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法令は e-Gov の現行版で、点検の基準は昭和50年消防庁告示第14号の別表第20と別記様式第20、点検の方法は消防庁の点検要領 第20、設置工事の完了時の試験は消防庁の連結送水管試験基準、送水口の製品の基準は平成13年消防庁告示第37号で確認しました。業者の料金と説明は、各社のページを2026年9月26日に取得した原文です。建物ごとの圧力や試験のやり方は、点検業者と管轄の消防署に確かめてください。
マンションやビルの点検業者から「今年は連結送水管の耐圧試験の年です。別にお見積もりをお出しします」と言われた。前の管理会社から引き継いだ書類に、10年前の竣工日と「耐圧」という言葉だけが残っている。消防設備点検の報告書を見たら、配管の耐圧性能の欄に「未実施」と書かれていた。連結送水管の耐圧試験は、建物の持ち主や管理者のところに、たいていこういう形で突然やってきます。
調べ始めると、話が合いません。あるページは「設計送水圧力の1.5倍をかける」と書き、別のページは「設計送水圧力をかける」と書いています。所要時間は数時間という業者もあれば半日という業者もあり、断水はほぼないという業者もあれば、一時的に断水するという業者もいます。料金は「相場5万円から10万円」という言い方が多いものの、何が入っていて何が別料金なのかは書かれていません。
この記事は、消防法と告示と消防庁の点検要領の原文を順にたどり、耐圧試験の義務がどこに書かれていて、どの建物がいつから対象になり、何の圧力を何分かけるのかを整理したものです。料金は、業者5社がページに出している金額を、社名とURLと取得日つきで原文のまま並べました。平均や相場は作っていません。

先に結論
| 知りたいこと | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 義務はどこに | 消防設備点検の中の機器点検の1項目「配管の耐圧性能」 | 消防法17条の3の3/告示第14号 別表第20 |
| いつから | 配管を設置した日から10年を経過した日以降の点検で | 別表第20 |
| その後 | 耐圧の点検から3年を経過したら、また行う | 別表第20 |
| やらなくてよい部分 | 屋内消火栓設備と配管を共用している部分 | 別表第20 |
| かける圧力 | 設計送水圧力(加圧送水装置があれば締切圧力) | 点検要領 第20 ※② |
| かける時間 | 3 分間 | 点検要領 第20 |
| 合格の条件 | 送水口本体、配管、接続部分、弁類等の変形、漏水等がないこと | 点検要領 第20 |
| 1.5倍とは | 設置工事が完了したときの試験の圧力(設計送水圧力の1.5倍以上) | 連結送水管試験基準 |
| ホース | 製造年の末日から10年を経過したら、同じく3年ごと。5 分間 | 別表第20/点検要領 第20 |
| 結果はどこに | 連結送水管の点検票(別記様式第20)の「配管の耐圧性能」の行 | 別記様式第20 |
| 報告しないと | 30万円以下の罰金又は拘留 | 消防法44条11号 |
消防設備点検そのもの(対象の建物・半年ごとの点検・誰が点検できるか)は消防設備点検とは(義務・頻度・報告・費用)で、報告書の束の組み方と出し方は消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方で詳しく書いています。この記事は、その中の連結送水管の耐圧試験だけを深掘りします。
連結送水管とは何か
連結送水管は、火事のときに消防隊が使うための、建物の中の水の通り道です。建物の外壁に送水口という金具があり、消防ポンプ自動車がそこにホースをつないで水を送り込みます。水は立管と呼ばれる縦の配管を通って上の階へ上がり、各階の放水口に消防隊がホースをつないで放水します。高い階まで地上からホースを延ばさずに済むようにするための設備です。

消防法施行令29条2項は、送水口について「送水口は、双口形とし、消防ポンプ自動車が容易に接近することができる位置に設けること。」、配管について「主管の内径は、百ミリメートル以上とすること。」と定めています(消防法施行令)。消防法施行規則31条では、送水口のホース接続口は「地盤面からの高さが〇・五メートル以上一メートル以下の位置」、放水口のホース接続口は「床面からの高さが〇・五メートル以上一メートル以下の位置」に設けるとされています(消防法施行規則)。
| 部分 | 法令の定め | 条文 |
|---|---|---|
| 送水口 | 双口形。消防ポンプ自動車が容易に接近できる位置 | 令29条2項3号 |
| 送水口の高さ | 地盤面から〇・五メートル以上一メートル以下 | 規則31条1号 |
| 放水口の高さ | 床面から〇・五メートル以上一メートル以下 | 規則31条2号 |
| 主管 | 内径は百ミリメートル以上 | 令29条2項2号 |
| 結合金具 | 差込式又はねじ式、呼称六十五 | 規則31条3号 |
| 標識 | 送水口と放水口の見やすい箇所に | 規則31条4号 |
| 配管の耐圧力 | 設計送水圧力の一・五倍以上の水圧に耐える | 規則31条5号チ |
湿式と乾式
連結送水管には、配管の中にふだんから水を満たしておく湿式と、配管を空にしておく乾式があります。湿式は屋上などに補給水槽を置いて配管に水を補い、乾式は配管の最下端部に排水弁を設けます。消防法施行規則31条6号イは、「高さ七十メートルを超える建築物にあつては、連結送水管を湿式とし」と定めています。

湿式か乾式かは、耐圧試験の準備と料金に効いてきます。乾式の配管は試験のときに初めて水を入れるため、どこかに穴や外れがあると、そこから水が漏れて建物を濡らします。菅原防災は「湿式・乾式の違いは、試験時間と費用を左右します。」と書いています(菅原防災)。

