出ない(受付完了メールや受付番号入りの様式)
控えが戻るまでその場消防署に届いてから1、2週間程度(東京消防庁)受付完了のメール(名古屋市)。受付番号入りの様式は通常1週間前後(熊本市)
向いている場面近くて平日の昼に行ける遠い、行く時間がとれない紙の副本が要らない
出し方は3つ。窓口はその場で控え、郵送は返信用封筒で副本が戻る、電子申請は副本が出ず受付完了メールなどが控えになる
出し方は3つ(出典 東京消防庁 Q11・申請様式・郵送での報告の受理について/那須地区消防組合/名古屋市/熊本市)

窓口

窓口は、その場で受付印を押してもらえるのがいちばんの利点です。受付時間は本部ごとに決まっていて、那須地区消防組合は窓口の受付を平日の8時30分から17時15分としています。行く前に、管轄の消防署の受付時間と、予防課など担当の係がどこかを確かめておくと無駄足になりません。

郵送

郵送について、東京消防庁は郵送での報告の受理についてで次のように書いています。

「郵送方法については任意ですが、郵送事故等による書類の紛失により消防署に郵便物が届かない場合は、受付ができませんので、簡易書留等の配達記録が残る方法で郵送していただくことを推奨します。」「点検結果報告書の内容について、消防署から確認の連絡をする場合がありますので、担当者の氏名と連絡先などの情報が分かるようにしてください。」(東京消防庁)

同封するものを、各地の案内から整理すると次のとおりです。

同封するもの内容
報告書の束表紙・総括表・点検者一覧表・点検票(本部が求める部数)
改修計画書不良が残っているとき(東京消防庁は「なるべく同封」)
控え用の書類東京消防庁は表紙のコピー、千葉市・熊本市・我孫子市などは副本
返信用封筒返信先を書き、必要な切手を貼る。熊本市は「副本の重さや大きさに応じた返信に必要な料金分の切手を貼付してください。」
連絡先担当者の氏名と連絡先が分かるようにする(東京消防庁)
郵送するときの同封物。報告書の束、改修計画書、控え用の書類、返信用封筒、担当者の連絡先。簡易書留等の配達記録が残る方法を推奨
郵送するときの同封物(出典 東京消防庁 申請様式・郵送での報告の受理について/熊本市/那須地区消防組合)

副本が戻るまでの日数も、各地の案内に書かれています。

消防本部副本が戻るまで(原文)
東京消防庁「受付や返送の手続きに時間がかかることがあります(消防署に到着後 1、2 週間程度)。」
千葉市「受付から概ね1~2週間程度で返送しますが、郵送件数の多寡により、返信時期が遅れることがありますのであらかじめご了承ください。」
熊本市「副本は、受付後、概ね1~2週間程度で返信します。」
我孫子市「副本の返信は、受付後、概ね1週間から2週間程度で返信します。」
郵送した副本が戻るまでの日数。東京消防庁、千葉市、熊本市、我孫子市とも受付からおおむね1から2週間程度
郵送した副本が戻るまで(出典 東京消防庁/千葉市/熊本市/我孫子市)

郵送でつまずきやすいのは、次の3つの場面です。

場面原文
受付日がいつになるか我孫子市「点検結果報告書の受領日は、消防機関に書類が届き不備がないことを確認した日となります。」
郵便以外で送る千葉市「郵送以外の方法で送付される場合は、信書便事業者に依頼する必要がありますので、依頼する前に信書便事業者であることを確認してください。」
返信用封筒の不備千葉市「返信用封筒がない場合や必要な料金分の切手が貼られていない場合は、改めて返送用封筒を送付していただくか、直接消防署に来訪していただくこととなります」。我孫子市「郵便料金不足分は、受取人払いとして返送いたしますので、ご了承ください。」
郵送でつまずく3つの場面。受領日は届いて不備がないと確認した日、郵便以外は信書便事業者に頼む、返信用封筒や切手が足りないと送り直しか来訪
郵送でつまずく3つの場面(出典 東京消防庁 郵送での報告の受理について/千葉市/我孫子市)

