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法令(e-Gov)、東京消防庁、令和7年版消防白書、日本消防設備安全センター、宇都宮市と川崎市のページは、2026年9月26日に原文を取得して確認しました。条文や数字は原文どおりに引用し、見つからなかったものは「取得できず」と書いています。業者の料金は各社のサイトに載っている金額をそのまま載せたもので、推薦でも相場でもありません。建物ごとの最終的な判断は、管轄の消防署に確認してください。
大きなオフィスビルや複合ビルを管理していると、消防設備点検、防火対象物点検に続いて「防災管理点検」という名前が出てきます。防火対象物点検とどこが違うのか、自分のビルは対象なのか、テナントも出す必要があるのか、何を見られるのか。似た名前の点検が並ぶので、担当になった方が最初に迷うところです。
防災管理点検は、消防法36条にもとづく点検です。火災に備える仕組み(防火管理者、消防計画、防火対象物点検、特例認定)を、地震や毒性物質の発散などの火災以外の災害に読み替えて当てはめたもので、対象は11階以上で延べ面積1万㎡以上などの大規模な建物と地下街です。1年に1回、防災管理点検資格者に点検させて、その結果を消防長又は消防署長に報告します。
この記事では、条文と東京消防庁の点検要領の原文をもとに、対象の決め方、防火対象物点検との違い、点検の中身、資格者、報告の周期と基準日、表示、特例認定、罰則、防災管理者と自衛消防組織、業者の公開料金までを順に整理します。火災側の防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定)と防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届)は別の記事で詳しく書いているので、ここでは違いと重なるところだけを扱います。

先に結論 → 防災管理点検の要点
| 項目 | 要点 | 根拠 |
|---|---|---|
| 何の点検か | 地震などの火災以外の災害に備える防災管理の業務が、基準どおりに行われているかを確かめる点検 | 消防法36条1項(8条の2の2を準用) |
| 対象の災害 | 「一 地震」「二 毒性物質の発散その他の総務省令で定める原因により生ずる特殊な災害」 | 消防法施行令45条 |
| 対象の建物 | 11階以上で延べ面積1万㎡以上、5階以上10階以下で2万㎡以上、4階以下で5万㎡以上、地下街で1,000㎡以上など | 消防法施行令46条・4条の2の4 |
| 点検する人 | 防災管理点検資格者 | 消防法36条1項・施行規則51条の12第3項 |
| 報告する人 | 点検が必要な対象物の各管理権原者(テナントを含む) | 東京消防庁 |
| 周期 | 1年に1回 | 施行規則51条の12第2項(4条の2の4第1項を準用) |
| 出し先 | 消防長又は消防署長(東京消防庁は管轄の消防署又は出張所) | 消防法8条の2の2第1項/東京消防庁 |
| 特例認定 | 優良と認められると3年間、点検と報告が免除 | 消防法8条の2の3(36条で準用) |
| 報告しないと | 30万円以下の罰金又は拘留(法人にも罰金刑) | 消防法44条11号・45条3号 |
| 費用 | 業者4社の公開料金を原文で掲載。平均や相場は作っていない | 各社のサイト(2026年9月26日取得) |
全国では、令和7年3月31日現在で防災管理対象物が1万173件あります(令和7年版消防白書)。点検報告がどれだけ出ているかの全国の割合は、白書の防災管理制度の節に載っておらず、取得できませんでした。
防災管理点検とは(消防法36条)
消防法の火災の仕組みは、8条(防火管理者)、8条の2(統括防火管理者)、8条の2の2(防火対象物点検)、8条の2の3(特例認定)と並んでいます。36条1項は、この並びをまとめて火災以外の災害に当てはめる条文です。原文は次のとおりです。
「第八条から第八条の二の三までの規定は、火災以外の災害で政令で定めるものによる被害の軽減のため特に必要がある建築物その他の工作物として政令で定めるものについて準用する。」
準用するときに言葉を読み替えます。防火管理者は防災管理者に、統括防火管理者は統括防災管理者に、防火対象物点検資格者は防災管理点検資格者になり、8条の2の2第1項の「火災の予防に」は「火災以外の災害で政令で定めるものによる被害の軽減に」になります。つまり、防災管理点検は防火対象物点検と同じ骨組みで、見る災害が地震などに変わったもの、と考えると分かりやすくなります。

| 火災の条文 | 36条で読み替えたあと | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 8条 防火管理者 | 防災管理者 | 資格と責務の要点だけ。講習と選任届は防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届) |
| 8条の2 統括防火管理者 | 統括防災管理者 | 権原が分かれているビルの項で扱う |
| 8条の2の2 防火対象物点検 | 防災管理点検 | この記事の中心 |
| 8条の2の3 特例認定 | 防災管理の特例認定 | 要件と失効を扱う |
36条2項は「前項において読み替えて準用する同条第一項の防災管理者に、第八条第一項の防火管理者の行うべき防火管理上必要な業務を行わせなければならない。」としています。防災管理対象物では、防災管理者が防火管理の業務もあわせて担うということです。
対象になる災害は地震と特殊な災害
「火災以外の災害で政令で定めるもの」は、消防法施行令45条が決めています。「一 地震」「二 毒性物質の発散その他の総務省令で定める原因により生ずる特殊な災害」の2つです。2号の原因は施行規則51条の3が並べていて、毒性物質や生物剤・毒素の発散、「放射性物質若しくは放射線の異常な水準の放出」、それらのおそれがある事故です。