耐圧試験の義務はどこに書いてあるか
「連結送水管の耐圧試験」という言葉は、法律にも政令にも出てきません。義務は、消防法の点検と報告の条文から、告示の点検基準、消防庁の点検要領へと、段階を追って細かくなっていく形で書かれています。

| 段階 | 書かれていること(原文) |
|---|---|
| 消防法17条の3の3 | 関係者は、消防用設備等について「定期に」点検させ、又は自ら点検し、「その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。」 |
| 消防法施行規則31条の6第1項 | 「消防用設備等の点検は、種類及び点検内容に応じて、一年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行うものとする。」 |
| 平成16年消防庁告示第9号 第3 | 連結送水管は「機器点検 6月」「総合点検 1年」 |
| 昭和50年消防庁告示第14号 別表第20 | 機器点検の配管等の項目に「配管の耐圧性能」 |
| 点検要領 第20 | 「送水口から動力消防ポンプ又はそれと同等の試験を行うことができる機器を用いて送水した後、締切静水圧を 3 分間かけて確認する。」 |
消防法2条4項は「関係者とは、防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者をいう。」と定めています(消防法)。つまり耐圧試験をやらせる義務は、建物の持ち主や管理者にあります。点検業者は頼まれてやる立場で、業者がやっていないことは、関係者がやっていないことと同じ扱いになります。
点検の基準の原文
別表第20の機器点検の「管及び管継手」の項目に、耐圧試験の対象と周期がそのまま書かれています(告示第14号 別表第20)。
別表第20 配管等 管及び管継手(イ)
「配管の耐圧性能(配管を設置した日から10年を経過した日以降に点検を行う場合に限る。ただし、配管の耐圧性能に関する点検を行ってから3年を経過していない場合及び屋内消火栓設備と当該配管を共用している部分を除く。) 所定の水圧をかけた場合において、変形又は漏水がないこと。」

この一文から読めることは4つです。耐圧の点検は配管を設置した日から10年を経過した日以降に行う点検で必要になること。前回の耐圧の点検から3年を経過していなければやらなくてよいこと。屋内消火栓設備と配管を共用している部分は対象から外れること。そして判定は、所定の水圧をかけて変形又は漏水がないことです。
連結送水管がある建物
耐圧試験の対象になるのは、連結送水管が設けられている建物です。どの建物に連結送水管を置くかは、消防法施行令29条1項が5つの号で定めています。

| 号 | 原文 |
|---|---|
| 1号 | 「別表第一に掲げる建築物で、地階を除く階数が七以上のもの」 |
| 2号 | 「前号に掲げるもののほか、地階を除く階数が五以上の別表第一に掲げる建築物で、延べ面積が六千平方メートル以上のもの」 |
| 3号 | 「別表第一(十六の二)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が千平方メートル以上のもの」(十六の二は地下街) |
| 4号 | 「別表第一(十八)項に掲げる防火対象物」(延長五十メートル以上のアーケード) |
| 5号 | 「前各号に掲げるもののほか、別表第一に掲げる防火対象物で、道路の用に供される部分を有するもの」 |
地階を除いて7階建て以上の建物は、マンションでも事務所ビルでも、用途を問わず1号に入ります。5階建てや6階建てでも、延べ面積が六千平方メートル以上なら2号に入ります。外壁に双口の送水口がついていれば、連結送水管がある建物だと考えてよいでしょう。
放水口を置く位置
放水口は「階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置」に置き、1号と2号の建物では三階以上の階に、水平距離で五十メートルごとに設けます(令29条2項1号)。
| 建物 | 放水口の水平距離 |
|---|---|
| 1号・2号の建築物の三階以上の階 | 五十メートル |
| 3号の地下街の地階 | 五十メートル |
| 4号のアーケード | 二十五メートル |
| 5号の道路の用に供される部分 | 二十五メートル |
11階以上の建物に加わるもの
地階を除く階数が十一以上の建物には、さらに3つが加わります(令29条2項4号)。十一階以上の部分に設ける放水口は双口形にすること、非常電源を附置した加圧送水装置を設けること、放水用器具を格納した箱を放水口に附置することです。

| 加わるもの | 中身(原文) | 条文 |
|---|---|---|
| 放水口 | 「当該建築物の十一階以上の部分に設ける放水口は、双口形とすること。」 | 令29条2項4号イ |
| 加圧送水装置 | 「非常電源を附置した加圧送水装置を設けること。」 | 令29条2項4号ロ |
| 非常電源の容量 | 「加圧送水装置を有効に二時間以上作動できる容量」 | 規則31条7号 |
| 放水用器具 | 「長さ二十メートルのホース四本以上及び筒先二本以上」 | 規則31条6号ロ |
| 格納箱の位置 | 「階数三以内ごとに、一の放水口から歩行距離五メートル以内」 | 規則31条6号ハ |
11階以上の建物で耐圧試験を頼むときに気をつけたいのは2つです。1つは、加圧送水装置があると、試験でかける圧力が設計送水圧力ではなく締切圧力になることです(後で詳しく書きます)。もう1つは、放水用器具の格納箱のホースにも、配管とは別に耐圧の点検が要ることです。
何年ごとにやるか

数え始めは「配管を設置した日」です。建物の竣工日と近いことが多いものの、増築や改修で配管を後から設けた部分は、その設置日から数えます。10年を経過した日以降の点検で1回目の耐圧試験を行い、その後は前回の耐圧の点検から3年を経過するたびに行います。
| 回 | いつ | 原文の根拠 |
|---|---|---|
| 1回目 | 配管を設置した日から10年を経過した日以降の点検 | 「配管を設置した日から10年を経過した日以降に点検を行う場合に限る。」 |
| 2回目以降 | 前回の耐圧の点検から3年を経過したら | 「配管の耐圧性能に関する点検を行ってから3年を経過していない場合」を除く |
| どの点検で | 機器点検(6か月ごと)の中の1項目 | 平成16年消防庁告示第9号 第3「機器点検 6月」 |
耐圧試験は、年に2回ある機器点検のうち、どちらかの回に組み込むのが一般的です。半年ごとの点検業者とは別の業者に耐圧試験だけを頼むこともでき、その場合は結果を同じ点検票に書いてもらいます。
耐圧試験をしなくてよい場合