我孫子市の書き方では、受領日は投函した日ではなく、届いて不備がないと確認された日です。一方で表紙の年月日には投函日を書きます(東京消防庁の記入要領)。この2つの日付は違ってよいものです。期限ぎりぎりに投函するのではなく、余裕をもって出してください。那須地区消防組合は郵送を「原則として、事業所の関係者(又は点検業者)の勤務地が遠隔地等の事情により容易に報告書を消防署に持参できない場合となります。」としていて、郵送を例外扱いにしている本部もあります。

電子申請

電子申請の入口は、消防本部ごとにまったく違います。今回確かめた範囲を並べます。

消防本部仕組みと原文
東京消防庁電子申請・届出システムの入力フォーム。「報告書の添付ファイルとして、消防用設備等点検結果総括表、消防用設備等点検資格者一覧表及び点検した消防用設備等の点検票を添付してください。」
名古屋市区の消防署ごとの申請フォーム。「申請完了後、申請者の電子メールアドレスに受付完了の電子メールが届きます。」
熊本市熊本市電子申請サービス。「令和6年(2024年)10月1日から点検結果報告書の受付方法が変更されます。」「書類を添付し、送信する。(様式1 点検結果報告書の添付は不要です。)」
大阪市大阪市行政オンラインシステムの手続に「消防用設備等(特殊消防用設備等)の点検結果報告」
相模原市「提出方法:窓口、電子申請、郵送」
衣浦東部広域連合電子申請の対象に「消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書」。e-Gov へのリンクあり
e-Gov電子申請手続名「消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告」。2026年9月26日の確認時、ページに「指定された手続は現在申請できません。」の表示
電子申請の入口は本部ごとに違う。東京消防庁と名古屋市は入力フォーム、熊本市は熊本市電子申請サービス、大阪市は行政オンラインシステム、衣浦東部はe-Gov
電子申請の入口は本部ごとに違う(出典 東京消防庁/名古屋市/熊本市/大阪市/相模原市/衣浦東部広域連合/e-Gov電子申請)

千葉市には「ちば電子申請サービス」がありますが、確認できたのは利用者のログイン画面までで、手続の中身は取得できていません。さいたま市の電子申請も検索結果には出ていましたが、ページは確認していません。e-Gov の手続ページは存在しますが、確認時には申請できない表示でした。自分の管轄でどの入口が使えるかは、管轄の消防本部のページで確かめるのが確実です。

電子申請の控えは副本ではない

電子申請でいちばん気をつけたいのが控えです。紙の副本に受付印を押して返してもらう、という形にはなりません。

消防本部電子申請の控えの原文
名古屋市「電子申請の場合は、副本はありませんので、申請した事実の確認書類は、処理完了電子メールとなります。」「副本が必要な場合は、消防署窓口での届出または郵送により届出してください。」
熊本市「報告書のPDFファイルに受付印を押印して返付する等の対応はできませんが、受付番号が記載された「様式1 点検結果報告書」をダウンロードすることができます。」「通常1週間前後の時間を要しますのでご注意ください。」
衣浦東部広域連合「当消防局では、電子申請の場合は各種届出等の副本の提出は必要ありません。控えが必要な場合は申請書をダウンロードして添付書類と一緒に保管してください。」
電子申請の控えは副本ではない。名古屋市は処理完了の電子メール、熊本市は受付番号入りの様式1のダウンロード、衣浦東部は申請書をダウンロードして保管
電子申請の控えは副本ではない(出典 名古屋市/熊本市/衣浦東部広域連合)

受付印のある紙の控えを手元に置きたいなら、副本がもらえる窓口か郵送を選ぶことになります。名古屋市もそのときは窓口か郵送で出すよう案内しています。電子申請にした場合は、受付完了のメールや受付番号入りの様式を、報告書の束と一緒に保存しておいてください。