| 号 | 災害 | 中身(原文の要点) |
|---|---|---|
| 令45条1号 | 地震 | 「地震」 |
| 令45条2号 | 特殊な災害 | 毒性物質の発散その他の総務省令で定める原因により生ずる特殊な災害 |
| 規則51条の3 | 2号の原因 | 毒性物質の発散、生物剤・毒素の発散、放射性物質若しくは放射線の異常な水準の放出、これらのおそれがある事故 |
火災は、もともと8条の防火管理で扱います。防災管理が見るのは火災以外の災害です。ただし、自衛消防組織については36条7項が「火災その他の災害の被害の軽減のために必要な業務を行うものとする。」としていて、火災と火災以外の両方に対応する組織になっています。
いつから始まったか
川崎市のページは「消防法の一部を改正する法律(平成19年法律第93号)が平成19年6月22日に成立・公布されました。」と説明しています。日本消防設備安全センター(以下「安全センター」)は「平成19年6月の消防法改正により、大規模建築物等については、防災管理業務の実施が義務付けられ、その実施状況を毎年1回定期的に防災管理点検資格者に点検させ、その結果を消防機関に報告する防災管理点検報告制度が創設されました。」と書いています。
施行は平成21年6月1日です。安全センターのリーフレットの表紙に「平成21年 6月 1日から施行」とあり、東京消防庁も、この日より前から管理している建物の報告の基準日を平成21年6月1日としています。


対象になる建物(施行令46条から4条の2の4へ)
対象の建物は、消防法施行令46条が「法第三十六条第一項の政令で定める建築物その他の工作物は、第四条の二の四の防火対象物とする。」と決めています。令4条の2の4は「自衛消防組織の設置を要する防火対象物」の条文なので、防災管理点検の対象と、自衛消防組織を置かなければならない建物は同じ範囲になります。
令4条の2の4の柱書きは「法第八条第一項の防火対象物のうち、次に掲げるもの」です。つまり、そもそも防火管理者を選ぶ必要がある建物(消防法8条1項)であることが前提で、そのうえで用途と階数と面積で絞り込みます。宇都宮市のページも「消防法第8条第1項の規定により防火管理者の選任を要するものに限ります。」と書いています。

単一用途の建物(1号)
1号は、決められた用途の建物について、地階を除く階数と延べ面積の組み合わせで決めています。原文は「イ 地階を除く階数が十一以上の防火対象物で、延べ面積が一万平方メートル以上のもの」「ロ 地階を除く階数が五以上十以下の防火対象物で、延べ面積が二万平方メートル以上のもの」「ハ 地階を除く階数が四以下の防火対象物で、延べ面積が五万平方メートル以上のもの」です。
| 地階を除く階数 | 延べ面積 | 条文 |
|---|---|---|
| 11以上 | 1万㎡以上 | 令4条の2の4第1号イ |
| 5以上10以下 | 2万㎡以上 | 令4条の2の4第1号ロ |
| 4以下 | 5万㎡以上 | 令4条の2の4第1号ハ |
| 地下街((十六の二)項) | 延べ面積1,000㎡以上 | 令4条の2の4第3号 |
高い建物ほど、小さい面積から対象になります。同じ延べ面積2万㎡でも、12階建てなら対象、4階建てなら対象外です。階数は地階を除いて数えます。

対象になる用途・ならない用途
1号の用途は「別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項から(十二)項まで、(十三)項イ、(十五)項及び(十七)項に掲げる防火対象物」です。オフィスビルは(十五)項の「前各項に該当しない事業場」に入ります。防火対象物点検の対象用途(令4条の2の2)には(十五)項が入っていないので、ここが2つの点検の大きな違いになります。
| 項 | 用途(宇都宮市の表記) | 防災管理点検 |
|---|---|---|
| 1項 | 劇場等 | 対象 |
| 2項 | 風俗営業店舗等 | 対象 |
| 3項 | 飲食店等 | 対象 |
| 4項 | 百貨店等 | 対象 |
| 5項イ | ホテル等 | 対象 |
| 5項ロ | 寄宿舎・下宿・共同住宅 | 対象外 |
| 6項 | 病院・社会福祉施設等 | 対象 |
| 7項 | 学校等 | 対象 |
| 8項 | 図書館・博物館等 | 対象 |
| 9項 | 公衆浴場等 | 対象 |
| 10項 | 車両の停車場等 | 対象 |
| 11項 | 寺社・寺院等 | 対象 |
| 12項 | 工場等 | 対象 |
| 13項イ | 駐車場等 | 対象 |
| 13項ロ | 飛行機等の格納庫 | 対象外 |
| 14項 | 倉庫 | 対象外 |
| 15項 | その他の事業場 | 対象 |
| 16項 | 複合用途 | 対象用途の部分で判断(2号) |
| 16項の2 | 地下街 | 延べ面積1,000㎡以上で対象(3号) |
| 16項の3 | 準地下街 | 対象外 |
| 17項 | 文化財である建築物 | 対象 |
| 18項から20項 | アーケード・山林・舟車 | 対象外 |