別表第20のただし書で外れるのは2つです。前回の耐圧の点検から3年を経過していない場合と、屋内消火栓設備と配管を共用している部分です。
2つ目は、建物全体が外れるのではなく、共用している部分だけが外れる点に注意してください。業者はこれを「区間耐圧」「区間特例」と呼んでいます。ヤマキエンタープライズは「屋内消火栓設備等と配管が連結送水管の配管と兼用している場合は、「区間特例」として連結送水管の送水口から直近の仕切弁までの区間での耐圧試験実施となります。」と書き(ヤマキエンタープライズ)、消防試験協会は「区間耐圧にすることで全体耐圧を行う場合に比べて水損などのリスクを低減することができます。」と書いています(消防試験協会)。
ホースも同じ形で3年ごと

放水用器具格納箱のホースにも、配管と同じ形の耐圧の点検があります。別表第20の原文は「ホースの耐圧性能(ホースの製造年の末日から10年を経過した日以降に点検を行う場合に限る。ただし、ホースの耐圧性能に関する点検を行ってから3年を経過していない場合を除く。) 所定の水圧をかけた場合において、変形又は著しい漏水がないこと。」です。
| 配管 | ホース | |
|---|---|---|
| 数え始め | 配管を設置した日 | ホースの製造年の末日 |
| 1回目 | 10年を経過した日以降 | 10年を経過した日以降 |
| その後 | 3年ごと | 3年ごと |
| かける時間 | 3 分間 | 5 分間 |
| かける圧力 | 設計送水圧力(加圧送水装置があれば締切圧力) | 「消防用ホースの技術上の規格を定める省令」でホースの種類に応じて定められた使用圧 |
| 判定 | 変形、漏水等がないこと | 変形、損傷等がなく、著しい漏水等がないこと |
点検要領は、著しい漏水について「※ 著しい漏水は、噴水状の漏水又は継続する滴下が生じる状態を目安にすること。」としています。ホースの耐圧は、配管の試験と同じ日にやると安くなる料金表が多いので、見積もりのときにホースの本数と製造年を業者に伝えておくと話が早く進みます。
いつから義務になったのか

昭和50年消防庁告示第14号の冒頭にある改正履歴には、「同 一四年 三月一二日同 第 三号」という改正があります(告示第14号)。業者のページは、この改正で耐圧の点検が加わったと説明していて、東京防災設備保守協会は「平成14年7月1日から耐圧性能点検が義務付けられています。」と書き(東京防災設備保守協会)、消防試験協会は「(平成14年3月13日交付、平成14年7月1日施行)追加で義務付けられました。」と書いています。
ただし、この記事では改正告示そのものの本文と施行日を取得できませんでした。そのため「平成14年の改正で加わった」までは言えても、施行日を条文で確かめたわけではありません。古い建物でも、設置から10年を過ぎていれば今の点検の基準で耐圧の点検が要るという点は、別表第20の現在の原文から読めます。
自分の建物が対象か確かめる順番

| 確かめること | どこを見るか |
|---|---|
| 連結送水管があるか | 外壁の双口の送水口と「送水口」の標識。7階建て以上なら1号に入る |
| 配管の設置日 | 竣工時の消防用設備等の設置届と、それに添える消防用設備等試験結果報告書 |
| 前回の耐圧の点検 | 前回の点検票(別記様式第20)の「配管の耐圧性能」の行と点検年月日 |
| 屋内消火栓との共用 | 設備の図面、または点検業者に聞く |
| 加圧送水装置の有無 | 11階以上の建物にはある。ポンプ室や点検票の加圧送水装置の行 |
| ホースの製造年 | ホースの金具付近の表示 |
設置届は、消防法施行規則31条の3第1項で「工事が完了した日から四日以内」に出すもので、そこに「消防用設備等試験結果報告書」を添えます。竣工時の書類一式が残っていれば、配管の設置日と、設置時の耐圧試験の結果がそこに書かれています。管理会社が替わって書類が見当たらないときは、前回までの点検業者か、建物を管轄する消防署に相談してください。
試験で何をするのか
点検のやり方は、消防庁の点検要領 第20に書かれています(点検要領 第20)。配管の耐圧性能の点検方法の原文は次のとおりです。
点検要領 第20 配管の耐圧性能
「送水口から動力消防ポンプ又はそれと同等の試験を行うことができる機器を用いて送水した後、締切静水圧を 3 分間かけて確認する。」
判定方法「送水口本体、配管、接続部分、弁類等の変形、漏水等がないこと。」

送水口に消防ポンプ自動車や耐圧試験機をつないで配管に水を送り込み、配管の先を閉じた状態で圧力をかけ、その圧力を3分間保って、どこからも漏れたり形が変わったりしないかを見る、という試験です。点検要領には、あわせて5つの留意事項がついています。

| 番号 | 原文 |
|---|---|
| ※① | 「配管内の空気を排出した後、テスト弁を締め切ること。」 |
| ※② | 「締切静水圧は、設計送水圧力(加圧送水装置を設けた場合は、締切圧力)とする。」 |
| ※③ | 「危険防止及び水損防止のため急激な昇圧を避け、圧力計で確認しながら徐々に加圧すること。」 |
| ※④ a | 乾式の場合「充水に先立ちテスト弁を除きすべての放水口等が閉止状態にあることを確認すること。」 |
| ※④ b | 乾式の場合「寒冷地で凍結のおそれがある場合は、点検終了後、配管内の排水を十分に行うこと。」 |
| ※⑤ | 「加圧送水装置を設けている場合の一次側の圧力は、ポンプの設計押込圧力以下とすること。」 |
かける圧力は設計送水圧力。1.5倍ではない
ネットで調べていちばん混乱するのが、かける圧力です。定期の耐圧の点検でかける圧力は、点検要領 ※②の原文どおり設計送水圧力(加圧送水装置を設けた場合は締切圧力)です。