受付後の控えと維持台帳

報告が受け付けられたら終わり、ではありません。消防法施行規則31条の6第3項は、点検の結果を「維持台帳」に記録するよう求めています。原文は次のとおりです。

「防火対象物の関係者は、前二項の規定により点検を行った結果を、維持台帳(第三十一条の三第一項及び第三十三条の十八の届出に係る書類の写し、第三十一条の三第四項の検査済証、第五項の報告書の写し、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事、整備等の経過一覧表その他消防用設備等又は特殊消防用設備等の維持管理に必要な書類を編冊したものをいう。)に記録するとともに、次の各号に掲げる防火対象物の区分に従い、当該各号に定める期間ごとに消防長又は消防署長に報告しなければならない。」(消防法施行規則31条の6第3項)

条文の書き方は「記録するとともに」「報告しなければならない」で、記録と報告が同じ文の中で並んでいます。報告しない年の点検結果も、維持台帳への記録は必要だということです。

綴じるもの中身
設置届の書類の写し規則31条の3第1項。設置工事が完了した日から四日以内に消防長又は消防署長に出す届出書と、平面図・系統図・試験結果報告書など
検査済証規則31条の3第4項。設置届のあとの検査で交付されるもの
報告書の写し条文の表記は「第五項の報告書の写し」。どの条の第5項を指すかは、この文言だけでは特定しきれないため原文のまま引いています
工事・整備等の経過一覧表設備を交換したり修理したりした記録
その他消防用設備等の維持管理に必要な書類
維持台帳に綴じるもの。設置届の写し、検査済証、報告書の写し、工事や整備の経過一覧表、その他維持管理に必要な書類
維持台帳に綴じるもの(出典 消防法施行規則31条の6第3項)

設置届は消防法17条の3の2に基づく届出で、届出を怠った場合の罰則は44条8号です。設置届も検査済証も新築や増改築のときにしか出てこない書類なので、建物を買ったり管理を引き継いだりしたときに、前の持ち主や管理会社から引き継いでおかないと、後から探すのが大変です。

控えを残しておくと助かる場面

控えや維持台帳が役に立つのは、たとえば次のような場面です。点検業者を替えて見積もりを取るとき、消防テックは自社のページ(2026年9月26日取得)の見積時のポイントとして「過去の点検報告書はありますか」「消防用設備の設置届はありますか(新築の場合)」を挙げています。前回の報告書があれば、どの設備が何個あるかが業者にすぐ伝わります。

控えを残しておくと助かる場面。業者を替えて見積もりを取るとき、消防署から確認の連絡が来たとき、立入検査のとき、管理を引き継ぐとき
控えを残しておくと助かる場面(出典 消防テック 消防定期点検/東京消防庁 消防用設備等点検報告制度・郵送での報告の受理について)

また、東京消防庁は制度案内の末尾で「東京消防庁では、法定点検の結果に基づき、立入検査を実施しています。」と書いています。報告書の中身が立入検査の手がかりになるということです。前回指摘された不良がその後どうなったかを、改修の記録と一緒にすぐ出せる状態にしておくと、検査の場で説明しやすくなります。

出さないとどうなるか(罰則・命令・立入検査)

報告をしなかった場合の罰則は消防法44条11号です。

条文原文罰則
44条11号「第八条の二の二第一項(第三十六条第一項において準用する場合を含む。)又は第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者」三十万円以下の罰金又は拘留
44条12号「第十七条の四第一項又は第二項の規定による命令に違反して消防用設備等又は特殊消防用設備等の維持のため必要な措置をしなかつた者」三十万円以下の罰金又は拘留
44条8号「…第十七条の三の二又は第十七条の十四の規定による届出を怠つた者」(設置届など)三十万円以下の罰金又は拘留

東京消防庁もQ15で「点検結果の報告をしない場合には、消防法第44条第11号により、30万円以下の罰金又は拘留となる可能性があります。」と答えています。11号には「虚偽の報告をした者」も入っているので、点検していないのに点検したように書いた報告も対象です。

出さないとどうなるか。報告しない・虚偽の報告は44条11号で30万円以下の罰金又は拘留、法人も罰金(45条3号)、設備の不備には17条の4の命令、命令違反は44条12号
出さないとどうなるか(出典 消防法17条の4・44条・45条)

法人にも罰金がかかる(両罰)