宇都宮市は「共同住宅等(5項ロ),格納庫等(13項ロ),倉庫(14項)は含まれません。」と注意書きしています。大規模なタワーマンションでも、共同住宅だけの建物なら防災管理点検の対象にはなりません。マンションで毎年行う点検はマンションの消防点検(部屋に入る理由・費用の負担)で扱っています。
複合用途ビル(2号)
店舗と事務所と住宅が入った複合用途の建物((十六)項)は、2号で判断します。建物全体の延べ面積ではなく、対象用途(自衛消防組織設置防火対象物の用途)に使っている部分の床面積の合計と、その部分がどの階にあるかで決まります。
| 建物の階数(地階を除く) | 対象用途の部分がある階 | 対象用途の部分の床面積の合計 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 11以上 | 全部又は一部が11階以上 | 1万㎡以上 | 2号イ(1) |
| 11以上 | 全部が10階以下で、一部が5階以上10階以下 | 2万㎡以上 | 2号イ(2) |
| 11以上 | 全部が4階以下 | 5万㎡以上 | 2号イ(3) |
| 5以上10以下 | 全部又は一部が5階以上 | 2万㎡以上 | 2号ロ(1) |
| 5以上10以下 | 全部が4階以下 | 5万㎡以上 | 2号ロ(2) |
| 4以下 | 問わない | 5万㎡以上 | 2号ハ |

宇都宮市は「複合用途の場合は,自衛消防組織設置対象用途に供される部分及び面積で判断します。」と書いています。たとえば上の階が共同住宅で下の階が店舗というビルは、共同住宅の部分を数えないので、建物全体が大きくても対象外になることがあります。反対に、事務所の部分だけで基準を超えていれば対象です。
もう1つ、宇都宮市は「同一敷地内に同一管理権限者が管理する複数の棟がある場合,面積を合算する場合があります。」とも書いています。棟ごとに見て基準に届かなくても、合算で対象になることがあるので、敷地に複数の建物がある場合は管轄の消防署に確かめてください。

自分のビルが対象か確かめる順番
ここまでを順番にすると、次の5段になります。
| 順番 | 確かめること | 見る条文・資料 |
|---|---|---|
| 1 | 防火管理者を選ぶ必要がある建物か | 消防法8条1項 |
| 2 | 用途が対象か(共同住宅・格納庫・倉庫などは外れる) | 令4条の2の4・別表第一 |
| 3 | 地階を除く階数 | 令4条の2の4第1号・第2号 |
| 4 | 延べ面積(複合用途は対象用途の部分の床面積の合計) | 令4条の2の4 |
| 5 | 迷ったら管轄の消防署に確認(同じ敷地の複数の棟は合算することがある) | 宇都宮市 |


全国にどれだけあるか
令和7年版消防白書は「令和7年3月31日現在、法令により防災管理体制を確立し防災管理者を選任しなければならない防災管理対象物は、全国に1万173件あり、そのうち85.8%に当たる8,728件について防災管理者が選任され、その旨が消防機関に届出されている。」と書いています。続けて「防災管理に係る消防計画を作成し、その旨を消防機関へ届け出ている防災管理対象物は8,418件で全体の82.7%、自衛消防組織を設置している防災管理対象物は9,243件で全体の90.9%となっている」としています。
| 項目(令和7年3月31日現在) | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 防災管理対象物 | 1万173件 | |
| 防災管理者の選任を届け出ている | 8,728件 | 85.8% |
| 防災管理に係る消防計画を届け出ている | 8,418件 | 82.7% |
| 自衛消防組織を設置している | 9,243件 | 90.9% |
| 統括防災管理者が必要な防災管理対象物 | 3,226件 | |
| 統括防災管理者の選任を届け出ている | 2,743件 | 85.0% |
| 全体についての消防計画を届け出ている | 2,552件 | 79.1% |

防災管理点検を報告している割合や、防災管理点検の実施率は、白書の防災管理制度の節には載っていません。今回の調べでは取得できませんでした。
防火対象物点検との違い
防災管理点検と防火対象物点検は、条文の骨組みが同じなので混同されやすい点検です。違うのは、見る災害、対象の建物の決め方、点検する資格者の3つです。防火対象物点検の対象の数え方(収容人員300人以上など)や点検基準の細部は防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定)で書いているので、ここでは比べるところだけにします。
| 防災管理点検 | 防火対象物点検 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 消防法36条(8条の2の2を準用) | 消防法8条の2の2 |
| 見る災害 | 地震・特殊な災害 | 火災 |
| 対象の決め方 | 令4条の2の4(階数と延べ面積。大規模な建物と地下街) | 令4条の2の2(収容人員300人以上など) |
| 対象の用途 | (十五)項の事務所なども入る | (十五)項は入らない |
| 点検する人 | 防災管理点検資格者 | 防火対象物点検資格者 |
| 点検基準 | 施行規則51条の14 | 施行規則4条の2の6 |
| 周期 | 1年に1回 | 1年に1回 |
| 出し先 | 消防長又は消防署長 | 消防長又は消防署長 |
| 表示 | 防災基準点検済証 | 防火基準点検済証 |
| 特例の表示 | 防災優良認定証 | 防火優良認定証 |