設計送水圧力は、消防法施行規則31条5号ロで「ノズルの先端における放水圧力が〇・六メガパスカル…以上となるように送水した場合における送水口における圧力」と定義されています。建物の高さや配管の長さで変わるため、法令に決まった数字はありません。自分の建物の値は、前回の点検票や、設置時の消防用設備等試験結果報告書で確かめます。
「耐圧試験」は3種類ある
「1.5倍」という数字が出回っている理由は、連結送水管には耐圧の試験が3種類あって、それが混ざって説明されているからです。

| 種類 | いつ | 圧力と時間(原文) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 送水口という製品の試験 | メーカーが製品を作るとき | 「三メガパスカルの水圧力を三分間加えた場合に、き裂、著しい変形、漏水等が生じず」 | 平成13年消防庁告示第37号 第四 |
| 設置工事の完了時の配管耐圧試験 | 連結送水管の工事が完了したとき | 「設計送水圧力の1.5倍以上の圧力で加圧する。」 | 連結送水管試験基準 |
| 同(加圧送水装置を用いる配管部分) | 同上 | 「加圧送水装置の締切圧力に押込圧力を加えたものに、 1.5を乗じた圧力以上で加圧する。」 | 連結送水管試験基準 |
| 定期の耐圧の点検 | 設置から10年を経過した日以降、3年ごと | 設計送水圧力(加圧送水装置があれば締切圧力)の締切静水圧を「3 分間」 | 点検要領 第20 |
設置工事の完了時の試験は、消防庁の連結送水管試験基準に書かれています(連結送水管試験基準)。原文は「① 送水口又は送水口に近い放水口から水圧試験器等により加圧する。」「② 設計送水圧力の1.5倍以上の圧力で加圧する。」「③ 任意の2個の放水口に圧力計と盲蓋を取り付け、 開放状態として圧力を測定する。」です。

もう1つ、消防法施行規則31条5号チは、配管が持つべき性能として「配管の耐圧力は、当該配管の設計送水圧力の一・五倍以上の水圧を加えた場合において当該水圧に耐えるものであること。」と定めています。これは配管の材料や工事が満たすべき基準で、10年目からの点検でかける圧力を定めた条文ではありません。
ネットの記事で割れている圧力

| ページ | 定期の耐圧試験の圧力の書き方(原文) |
|---|---|
| 関西システムサポート | 試験圧力は「設計送水圧力(…)の1.5倍」、保持時間は「3分間」 |
| テックビルケア | 「設計送水圧力(…)の1.5倍」「3分間」 |
| 全国消防点検.com | 「連結送水管耐圧試験の設定圧力は「設計送水圧力の1.5倍」と決められています。」 |
| ビューローベリタス | 「設計送水圧力の1.5倍の圧力をかけた状態を3分間保持」 |
| 消防テック | 「設計送水圧力まで加圧して送水圧力を3分間保持」 |
| 防災屋 | 「耐圧試験機で配管に 規定の圧力(設計送水圧力) をかける」 |
「設計送水圧力の1.5倍」と書いているページは、設置工事の完了時の試験の値と、定期の点検の値を同じものとして扱っているように読めます。業者が実際にどの圧力で試験をしているかは、ページの書き方だけでは分かりません。見積もりの段階で「定期の点検として、何MPaを何分かけますか」と聞いて、設計送水圧力(または締切圧力)と答えられるかを確かめておくと安心です。
なお、全国消防点検.comは「設計送水圧力は「送水口」に明記してあります。」と書いていますが、送水口という製品の基準である平成13年消防庁告示第37号の表示事項は「一 製造者名又は商標 二 製造年 三 型式番号」の3つで、設計送水圧力は入っていません(平成13年消防庁告示第37号)。建物によっては標識などに書かれていることもあるかもしれませんが、法令上の表示事項ではないので、書類で確かめるのが確実です。
エアー試験(空気圧の予備試験)

乾式の配管では、いきなり水を入れると、どこかに穴があったときに水が漏れて建物を濡らしてしまいます。そこで多くの業者が、水を入れる前に空気で圧力をかけて漏れを確かめる「エアー試験」「空気圧予備試験」を用意しています。ヤマキエンタープライズは「予備試験として空気圧による試験を行い、圧力の低下が確認されなければ配管に損傷がないことがわかります。」と説明しています。
これは法令で決まった試験ではありません。防災通信工業は、空気圧予備試験は「法律で明示的に義務化されているわけではありません。」と書いています(防災通信工業)。点検要領 ※③の「危険防止及び水損防止のため」という考え方に沿った、業者側の水損対策です。ジーエムシーは窒素ガスボンベを1階の放水口に接続し「5分間保持し、減圧・漏水等の確認。」という手順を書いています(ジーエムシー)。
| 社名 | エアー試験の料金(原文) |
|---|---|
| 光栄テクノサービス | 「上記基本料金の30%金額」。例 10階建・1系統・乾式 → 基本料金 50,000円+エアー試験料金 15,000円=合計 65,000円 |
| アシスト | 「上記基本料金の25%を掛けた金額」。例 10階建・1系統・乾式 → 基本料金 62,000円+エアー試験料金 15,500円+報告書作成・届出費 8,000円=合計 85,500円 |
| ヤマキエンタープライズ | 5~10階は「エアー試験実施時」の金額を併記(1系統 59,000円に+11800円) |
合格と不合格の分かれ目

判定は「送水口本体、配管、接続部分、弁類等の変形、漏水等がないこと。」です。3分間圧力をかけて、どこからも漏れず、形も変わらなければ正常です。点検票には、判定欄に「正常の場合は○印、不良の場合は×印」を書き、不良なら不良内容欄に中身を書きます。
業者のページには、不合格になりやすい場所についての記述もあります。テックビルケアは「多いのは継手のパッキン劣化や、立管の腐食によるピンホールです。」と書き、防災屋は「経年劣化や地震によって 地中埋設配管が損傷 しているケースや、湿式の場合に逆止弁の不具合で 屋上補給水槽へ逆流 し、圧力が低下することがあります。」と書いています。
| 業者が挙げている不具合 | 出典 |
|---|---|
| 継手のパッキン劣化 | テックビルケア |
| 立管の腐食によるピンホール | テックビルケア |
| 経年劣化や地震による地中埋設配管の損傷 | 防災屋 |
| 湿式で逆止弁の不具合による屋上補給水槽への逆流 | 防災屋 |
所要時間・断水・立ち会い
管理者がいちばん気にするのは、当日どれくらい時間がかかるか、住んでいる人や入っているテナントに影響が出るか、自分が立ち会う必要があるか、の3つだと思います。先に言うと、この3つはどれも法令に定めがありません。法令で決まっているのは圧力を保つ3分間だけで、残りは業者の説明です。業者の説明が分かれているところは、そのまま並べます。
所要時間