消防法45条は、法人の代表者や従業者が業務に関して違反したとき、行為者を罰するほか法人にも罰金を科すと定めています。その3号に「前条第一号、第三号、第十一号、第十二号若しくは第二十二号各本条の罰金刑」とあり、44条11号(報告しない)と12号(命令違反)は法人も罰金の対象です。なお44条8号(設置届を怠った)は、この列挙には入っていません。

設備に不備があれば命令が出ることもある

報告書に不良が書かれていて、それが直らないまま放置されていると、消防法17条の4第1項の命令の対象になりえます。原文は「消防長又は消防署長は、第十七条第一項の防火対象物における消防用設備等が設備等技術基準に従つて設置され、又は維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で権原を有するものに対し、当該設備等技術基準に従つてこれを設置すべきこと、又はその維持のため必要な措置をなすべきことを命ずることができる。」です。命令に違反すると44条12号の罰則です。

報告すると不良が消防署に伝わるので出したくない、と考えるかもしれません。しかし、報告しなければ44条11号の対象になり、報告して改修計画書を付ければ、直す意思と予定を示すことができます。出さない方が安全ということにはなりません。

全国の報告率は55.6%

日本消防設備安全センターのセミナー資料(消防庁提供データ)によると、消防設備点検の報告率は2024年3月31日時点で全国平均55.6%です。同じ資料には、取組事例として「A消防本部:点検報告率63.2%が80.3%まで上昇」「B消防本部は点検報告率66.8%、C消防本部は点検報告率65.5%と全国平均を上回る」とあります。

消防設備点検の報告率の図。全国平均55.6%(2024年3月31日時点)、A消防本部は63.2%から80.3%に上昇、B消防本部66.8%、C消防本部65.5%
全国の報告率は55.6%(出典 日本消防設備安全センター セミナー資料(消防庁提供データ)/東京消防庁)

出すべき建物のおよそ半分近くが出していない計算です。一方で、同じ資料からは、取り組みによって報告率が上がった消防本部があることも分かります。周りも出していないから大丈夫、ということにはなりません。用途別の報告率や、2024年3月31日より新しい時点の値は、今回取得できていません。

建物のロビーで管理担当者と点検の関係者が打ち合わせをしている様子
報告書は立入検査の手がかりにもなります

業者に任せられる範囲と提出代行の料金

点検業者に頼めば、点検だけでなく報告書の作成と消防署への提出までまとめて任せられることが多くあります。どこまでが点検料金に入っていて、どこからが別料金かは業者によって違います。料金を公開している2社の例を、原文のまま並べます。

業者の料金について

ここに出す社名と金額は、提出代行の料金の書き方の例を原文で示すためのもので、推薦ではありません。いずれも2026年9月26日に各社のページから取得した、その会社の価格で、公的な相場や平均ではありません。

会社(URL・取得日)提出代行についての原文
株式会社日消システムズ
2026年9月26日取得
用語の定義「消防提出・・・・・・・・お客様に代わって、消防署へ申請を行います。」価格例に「消防提出 ¥5,000」「弊社にて消防署へ代行申請を行う場合のケースとなります。」。スポット点検の例は「消防提出 無し(契約外) お客様にて提出される場合」。注記「※2.所轄消防への提出費(5,000~10,000)は、含まれておりません。」
消防テック
2026年9月26日取得
料金表の注記「・点検料金内で点検報告書作成、消防署へ点検票提出代行致します」(防火対象物点検の料金表に付いている注記。金額の見出しは「金額(点検・点検報告書作成・点検票提出代行込)」)
提出の代行料を公開している例。日消システムズは消防提出5,000円の価格例と、所轄消防への提出費5,000から10,000は含まないという注記。消防テックは点検料金内で報告書作成と提出代行
提出の代行料を公開している例(出典 日消システムズ/消防テック)

同じ「提出代行」でも、日消システムズのように別料金として書いている会社と、消防テックのように点検料金に含めて書いている会社があります。消防テックの注記は防火対象物点検の料金表に付いているもので、消防用設備等の点検の料金表にも同じ扱いがあるかは、このページからは判断できません。日消システムズの価格例は1件の料金として示されていますが、注記の「所轄消防への提出費(5,000~10,000)」とどう関係するのかは、原文だけでは読み取れません。気になる場合は見積もりの段階で確かめてください。