両方いるビル・片方だけのビル
2つの点検は対象の決め方が別なので、一致しません。事務所だけが入った大規模なビルは、防災管理点検だけが対象です。店舗や飲食店が入った大規模な複合ビルで、防火対象物点検の条件(収容人員300人以上など)にも当たる建物は両方が対象です。反対に、令4条の2の4の階数と面積に届かない、収容人員300人以上の店舗や病院などは防火対象物点検だけが対象です。

| 建物の例 | 防災管理点検 | 防火対象物点検 |
|---|---|---|
| 事務所だけの12階建て・延べ面積1万㎡以上 | 対象 | 対象外((十五)項は令4条の2の2の用途に入らない) |
| 店舗や飲食店が入った大規模な複合ビルで、収容人員300人以上 | 対象(対象用途の部分で判断) | 対象 |
| 収容人員300人以上の店舗や病院で、令4条の2の4の規模に届かない | 対象外 | 対象 |
| 共同住宅だけのタワーマンション | 対象外 | 対象外((五)項ロは令4条の2の2の用途に入らない) |
どちらの点検が要るかは、最後は管轄の消防署が判断します。上の表は条文の読み方の例です。
同じ日にまとめて頼むとき
両方が対象の建物では、同じ業者に同じ日に頼むことが多くなります。そのときに知っておくことが3つあります。
1つ目は、資格者が別々なことです。防火対象物点検は防火対象物点検資格者、防災管理点検は防災管理点検資格者がします。両方の資格を持つ人もいます。防災管理点検資格者になれる要件の1つが「防火対象物点検資格者で、防火対象物の点検について三年以上の実務の経験を有する者」(施行規則51条の12第3項6号)なので、防火対象物点検の経験者が防災管理点検の資格も取っていることがあります。
2つ目は、報告書も別々なことです。東京消防庁の防災管理の様式は、防災管理点検結果報告書(151-c)と防災管理点検票(その1~その3)(151-f)です。防火対象物点検の報告書とは別に出します。
3つ目は、表示をまとめられることです。36条4項は、両方の点検をした建物について「防火対象物点検資格者及び防災管理点検資格者により点検対象事項がいずれの点検基準にも適合していると認められた場合に限り」まとめた表示ができるとしています。まとめた表示に書く年月日は、施行規則51条の18第3項1号の「点検を行つた日のいずれか早い日から起算して一年後の年月日」です。

まとめた表示は早い日から1年なので、2つの点検の日が離れていると、表示の期限は早い方に引っ張られます。同じ日に点検すれば、この差は出ません。業者の料金も、防火と防災をまとめた料金を別に載せている会社があります(後の費用の項)。
| 防災管理点検 | 防火対象物点検 | まとめたとき | |
|---|---|---|---|
| 資格者 | 防災管理点検資格者 | 防火対象物点検資格者 | 両方の資格者(1人が両方を持つこともある) |
| 報告書(東京消防庁) | 151-c・151-f | 防火対象物点検の様式 | 別々に出す |
| 点検済の表示 | 防災基準点検済証 | 防火基準点検済証 | 防火・防災基準点検済証(両方が基準に適合したときに限る) |
| 表示の年月日 | 点検日から1年後 | 点検日から1年後 | いずれか早い日から1年後 |
点検で何を見られるか
点検基準は5つ(施行規則51条の14)
防災管理点検の基準は、施行規則51条の14が5つ決めています。
| 号 | 基準(原文) |
|---|---|
| 1号 | 「第五十一条の八第一項の届出及び第五十一条の九において準用する第三条の二第一項の届出がされていること。」(消防計画と防災管理者の選任の届出) |
| 2号 | 令4条の2の4の防火対象物にあつては「法第八条の二の五第二項の届出がされていること。」(自衛消防組織の届出) |
| 3号 | 「防災管理に係る消防計画に基づき、消防庁長官が定める事項が適切に行われていること。」 |
| 4号 | 権原が分かれているものにあつては「消防庁長官が定める事項が適切に行われていること。」 |
| 5号 | 「法第八条の二の四に規定する避難上必要な施設及び防火戸について、適切に管理されていること。」 |