消防テックは、乾式の作業全体の目安を「およそ2時間から半日程度が標準的な作業目安です。」としたうえで、建物の規模ごとの目安を出しています(消防テック)。
| 建物(消防テックの区分) | 系統 | 合計所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 5階〜7階建て(小規模) | 1系統 | 約1.5時間〜2時間 |
| 8階〜11階建て(中規模) | 1〜2系統 | 約2時間〜3時間 |
| 12階建て以上(高層) | 複数系統 | 半日(約4時間〜) |
系統は立管の数のことで、送水口から上がる縦の配管が2本あれば2系統です。系統が増えるほど、配管に水を入れて、圧をかけて、水を抜く作業が増えるので、時間も料金も増えます。
断水

| 社名 | 断水についての記述(原文) |
|---|---|
| 関西システムサポート | 「基本的に、連結送水管は消防隊専用の設備で、各家庭の水道とは別系統です。だから生活用水が断水することはほぼありません。」 |
| 防災屋 | 「建物によっては試験中にバルブを閉める必要があり、その場合は一時的に断水する可能性もあります。」 |
防災屋は、補給水槽についてこうも書いています。「補給水槽が飲料水タンクと兼用の建物では、 耐圧試験の前に居住者・建物管理会社への事前周知が必要になる場合があります。」理由は「逆止弁(逆流防止弁) がうまく働かないと、配管内の水(錆び水が混じっている可能性あり)が 飲料水タンク側に逆流するリスク があるからです。」とされています。
つまり、分かれ目は建物のつくりです。連結送水管が水道と完全に別になっている建物では、生活用水への影響はほぼなく、補給水槽が飲料水のタンクを兼ねている建物では、事前の周知や一時的な断水が要ることがある、ということです。自分の建物がどちらかは、見積もりの段階で業者に聞いておくのが確実です。受水槽や高置水槽の管理については貯水槽(受水槽)の清掃は義務?も参考にしてください。
立ち会い

立ち会いを義務づける条文は見当たりませんでした。ただ、連結送水管の点検票(別記様式第20)の上部には「防火管理者」欄と「立会者」欄があります(別記様式第20)。R.K.I 設備保全は「関係者立会のもと、検査測定車及び耐圧試験機により耐圧試験を実施」と書いています(R.K.I 設備保全)。
消防テックは立ち会いの意味について「ビルのオーナー様や管理会社のご担当者様が立ち会うことで、作業が手順通りに進んでいるかを透明性高くチェックできます。」と書いています。実際には、屋上の鍵を開ける人、散水栓やコンセントを貸す許可を出す人が要るので、最初と最後だけでも誰かがいたほうが進めやすいでしょう。防火管理者を置いている建物なら、その人が立ち会うのが自然です(防火管理者については防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届))。
当日までに用意しておくこと

| 用意すること | 業者の記述(原文) |
|---|---|
| 屋上の鍵 | 「屋上は普段施錠されている建物がほとんどなので、 鍵や南京錠を開けて屋上へ上がれるように ご準備をお願いします。」(防災屋) |
| 水道 | 「建物内の 散水栓(水道) をお借りします。」(防災屋) |
| 電源 | 「建物内のコンセントをお借りすることがあります 。」(防災屋) |
| 居住者への告知 | 「・居住者様に点検の実施予定を、お知らせ用紙等にて告知」(R.K.I 設備保全) |
| 水抜き栓の場所 | 「水抜き栓が地下ピットの奥や花壇内ハンドホールなど、見つかりにくい場所に設置されているケースがあります。」(ビューローベリタス) |
| 天候 | 「大雨・悪天候の場合は中止・延期になることがあります。」(防災屋) |
マンションで住戸の中に入る必要があるかどうかは、連結送水管の耐圧試験の説明には出てきませんでした。住戸に入る点検と費用の負担についてはマンションの消防点検(部屋に入る理由・費用の負担)で書いています。

費用は業者の公開料金を原文で
業者の料金について
ここに出す社名と金額は、料金表の書き方と中身の例を原文で示すためのもので、推薦ではありません。いずれも2026年9月26日に各社のページから取得した、その会社の価格で、公的な相場や平均ではありません。税の扱い、含まれるもの、対象の地域は会社ごとに違います。
耐圧試験の料金は、どの業者も階数と系統数で決まる表にしていることが多く、そこに乾式のエアー試験、ホースの耐圧、報告書の作成や提出代行、遠隔地の料金が足されていく形です。消防設備点検全体の費用の決まり方と業者の探し方は消防設備点検の費用と業者の探し方にまとめています。
光栄テクノサービス

出典 光栄テクノサービス 連結送水管配管耐圧試験(2026年9月26日取得)。備考に「上記金額は消費税抜の価格表示です。」「平日施工の概算金額になります。」とあります。
| 階数 | 1系統 | 2系統 | 3系統 | 4系統 | 5系統 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5~10階 | 50,000円 | 65,000円 | 75,000円 | 90,000円 | 100,000円 |
| 11~15階 | 55,000円 | 70,000円 | 85,000円 | 100,000円 | 110,000円 |
| 16~20階 | 60,000円 | 75,000円 | 90,000円 | 110,000円 | 120,000円 |
| 項目 | 原文 |
|---|---|
| エアー試験 | 「上記基本料金の30%金額」 |
| ホース(同日実施) | 基本料金 8,000円+40A「1,500/1本」50A「2,000/1本」65A「2,000/1本」 |
| ホース(単独) | 基本料金 25,000円+同じ加算 |
| ホースの例 | 12階建・1系統・40ホース4本・65ホース4本 → 8,000円+(1,500円×4本)+(2,000円×4本)=合計 22,000円 |
| 遠隔地 | 50km~70km は 10,000円、70km~100km は 20,000円、100km~は「別途お見積もり申し上げます。」 |
| 別途 | 「加圧装置を有するもの、特殊対象物については設備規模などを考慮し、別途お見積申し上げます。」「交通費は別途お見積り致します。」 |
アシスト