見積もりで確かめる3行

東京消防庁はQ12で「消防署では特定の業者を教えることができません。」、Q13で「消防署から具体的な金額を提示することはできません。」「複数の点検事業者から見積もりをとって依頼することをお勧めします。」と答えています。見積もりを比べるときは、報告書まわりについて次の3つを確かめておくと、後で揉めにくくなります。

確かめること理由
報告書の作成は点検料金に入っているか点検と書類作成が別の行になっている見積もりがある
消防署への提出代行は入っているか、別料金ならいくらか日消システムズのように別料金として示す会社と、消防テックのように点検料金に含める会社がある
控え(副本・受付完了メール)を渡してもらえるか報告した証拠は関係者の側に残す必要がある
見積もりで確かめる3行。報告書の作成は点検料金に入っているか、提出代行は入っているか別料金ならいくらか、控えを渡してもらえるか
見積もりで確かめる3行(出典 東京消防庁 Q13/日消システムズ/消防テック)

点検料金そのものの決まり方や、9社の公開料金の比較、業者の探し方は「消防設備点検の費用と業者の探し方」にまとめています。

自分で点検して報告できる建物

すべての建物で有資格者の点検が必要なわけではありません。消防法施行令36条2項が有資格者に点検させる建物を決めていて、それ以外は関係者が自ら点検して報告できます。東京消防庁Q4は、自ら点検できるのは次のいずれにも該当しない場合に限る、としています。

  • 「延べ面積1,000㎡以上の建物」
  • 「地下又は3階以上の階に特定用途…があり、かつ、屋内階段が1か所のみの建物」
  • 「二酸化炭素消火設備(全域放出方式)が設置されている建物」
自分で点検して報告できる建物の条件。延べ面積1,000平方メートル以上ではない、地下や3階以上に特定用途があり屋内階段が1か所のみではない、全域放出方式の二酸化炭素消火設備がない
自分で点検して報告できる建物(出典 消防法施行令36条2項/東京消防庁 Q4・Q8/千葉市)

千葉市は、延べ面積が1,000平方メートル未満の建物に設置されている消火器(製造年から5年以内のもの。加圧式は3年以内)、特定小規模施設用自動火災報知設備(警報音を発する感知器のみで構成されるもの)、非常警報器具(拡声器など)、誘導標識(光を発するものや蓄光式のものは除く)について、消防庁の「消防用設備等点検アプリ」を使って自分で点検・報告できると案内しています。そのとき必要な書類は「別記様式第1 消防用設備等点検結果報告書」と「点検を実施する消防用設備等の点検表」です。

自分で点検できる範囲や、実際にどこまで自分でやるのが現実的かは「消防設備点検とは(義務・頻度・報告・費用)」でも触れています。

防火対象物点検の報告書とは別物

よく混同されるのが、防火対象物点検の報告書です。東京消防庁はQ17で「防火対象物点検(消防法第8条の2の2)と消防用設備点検(消防法第17条の3の3)は別の点検制度です。」と答えています。報告書も様式も別です。

消防用設備等点検結果報告書防火対象物点検結果報告書
根拠消防法17条の3の3消防法8条の2の2
出す人関係者(所有者・管理者・占有者)管理について権原を有する者
点検する人消防設備士・消防設備点検資格者(一定の建物以外は自ら点検も可)防火対象物点検資格者だけ
報告の周期1年に1回/3年に1回1年に1回
様式の根拠平成16年消防庁告示第9号平成14年消防庁告示第8号
添付総括表・点検者一覧表・点検票点検票(別記様式第2)
定型文「消防法第17条の3の3の規定に基づき報告します。」「消防法第8条の2の2第1項の規定に基づき報告します。」
報告しないと44条11号44条11号(同じ号)
消防用設備等点検結果報告書と防火対象物点検結果報告書の比較。根拠は17条の3の3と8条の2の2、出す人、点検する人、周期、様式の根拠、添付、定型文が違い、罰則は同じ44条11号
防火対象物点検の報告書とは別物(出典 消防法8条の2の2・17条の3の3・44条11号/東京消防庁 Q17)