1号と2号は届出が出ているか、3号から5号は中身が実際に行われているかを見ます。東京消防庁は点検内容を「防災管理者選任の届出及び防災管理に係る消防計画作成の届出が提出されていること。」「自衛消防組織設置の届出が提出されていること。」「防災管理に係る消防計画に基づき、防災管理業務・避難施設等の管理が適切にされていること等。」とまとめています。
東京消防庁の点検要領
点検の具体的なやり方は、東京消防庁が「防災管理点検要領」(PDF・10ページ)で公開しています。点検項目ごとに、点検方法と判定方法が表になっています。はじめの「第1 一般的留意事項」は次のとおりです。
| 番号 | 一般的留意事項(原文の要点) |
|---|---|
| 1 | 「点検に際しては、原則として防災管理者等の関係者(以下「立会者」という。)の立会いを求めること。」 |
| 2 | 点検時の判定が否の状態でも、点検中に改善して適になったものは、改善内容を点検票(その2)に書いて判定を適にできる |
| 3 | 判定の適否と関係のない事項でも、防災管理上問題のある事項は、立会者に改善方法を助言し、点検票(その1)の備考に書く |
| 4 | 書ききれない場合は別紙に書いて添付する |
| 5 | 令第2条を適用されているか必要に応じ確認する |

2番目がポイントです。点検の当日に直せるもの(避難通路に置かれた物をどける、など)は、その場で直せば適として扱ってもらえます。点検の前に建物を一回りしておくと、指摘の数を減らせます。
届出と消防計画について見る項目
点検要領は、まず届出を書類の写しで確かめます。防災管理者選任(解任)届出書、消防計画作成(変更)届出書、自衛消防組織設置(変更)届出書の写しです。自衛消防組織については「届出書に記載された統括管理者が現に存すること。」「統括管理者が必要な資格を有していること。」「届出書に記載された資機材が現に存すること。」まで確認します。人事異動で防災管理者や統括管理者がいなくなっているのに届出が変わっていない、というのはよく見られる指摘です。
続いて、消防計画に定めた事項が実際に行われているかを見ます。
| 点検項目 | 判定方法(原文の要点) |
|---|---|
| 自衛消防の組織 | 任務分担及び指揮命令系統が、編成員に把握されていること。編成員が現に存すること |
| 避難施設の維持管理及びその案内 | 消防計画に定められたところにより、避難施設の維持管理が実施されていること。避難施設の管理の状態を目視により確認 |
| 収容人員の適正化 | 定員その他収容人員が適正に管理されていること |
| 防災管理上必要な教育 | 消防計画に定められたところにより、教育が実施されていること |
| 避難訓練その他必要な訓練 | 消防計画に定められたところにより、訓練が実施されていること |
| 関係機関との連絡 | 連絡がされており、かつ、連絡を行うことが各担当者に把握されていること |
| 訓練結果の検証及び消防計画の見直し | 訓練の結果を踏まえた検証と、それに基づく見直しが実施されていること |

避難訓練は、施行規則51条の8第3項で「防災管理者は、令第四十八条第二項の避難訓練を年一回以上実施しなければならない。」とされています。安全センターも点検の例として「訓練マニュアルに基づき、避難訓練が1年に1回以上実施されているか」を挙げています。
地震について見る項目
防災管理点検らしいのが地震の項目です。消防計画に書く地震の事項は施行規則51条の8第1項2号が決めていて、点検要領はそれぞれについて実施されているかを確かめます。
| 点検項目 | 判定方法(原文の要点) |
|---|---|
| 地震発生時の被害想定及び対策 | 被害想定が実施されており、その結果、想定される被害対策に係る事項が実施されていること |
| 地震対策のための自主検査 | 自主検査が実施されており、不備があった場合に必要な措置が実施されていること。自主検査の箇所を目視で確認 |
| 地震対策のための設備及び資機材の点検並びに整備 | 点検と整備が実施されており、不備があった場合に必要な措置が実施されていること |
| 家具・じゅう器などの落下、転倒及び移動の防止 | 消防計画に定められた措置の実施 |
| 地震発生時の応急措置 | 通報連絡、避難誘導、救出、救護その他の応急措置 |

安全センターも点検の例として「オフィス家具等の転倒、落下、移動防止措置が取られているか」「非常食等が常備されているか」「避難階段に避難の障害となる物が置かれていないか」を挙げています。オフィスの書庫やキャビネットの固定は、テナントの担当者が準備できる部分です。

特殊な災害・自衛消防組織・権原が分かれている建物の項目
| 区分 | 見る項目 |
|---|---|
| 特殊な災害 | 発生時における通報連絡及び避難誘導、被害の軽減に関し必要な事項 |
| 自衛消防組織 | 活動要領、要員の教育と訓練、業務に関し必要な事項 |
| 共同で置く自衛消防組織 | 協議会、統括管理者の選任、業務の範囲、運営 |
| その他 | 業務の一部委託、権原の範囲、避難訓練の回数、全体についての消防計画と統括防災管理者 |