出典 アシスト 消防設備点検・工事費用(2026年9月26日取得)。基本料金に税込か税抜かの記載は見当たらず、「税抜」は届出書類の8,000円にだけ付いています。
| 階数 | 1系統 | 2系統 | 3系統 | 4系統 | 5系統 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5 ~ 10階 | 62,000円 | 88,000円 | 114,000円 | 140,000円 | 166,000円 |
| 11 ~ 15階 | 68,000円 | 98,000円 | 128,000円 | 158,000円 | 188,000円 |
| 16 ~ 20階 | 74,000円 | 108,000円 | 142,000円 | 176,000円 | 210,000円 |
| 項目 | 原文 |
|---|---|
| エアー試験 | 「上記基本料金の25%を掛けた金額」 |
| 届出書類 | 「※届出書類は別途¥8,000(税抜)で作成いたします。」 |
| 諸経費 | 「※別途諸経費が発生いたします。」 |
| ホース | 単独 基本料金 50,000円、同日 基本料金 10,000円、加算(ホース1本)40A 3,000円/50A 4,000円/65A 4,000円 |
| ホースの例 | 12階建・1系統・40A4本・65A4本 → 10,000円+(3,000円×4本 + 4,000円×4本)= 28,000円 → 合計 38,000円 |
| 遠隔地 | 「75km以上」「15,000円~」 |
| 別途 | 「※加圧装置を有するもの、特殊対象物については、設備規模などを考慮し別途お見積申し上げます。」 |
ヤマキエンタープライズ

出典 ヤマキエンタープライズ 事業内容(2026年9月26日取得)。「【2025年10月受注分より各項目価格改定いたしました】」「・上記金額に別途消費税額をご計上下さい。」とあります。
| 階数 | 1系統 | 2系統 | 3系統 | 4系統 | 5系統 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5~10階 | 59,000円 | 79,000円 | 99,000円 | 119,000円 | 139,000円 |
| 5~10階 エアー試験実施時の加算 | +11800円 | +15,800円 | +19,800円 | +23,800円 | +27,800円 |
| 11~15階 | 69,000円 | 89,000円 | 109,000円 | 129,000円 | 149,000円 |
| 16~20階 | 79,000円 | 99,000円 | 119,000円 | 139,000円 | 159,000円 |
| 項目 | 原文 |
|---|---|
| 提出代行 | 「消防署書類提出代行 3,000円」 |
| 報告書 | 「・消防設備等点検結果報告書 2部(正・副)作成、ご郵送致します。」 |
| 遠方 | 「・遠方物件は別途料金(お打合せにより決定)が発生致します。」 |
| 区間特例 | 屋内消火栓設備等と兼用の配管は「送水口から直近の仕切弁までの区間での耐圧試験実施となります。」 |
タナベ防災

出典 タナベ防災 連結送水管検査価格(2026年9月26日取得)。所在地は新潟県十日町市で、税込か税抜かの記載は見当たりません。1階ごとの表になっていて、3系統は「各階2系統料金+2万円」です。
| 階 | 1系統 | 2系統 |
|---|---|---|
| 5階 | 80,000円 | 100,000円 |
| 6階 | 81,000円 | 101,000円 |
| 7階 | 82,000円 | 102,000円 |
| 8階 | 83,000円 | 103,000円 |
| 9階 | 84,000円 | 104,000円 |
| 10階 | 85,000円 | 105,000円 |
| 11階 | 86,000円 | 106,000円 |
| 12階 | 87,000円 | 107,000円 |
| 13階 | 88,000円 | 108,000円 |
| 14階 | 89,000円 | 109,000円 |
| 15階 | 100,000円 | 162,400円 |
| 16階 | 101,000円 | 165,200円 |
| 17階 | 102,000円 | 168,000円 |
| 18階 | 103,000円 | 170,000円 |
| 19階 | 104,000円 | 173,600円 |
| 20階 | 105,000円 | 176,400円 |
18階の2系統は、前後の階との差がほかの階と違いますが、ページの表記どおりに載せています。
防災屋
出典 防災屋 連結送水管の耐圧試験とは(2026年9月26日取得)。「㈱防災屋では、 連結送水管の耐圧試験を35,000円(税抜) からご提供しています。」と書かれていて、階数や系統数ごとの表はありません。流れは「問い合わせ→事前確認・準備→試験実施→消防署へ書類提出・報告」とされています。
5社を並べて見えること

| 社名 | 税 | 表の形 | 別料金になるもの |
|---|---|---|---|
| 光栄テクノサービス | 税抜 | 5~20階・1~5系統 | エアー試験、交通費、遠隔地、加圧装置 |
| アシスト | 基本料金は記載なし | 5~20階・1~5系統 | エアー試験、届出書類、諸経費、遠隔地、加圧装置 |
| ヤマキエンタープライズ | 別途消費税 | 5~20階・1~5系統 | エアー試験、遠方、提出代行 |
| タナベ防災 | 記載なし | 5~20階を1階ごと・1~2系統 | 3系統は2系統料金+2万円 |
| 防災屋 | 税抜 | 表なし | 35,000円から |
同じ「10階建て・1系統」でも、表に載っている金額は社によって違い、しかも税の扱いと含まれるものが違うので、そのまま比べることはできません。たとえば光栄テクノサービスとアシストが例として出している「10階建・1系統・乾式」の合計は、それぞれ65,000円と85,500円ですが、前者は消費税抜で届出書類を含まず、後者は報告書作成・届出費の8,000円を含んでいます。
業者のページには、相場として「1系統あたり5万円〜10万円以上」(関西システムサポート)、「1系統(立管1本)あたり5万円〜10万円程度」(テックビルケア)、「1系統(立管)あたり10万円~となるケースが多い」(防災通信工業)といった書き方も出てきます。これらは各社の説明で、公的な統計ではありません。
見積もりで確かめる8項目

| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 階数と系統数 | どの表も階数と系統数で金額が決まる |
| 湿式か乾式か | 乾式はエアー試験が付くことが多い。菅原防災は「試験時間と費用を左右します。」 |
| 加圧送水装置の有無 | 光栄テクノサービスとアシストは加圧装置を有するものを別途見積もりとしている |
| ホースの耐圧 | 同日にやると安くなる表が多い。本数と口径(40A・50A・65A)で加算 |
| 報告書と提出代行 | アシストは届出書類8,000円(税抜)、ヤマキエンタープライズは提出代行3,000円 |
| 交通費・遠隔地・諸経費 | 距離で加算する表がある。菅原防災は「大阪市外は、別途交通費5,000円〜10,000円を頂戴します。」 |
| 税と曜日 | 税抜と税の記載なしが混ざっている。光栄テクノサービスとアシストは平日施工の概算 |
| 漏れたときの進め方 | 調査と改修は試験とは別の費用になる |
漏れが見つかったとき

耐圧試験で漏れや変形が見つかったら、まず場所を突き止めて直し、もう一度試験をします。R.K.I 設備保全は流れとして「・破損・不良箇所を確認。埋設部分は堀削し、原因を調査」「・依頼主からの依頼に基づき、速やかに改修工事実施」と書き、同じページのQ&Aで「速やかに改修や整備をしなければなりません。(消防設備士でなければできない改修工事や整備があります。)」としています。消防テックは「改修後に再度加圧試験を行い合格基準を満たすことを確認」と書いています。
| 段階 | やること | 出典 |
|---|---|---|
| 調べる | 破損・不良箇所の確認。埋設部分は掘って原因を調べることもある | R.K.I 設備保全 |
| 直す | 依頼主の依頼に基づいて改修工事。消防設備士でなければできない工事がある | R.K.I 設備保全 |
| もう一度試す | 改修後に再度加圧試験を行い合格基準を満たすことを確認 | 消防テック |
| 書く | 点検票の判定欄に×、不良内容欄に中身、措置内容欄に点検の際措置した内容 | 別記様式第20 備考3・5 |
改修の費用は、この記事では公開価格を見つけられませんでした。テックビルケアは「配管自体の腐食が進んでいる場合は系統まるごと更新となり、数百万円規模の工事になることもあります」と書いています(テックビルケア)。これは1社の説明で、範囲の広さによって大きく変わるはずなので、漏れが見つかったら改修の範囲と金額を別に見積もってもらってください。

直さずに放っておくと

設備が基準どおりに維持されていないと、消防長又は消防署長は、関係者で権原を有するものに対して、基準に従って設置すべきこと、又はその維持のため必要な措置をなすべきことを命ずることができます(消防法17条の4第1項)。この命令に違反すると、44条12号で罰則の対象になります。
| 場面 | 条文 | 罰則(原文) |
|---|---|---|
| 点検の結果を報告しない・虚偽の報告 | 消防法44条11号 | 「三十万円以下の罰金又は拘留に処する。」 |
| 設置・維持の命令に違反 | 消防法44条12号 | 同上 |
| 法人 | 消防法45条3号 | 44条11号・12号は「各本条の罰金刑」 |
法人への罰金について、ネットでは「法人に対して 最高1億円の罰金刑」と書いているページがあります(消防テック)。しかし消防法45条3号の原文は、44条11号・12号について「各本条の罰金刑」としていて、法人にかかる罰金も30万円以下です。「一億円以下の罰金刑」は45条1号で、別の違反の話です。東京消防庁のQ15も「点検結果の報告をしない場合には、消防法第44条第11号により、30万円以下の罰金又は拘留となる可能性があります。」としています(東京消防庁 消防用設備等点検報告制度)。
結果は報告書の束に入れて出す

耐圧試験だけの報告書の様式はありません。結果は、連結送水管の点検票(別記様式第20)の「配管の耐圧性能」の行に書き、ホースは「ホースの耐圧性能」の行に書きます。その点検票を、表紙にあたる点検結果報告書や総括表と一緒に束ねて、建物を管轄する消防署に出します。束の組み方、欄ごとの書き方、提出部数、郵送や電子申請、控えの扱いは消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方で詳しく書いています。


| 点検票の欄 | 書くこと |
|---|---|
| 防火管理者・立会者 | 上部の欄。立ち会った人の名前 |
| 点検種別・点検年月日 | 機器点検の日付 |
| 配管の耐圧性能 | 種別・容量等の内容、判定(○か×)、不良内容、措置内容 |
| ホースの耐圧性能 | 同じくホースの行に |
| 測定機器 | その3の下部に機器名・型式・校正年月日・製造者名 |
報告の周期は、消防法施行規則31条の6第3項で、特定用途の建物が「一年に一回」、それ以外が「三年に一回」です。耐圧試験は3年ごとなので、共同住宅や事務所ビルのように3年に1回報告する建物では、報告の年と耐圧試験の年がずれることがあります。耐圧試験の結果の点検票は、報告の年まで維持台帳に綴じて残しておいてください。
日本消防設備安全センターのセミナー資料によると、全国の点検報告率は55.6%にとどまっています(日本消防設備安全センター セミナー資料)。報告していない建物は珍しくありませんが、罰則の対象であることは変わりません。
業者の選び方