表紙の定型文を見れば、どちらの報告書かはすぐに分かります。両方の点検が必要な建物では、報告書も2通になります。防火対象物点検の対象や中身は「防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定)」に詳しく書いています。

建物にはこのほかにも法定の報告や記録があります。建築基準法の定期報告は「建築基準法12条点検(定期報告)とは」、受水槽の清掃と検査の記録は「貯水槽(受水槽)の清掃は義務?」にまとめています。どれも根拠の法律も出し先も別なので、維持台帳とは別に、報告の予定を1枚の表にしておくと抜けが防げます。

出す前の最終チェック

我孫子市・熊本市・千葉市・東京消防庁の注意書きを1つにまとめると、出す前に確かめることは次のとおりです。

  • 表紙の年月日が空欄になっていない(郵送なら投函日)
  • 届出者の名前が抜けていない。法人なら代表者の職と氏名まで
  • 名称が建物の名前になっている(会社名や店名ではない)
  • 電話番号が、報告の中身に答えられる人の番号になっている
  • 点検実施日が書かれている
  • 防火管理者欄(選任されている場合)と立会者欄(立ち会った人がいる場合)が埋まっている
  • 判定に不良(×)があれば、不良内容と措置内容が書かれている
  • 有資格者が点検したなら、点検者一覧表が付いている
  • 点検した設備の数だけ点検票が付いている。非常電源と配線の点検票を忘れていない
  • 不良が残っているなら、改修計画書を付けた(東京消防庁の場合)
  • 副本を出すなら、正本と同じ内容になっている
  • 郵送なら、返信用封筒に宛名が書かれ、必要な切手が貼ってある
出す前の最終チェック。届出日、届出者、建物名、電話番号、点検実施日、防火管理者欄と立会者欄、不良の内容と措置、点検者一覧表、点検票の数、非常電源と配線、副本の中身、返信用封筒
出す前の最終チェック(出典 我孫子市/熊本市/千葉市/東京消防庁 郵送での報告の受理について)

不備があった場合の扱いについて、那須地区消防組合は「事業所の関係者(又は点検業者)に電話等で訂正箇所を伝えます」としています。表紙の電話番号が中身を答えられる人の番号になっていることが、ここで効いてきます。

よくある質問

点検結果報告書は業者が出してくれるものではないのですか。

提出を代行する業者は多くあります。ただし届出者は関係者のままで、消防テックも「点検結果報告書の届出者は各防火対象物の関係者となります」と書いています。代行を頼んだら、受付印のある控えか受付完了のメールを受け取って、維持台帳に綴じておいてください。

提出部数は何部が正しいのですか。

法令には部数の定めがありません。東京消防庁と相模原市は1部、埼玉西部消防組合と那須地区消防組合と千葉市は2部、熊本市と我孫子市の郵送は正本と副本、というように消防本部ごとに違います。管轄の消防本部の案内に合わせてください。

控えは必ずもらわないといけませんか。

控えをもらうこと自体の義務は条文にはありません。ただし規則31条の6第3項は、点検の結果を維持台帳に記録するよう求めています。業者の見積もりや立入検査のときにも役に立つので、東京消防庁なら表紙のコピー、千葉市などなら副本を付けて、受付印のある控えを残すのがおすすめです。

電子申請で出したら、控えはどうなりますか。

紙の副本は出ません。名古屋市は処理完了の電子メールが確認書類になるとし、熊本市は受付番号が記載された様式1をダウンロードでき、衣浦東部広域連合は申請書をダウンロードして添付書類と一緒に保管するよう案内しています。紙の副本が必要なら、窓口か郵送で出してください。

押印は必要ですか。

東京消防庁はQ9で、報告書と点検票のどちらも押印は必要ないと答えています。一方で押印が必要と書いている業者のページもあり、食い違っています。この記事では東京消防庁の回答を正としています。管轄が東京消防庁以外なら、その消防本部の案内で確かめてください。