点検要領の「地震防災対策強化地域に所在する防災管理対象物」の項目は、「当該防火対象物が地震防災対策強化地域に所在しない場合には対象外であること。」とされています。
防災管理維持台帳
点検の結果は、施行規則51条の12第1項により「防災管理維持台帳」に記録して保存します。台帳は「次に掲げるものを編冊したもの」で、中身は次のとおりです。
| 号 | 綴じるもの(原文の要点) |
|---|---|
| 1号 | 防災管理再講習の修了証の写し |
| 2号 | 防災管理者の選任・消防計画・自衛消防組織などの届出に係る書類の写し |
| 3号 | 点検の報告書の写し |
| 4号 | 特例認定の申請書の写し |
| 5号 | 特例認定の通知 |
| 6号 | 消防計画に基づき実施される状況を記載した書類(イからチ) |
| 7号 | 「前各号に掲げるもののほか、防災管理上必要な書類」 |

| 6号 | 実施状況を書く項目(原文の要点) |
|---|---|
| イ | 避難施設の維持管理の状況 |
| ロ | 定員の遵守その他収容人員の適正化の状況 |
| ハ | 防災管理上必要な教育の状況 |
| ニ | 避難の訓練その他防災管理上必要な訓練の状況 |
| ホ | 地震による被害の軽減のための自主検査の状況 |
| ヘ | 地震による被害の軽減のために必要な設備及び資機材の点検並びに整備の状況 |
| ト | 家具、じゅう器などの物品の落下、転倒及び移動の防止のための措置の実施の状況 |
| チ | 大規模な地震に係る防災訓練並びに教育及び広報の状況(強化地域の一部の施設に限る) |

点検要領は、消防計画の各項目で「防災管理維持台帳及び関係のある者の聴取により」実施状況を確認するとしています。点検の当日に台帳が整っていないと、実施したことを示せません。訓練をしたら記録を綴じる、転倒防止の措置をしたら記録を綴じる、という日々の積み重ねが点検の準備そのものです。消防用設備等の点検の維持台帳との違いは消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方にも書いています。
点検の当日の流れ
| 順番 | すること | 出典 |
|---|---|---|
| 1 | 管理権原者が防災管理点検資格者に点検を依頼する(テナントごとに依頼することもある) | 安全センター・光栄テクノサービス |
| 2 | 届出の写し・消防計画・防災管理維持台帳を確認する | 点検要領 |
| 3 | 現地を確認する。防災管理者などが立ち会う(原則) | 点検要領 第1 |
| 4 | 不備があれば助言する。その場で直せば適にできる | 点検要領 第1 |
| 5 | 点検票を作り、管理権原者が消防署長等に報告する | 安全センター・東京消防庁 |

安全センターは流れを「建物のオーナー等は、防災管理点検資格者に点検を依頼します。」「防災管理点検資格者は防災管理上必要な業務等が基準に適合しているかどうかを点検し、その結果を報告書にまとめます。」「建物のオーナー等は、その報告書を消防長又は消防署長に提出します。」と説明しています。

防災管理点検資格者(誰が点検できるか)
点検できるのは防災管理点検資格者だけです。施行規則51条の12第3項は、次の7つのいずれかに当たる人が、登録講習機関の講習の課程を修了し、免状の交付を受けていることを求めています。
| 号 | 要件(原文の要点) |
|---|---|
| 1号 | 防災管理者で、三年以上その実務の経験を有する者 |
| 2号 | 防災管理に関する講習の課程を修了した者で、防災管理上必要な業務について五年以上の実務の経験を有するもの |
| 3号 | 市町村の消防職員で、防災管理に関する業務について一年以上の実務の経験を有する者 |
| 4号 | 市町村の消防職員で、五年以上その実務の経験を有する者 |
| 5号 | 市町村の消防団員で、八年以上その実務の経験を有する者 |
| 6号 | 防火対象物点検資格者で、防火対象物の点検について三年以上の実務の経験を有する者 |
| 7号 | 前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると消防庁長官が認める者 |

東京消防庁は、7号を除く6つを並べて「登録講習機関が実施する講習(8時間)を受講した者」と説明しています。講習は安全センターが行っていて、防災管理点検資格者は防災管理者にもなれます(施行規則51条の5第1の2号)。
講習の料金
安全センターの「消防防災関係資格者講習の受講料及び手数料」(令和6年4月1日現在・消費税込)では、防災管理点検資格者の料金は次のとおりです。
| 項目 | 金額(消費税込) |
|---|---|
| 講習受講料 A区分 | 20,100円 |
| 講習受講料 B区分 | 18,900円 |
| 再考査手数料 | 3,550円 |
| 免状交付手数料 | 1,970円 |
| 再講習受講料 | 7,840円 |
| 免状交付(再講習)手数料 | 1,630円 |

A区分とB区分の違いは、講習事務規程27条に書かれています。20,100円は「科目免除の対象とならない者及び4時間未満の科目免除を受けようとする者」、18,900円は「4時間以上の科目免除を受けようとする者」です。免除の例として、消防団員8年以上(A011)は1.5時間、消防職員5年以上(A031)は3時間、防災管理者3年以上など(B041からB044)は4.5時間が免除されます。

同じ表で、防火対象物点検資格者の講習受講料はA区分40,300円、B区分38,100円、C区分32,600円です。防火対象物点検資格者の講習の詳細は防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定)に書いています。
講習の実施状況
安全センターの「第1-5表 防災管理点検資格者講習実施状況」は、年度別の回数、受講者数、合格者数、合格率を載せています。
| 年度 | 回数 | 受講者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2009~2013 | 100 | 6,993 | 6,718 | 96.1% |
| 2014~2018 | 59 | 2,818 | 2,595 | 92.1% |
| 2019 | 10 | 462 | 449 | 97.2% |
| 2020 | 9 | 313 | 314 | 100.3% |
| 2021 | 10 | 465 | 456 | 98.1% |
| 2022 | 10 | 495 | 491 | 99.2% |
| 2023 | 10 | 424 | 414 | 97.6% |
| 2024 | 10 | 473 | 463 | 97.9% |
| 2025 | 10 | 405 | 398 | 98.3% |
| 計 | 228 | 12,848 | 12,298 | 95.7% |