消防署は業者を紹介してくれません。東京消防庁のQ12は「消防署では特定の業者を教えることができません。」、Q13は「消防署から具体的な金額を提示することはできません。」「複数の点検事業者から見積もりをとって依頼することをお勧めします。」としています。
| 見るところ | なぜ | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 試験の圧力の説明 | 定期の点検は設計送水圧力(加圧送水装置があれば締切圧力)。1.5倍と説明するページがある | 「定期の点検として何MPaを何分かけますか」と聞く |
| 加圧の機材 | 送水口から加圧する機材が要る。R.K.I 設備保全は「検査測定車及び耐圧試験機」 | 自社の測定車や耐圧試験機があるか |
| 乾式の水損対策 | 乾式は水を入れたときに漏れると建物を濡らす | エアー試験の有無と料金 |
| 料金表の前提 | 税の扱い、含まれるもの、平日か休日かが社ごとに違う | 見積書に書いてもらう |
| 改修への対応 | 漏れが見つかると改修と再試験が要る | 改修工事と再試験まで対応できるか |
| 賠償責任保険 | 防災通信工業がチェック項目に挙げている | 加入しているか |
連結送水管の耐圧試験は、半年ごとの消防設備点検を頼んでいる業者が自社でやる場合と、専門の業者に回す場合があります。いまの点検業者に「耐圧試験は自社でやるのか、別の会社に頼むのか」を聞き、別の会社なら、その会社に直接見積もりを取ることもできます。業者の探し方と見積もりの取り方は消防設備点検の費用と業者の探し方を参考にしてください。
建物の定期報告には、消防の点検とは別に建築基準法12条の定期報告もあります。防火設備や建物の外壁などはそちらの対象です(建築基準法12条点検(定期報告)とは)。収容人員が多い建物では防火対象物点検も別に要ります(防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定))。
よくある質問
Q. 新築から10年たっていませんが、耐圧試験は要りますか。
別表第20は「配管を設置した日から10年を経過した日以降に点検を行う場合に限る。」としているので、10年を経過するまでの点検では要りません。10年を経過した日以降の最初の機器点検で行います。
Q. 10年目の耐圧試験のあと、次はいつですか。
前回の耐圧の点検から3年を経過したら、次の点検で行います。「配管の耐圧性能に関する点検を行ってから3年を経過していない場合」は除かれるので、3年ごとです。
Q. 屋内消火栓と配管を兼ねている建物は、耐圧試験をしなくてよいのですか。
外れるのは「屋内消火栓設備と当該配管を共用している部分」だけです。共用していない部分は対象で、業者は送水口から直近の仕切弁までの区間で試験をする「区間耐圧」「区間特例」と呼んでいます。
Q. 試験の圧力は設計送水圧力の1.5倍ですか。
定期の点検は、点検要領の原文どおり「締切静水圧は、設計送水圧力(加圧送水装置を設けた場合は、締切圧力)とする。」です。1.5倍は、設置工事が完了したときの試験(連結送水管試験基準)と、配管が持つべき耐圧力(消防法施行規則31条5号チ)の値です。
Q. 設計送水圧力は何MPaですか。
建物ごとに違い、法令に決まった数字はありません。定義は「ノズルの先端における放水圧力が〇・六メガパスカル…以上となるように送水した場合における送水口における圧力」です。前回の点検票や、設置時の消防用設備等試験結果報告書で確かめます。
Q. 何時間かかりますか。
法令で決まっているのは圧力を保つ3分間だけです。作業全体は、消防テックの乾式の目安で5階〜7階建て1系統が約1.5時間〜2時間、12階建て以上の複数系統が半日(約4時間〜)です。
Q. 断水しますか。
業者の説明が分かれています。関西システムサポートは「生活用水が断水することはほぼありません。」、防災屋は「一時的に断水する可能性もあります。」としていて、補給水槽が飲料水タンクと兼用の建物では事前周知が要ることがあるとしています。見積もりのときに聞いてください。
Q. 立ち会いは必要ですか。
義務づける条文は見当たりませんでした。点検票には「立会者」欄があり、屋上の鍵や散水栓、コンセントを借りる場面があるので、誰かがいたほうが進めやすいです。
Q. 費用はいくらですか。
業者ごとに違います。この記事では5社の公開料金を原文で載せました。たとえば光栄テクノサービスは5~10階・1系統で50,000円(税抜)、アシストは62,000円、ヤマキエンタープライズは59,000円(別途消費税)です。推薦ではなく、税や含まれるものも違うので、複数社から見積もりを取ってください。
Q. ホースも耐圧試験が要りますか。
放水用器具格納箱のホースは、製造年の末日から10年を経過した日以降、3年ごとに耐圧の点検が要ります。圧力は5 分間かけます。11階以上の建物は格納箱があるので、ホースの本数と製造年を確かめてください。
Q. 耐圧試験の結果はどこに出しますか。
連結送水管の点検票の「配管の耐圧性能」の行に書き、点検結果報告書の束に入れて、建物を管轄する消防署に出します。出し方は消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方で書いています。
Q. 漏れが見つかったらどうなりますか。
場所を調べて改修し、もう一度加圧試験をします。消防設備士でなければできない改修工事があります。改修の費用は範囲で大きく変わるので、別に見積もりを取ってください。
困ったときの窓口
| 聞きたいこと | 窓口 |
|---|---|
| 自分の建物の圧力や系統数 | 前回の点検業者、または設置時の書類 |
| 耐圧試験のやり方と料金 | 点検業者(複数社から見積もり) |
| 報告の周期と出し方 | 建物を管轄する消防署 |
| 点検の基準と点検票 | 消防庁 消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票 |
| 点検業者を探す | 消防署は特定の業者を教えられない(東京消防庁 Q12) |
まとめ

連結送水管の耐圧試験は、消防設備点検の中の機器点検の1項目「配管の耐圧性能」です。配管を設置した日から10年を経過した日以降に始まり、その後は3年ごとに行います。屋内消火栓設備と配管を共用している部分は外れ、放水用器具格納箱のホースは製造年の末日から数えて同じ形で行います。
かける圧力は設計送水圧力(加圧送水装置があれば締切圧力)で、時間は3分間です。ネットでよく見る「1.5倍」は設置工事が完了したときの試験の値なので、見積もりのときに業者がどう説明するかを確かめてください。所要時間、断水、立ち会いは法令に定めがなく、業者の説明も分かれているので、建物のつくりを伝えたうえで事前に聞いておくのが確実です。
料金は階数と系統数で決まる表が多く、エアー試験、ホース、報告書、遠隔地が足されていきます。この記事の5社の金額は2026年9月26日に取得した各社の価格で、推薦でも相場でもありません。結果は点検票に書いて報告書の束に入れ、管轄の消防署に出します。細部は、点検業者と建物を管轄する消防署に確かめてください。