郵送はいつ届いた扱いになりますか。

表紙の年月日には投函日を書きます(東京消防庁の記入要領)。ただし受付の日は別で、我孫子市は「消防機関に書類が届き不備がないことを確認した日」を受領日としています。簡易書留など配達記録が残る方法で、余裕をもって送ってください。

マンションの場合、報告は毎年ですか。

共同住宅は非特定用途なので、報告は3年に1回です。ただし1階に店舗が入っているなど複合用途の建物は1年に1回の側に入ることがあります。点検の立ち入りや費用の負担については「マンションの消防点検(部屋に入る理由・費用の負担)」にまとめています。

前の管理会社が報告していたか分かりません。

管轄の消防署に問い合わせるのが確実です。報告していなかった場合、東京消防庁のQ20では、直近1年間に実施した機器点検と総合点検の結果を出すこと、直近1年以内に点検していなければ点検してから出すことが案内されています。

防火管理者がいない建物でも報告書は出せますか。

報告書は関係者が出すもので、防火管理者がいなくても出せます。総括表の防火管理者欄は、選任されている場合に書く欄です。ただし防火管理者が必要な建物なのに選任していないなら、それは別の義務の問題です。判断のしかたは「防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届)」を見てください。

困ったときの窓口

聞きたいこと窓口
提出部数・控えの扱い・出し方建物を管轄する消防署(予防課など)
自分の建物の報告の周期同じく管轄の消防署
電子申請が使えるか管轄の消防本部のページ
様式と点検票消防庁のページ、管轄の消防本部のページ
書き方の細部日本消防設備安全センターも「届け出る地域を管轄する消防本部・消防署にお問い合わせください。」としている
点検業者を探す消防署は特定の業者を教えられない(東京消防庁 Q12)。東京消防庁は東京防災救急協会の一覧を案内している
どこに聞けばよいかの一覧。部数や出し方は管轄の消防署、様式は消防庁と消防本部のページ、業者は消防署では教えてもらえない
どこに聞けばよいか(出典 東京消防庁 Q12/日本消防設備安全センター)

東京消防庁は消防用設備等点検報告制度のページにQ1からQ20までの質問と回答をまとめていて、この記事で引いた回答の多くはそこにあります。東京以外の地域でも、考え方を知るうえで参考になります。

まとめ

覚えておく数字の一覧。報告は1年に1回か3年に1回、点検は機器点検6月と総合点検1年、点検票は38種類、副本が戻るまで1から2週間程度、罰則は30万円以下の罰金又は拘留、全国の報告率は55.6%
覚えておく数字(出典 消防法44条/消防法施行規則31条の6/平成16年消防庁告示第9号/消防庁/各消防本部)

消防用設備等点検結果報告書は、表紙・総括表・点検者一覧表・点検票を重ねた束です。出すのは関係者で、業者に作成や提出を頼んでも名義は関係者のままです。周期は特定用途が1年に1回、それ以外が3年に1回で、出し先は建物を管轄する消防署です。

迷いやすいのは、提出部数と控えです。部数は法令に書かれておらず、東京消防庁のように原則1部で表紙のコピーを添える本部もあれば、千葉市のように正本と副本の2部を出す本部もあります。電子申請では紙の副本は出ず、受付完了のメールや受付番号入りの様式が控えになります。どの形でも、控えは維持台帳に綴じて残しておいてください。

出さなければ、30万円以下の罰金又は拘留の対象で、法人にも罰金がかかります。全国の報告率は55.6%にとどまっていますが、報告書は立入検査の手がかりとしても使われています。この記事は条文と公的資料の原文をたどって整理したものです。部数や出し方の細部は、最後に管轄の消防署に確かめてください。

この記事で使った一次情報

消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
平成16年消防庁告示第9号
消防庁 消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票
東京消防庁 消防用設備等点検報告制度
東京消防庁 申請様式 消防用設備等点検結果報告書
東京消防庁 郵送での報告の受理について
相模原市
埼玉西部消防組合
那須地区消防組合
千葉市
大阪市(様式)
我孫子市
熊本市
名古屋市
衣浦東部広域連合消防局
日本消防設備安全センター セミナー資料

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