表には「※合格者数には、前年度に受講し、当該年度の再考査により合格したものを含む。」という注があり、2020年度の合格率が100.3%になっているのはこのためです。再講習は、第1-6表で累計183回、14,838人(うちオンライン1,713人)です。

合格者の累計12,298人は、いま資格を持っている人の数ではありません。免状には期限があり、再講習を受けなければ資格を失うためです。防災管理点検資格者の現在の全国の人数は、今回の調べでは取得できませんでした(白書に載っているのは防火対象物点検資格者の「3万7,271人」だけです)。

免状には期限がある
安全センターの再講習の案内は「防災管理点検資格者免状(以下「免状」という。)の有効期限は、免状の交付を受けた日(交付年月日)以後における最初の4月1日から5年以内となります(平成20年消防庁告示第20号)。」としています。期限までに再講習を受けないと、「消防法施行規則第51条の12第4項第6号の規定により防災管理点検資格者の資格は喪失します。」。やむを得ない事情があるときは「免状の有効期限の日から1年以内に限り」延長が認められます(平成12年消防庁告示第14号)。

再講習の受講料は、案内では9,470円(受講料7,840円と免状交付手数料1,630円の合計・消費税10%込)です。業者に頼む側としては、点検に来る人の免状が有効かどうかを、見積もりの段階で確かめておくと安心です。
報告の周期と出し先
点検は1年に1回です。施行規則51条の12第2項が、防火対象物点検の周期を決めた4条の2の4第1項(「一年に一回行うものとする」)を準用しています。報告は、8条の2の2第1項の結びの「その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。」によります。東京消防庁は「1年に1回点検を実施し、管轄する消防署又は出張所に報告する必要があります。」と案内しています。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 周期 | 1年に1回 | 施行規則51条の12第2項・4条の2の4第1項 |
| 出し先 | 消防長又は消防署長(東京は管轄の消防署又は出張所) | 消防法8条の2の2第1項/東京消防庁 |
| 出す人 | 点検が必要な対象物の各管理権原者 | 東京消防庁 |
| 点検する人 | 防災管理点検資格者 | 施行規則51条の12第3項 |
| 基準日 | 管理を開始した日(平成21年6月1日以前からなら同日) | 東京消防庁 |

基準日は「管理を開始した日」
東京消防庁は「点検報告の基準となる日は、防災管理点検対象物の建物(事業所)の管理を開始した日です。」と説明しています。基準日の例として、建物が新築され管理を開始した日、テナントとして入居し管理を開始した日、特例認定が失効した日を挙げています。そして「平成21年6月1日以前に、点検対象となる建物の管理を開始した管理権原者については、平成21年6月1日が基準日になります。」としています。
| 場面 | 点検の基準日 |
|---|---|
| 建物が新築され、管理を開始した | 管理を開始した日 |
| テナントとして入居し、管理を開始した | 管理を開始した日 |
| 特例認定が失効した | 失効した日 |
| (例1)令和元年9月1日に3階部分の管理を開始したテナント | 令和元年9月1日 |
| (例2)昭和60年4月1日から使用を開始し、同一の管理権原者が継続して使用 | 平成21年6月1日 |

テナントごとに管理を始めた日が違うので、同じビルの中でも基準日はテナントごとに違うことがあります。ビル全体でまとめて点検を頼むときは、各テナントの基準日を並べて、1年に1回の間隔が空きすぎないように日程を決めます。
テナントビルでは誰が出すか
報告の義務は「点検が必要な対象物の各管理権原者」にあります(東京消防庁)。ビルのオーナーは共用部分など自分が権原を持つ部分について、各テナントは自分が借りて管理している部分について、それぞれ報告します。権原が分かれているビルの全体の消防計画は、統括防災管理者がつくります(令48条の3)。

業者の料金にもこれが表れています。光栄テクノサービスは「複合用途に於ける点検票の作成は、原則として管理権原者を有する防火対象物(テナント)毎となります。」と書き、ビル全体を点検する場合の料金表に「管理権原者数(点検票作成数) 1テナント 20,000円」を載せています。ビルでまとめて頼むか、テナントが自分で頼むかで、費用の出方が変わります。

白書によると、統括防災管理者を選任しなければならない防災管理対象物は全国に3,226件あり、全体についての消防計画を届け出ているのは2,552件(79.1%)です。権原が分かれているビルは、全体の計画づくりで遅れやすいことが数字から読み取れます。
報告に使う書類
| 書類 | 東京消防庁の様式番号 | 作る人 |
|---|---|---|
| 防災管理点検結果報告書 | 151-c | 管理権原者が出す |
| 防災管理点検票(その1~その3) | 151-f | 防災管理点検資格者が作る |

様式は地域で違うことがあります。川崎市は「防災管理点検結果報告書及び点検票については、一般財団法人日本消防設備安全センターのホームページからダウンロードできます。」と案内しています。報告書の控えは、施行規則51条の12第1項3号により防災管理維持台帳に綴じます。消防用設備等の報告書の出し方は消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方で詳しく書いていますが、防災管理点検の報告書は別の書類なので、様式を取り違えないようにしてください。
点検済の表示
点検で基準に適合していると認められた建物は、表示を付けることができます(8条の2の2第2項を36条で準用)。安全センターは「消防法令に適合している場合は、点検済証を1年間表示できます。」と説明しています。
| 場面 | 表示の名前 | 根拠 |
|---|---|---|
| 防災管理点検で基準に適合 | 防災基準点検済証 | 施行規則51条の15(別表第五) |
| 防災管理の特例認定 | 防災優良認定証 | 施行規則51条の17(別表第六) |
| 両方の点検で基準に適合 | 防火・防災基準点検済証 | 消防法36条4項・施行規則51条の18(別表第七) |
| 両方の特例認定 | 防火・防災優良認定証 | 消防法36条5項・施行規則51条の19(別表第八) |

表示は義務ではありません。宇都宮市は「「防災基準点検済証」の表示は任意であり、制度に該当しない建築物等もあるため、表示の有無が必ず防災に関する点検基準の適否を示すものではありません。」と書いています。一方で、基準に適合していないのに表示を付けたり、紛らわしい表示を付けたりすることは禁じられていて(8条の2の2第3項を準用)、違反すると罰則の対象です(消防法44条3号)。
特例認定(3年間の点検・報告の免除)
防災管理点検にも、防火対象物点検と同じ特例認定があります(8条の2の3を36条で準用)。東京消防庁は「特例認定制度は過去3年以内の点検結果が優良等の条件により、点検及び報告の義務を3年間免除することができるものです。」と説明しています。安全センターは「3年以内に限り点検及び報告義務が免除され、また、利用者に当該建物が消防法令に適合している旨の情報を提供するため、防災優良認定証を表示することができます。」としています。
| 認定の基準(東京消防庁の表記) | 条文の要点 |
|---|---|
| 管理を開始した時から3年が経過 | 管理を開始してから3年以上 |
| 過去3年以内において、命令を受けたことがない(又はされるべき事由がない) | 法5条1項、5条の2第1項、5条の3第1項、8条3項・4項、8条の2の5第3項、17条の4などの命令 |
| 過去3年以内において、防災管理の特例認定取り消しを受けていない | 取消しを受けていない |
| 過去3年以内において防災管理点検の未実施未報告・基準不適合がない | 報告をしなかった・虚偽の報告・基準不適合がない |
| 検査の結果、特例認定の基準(=防災管理の点検基準)に適合している | 施行規則51条の16(51条の14の基準に適合) |

認定は、管理権原者の申請にもとづいて消防長又は消防署長が検査して行います。命令の中に8条の2の5第3項(自衛消防組織の設置命令)が入っているので、自衛消防組織の不備で命令を受けると、特例の要件からも外れます。
特例が終わるとき
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 失効 | 認定を受けた日から3年を経過したとき |
| 失効 | 管理について権原を有する者が変わったとき(変わったときは届け出る) |
| 取消し | 偽りその他不正な手段で認定を受けた、命令を受けた、優良の基準に合わなくなった |

失効した日は、東京消防庁の説明では次の点検の基準日になります。ビルの売却やテナントの入れ替わりで管理権原者が変わると、その時点で特例は終わり、新しい管理権原者は点検と報告に戻ります。特例の手続きの細部は、防火対象物点検と共通なので防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定)も参考にしてください。
罰則
防災管理点検に関わる罰則は、消防法の41条、42条、44条、45条にあります。報告に関わるものは44条11号で、「第八条の二の二第一項(第三十六条第一項において準用する場合を含む。)…の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者」は「三十万円以下の罰金又は拘留」です。東京消防庁も「点検未報告者・虚偽報告者には罰則(30万円以下の罰金又は拘留)が適用される場合があります。」と書いています。
| 場面 | 条文 | 罰則 |
|---|---|---|
| 報告をしない・虚偽の報告 | 44条11号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 基準に適合していないのに表示を付けた等 | 44条3号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 防災管理者の選任の届出を怠った | 44条8号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 表示の除去等の命令に違反 | 44条17号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 防災管理者の選任命令(8条3項)に違反 | 42条1項1号 | 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 防災管理の業務の是正命令(8条4項)に違反 | 41条1項2号 | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |

45条3号により、44条の1号・3号・11号・12号・22号は、法人にも各本条の罰金刑が科されます(両罰)。選任届の44条8号は45条に入っていません。報告をしないことは会社としての責任にもなる、と覚えておいてください。
防災管理者(点検で最初に見られる人)
点検基準の1号は、防災管理者の選任と消防計画の届出です。防災管理者の資格は、消防法施行令47条が決めています。どの場合も「防災管理対象物において防災管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるもの」であることが前提です。
| 号 | 資格(原文の要点) |
|---|---|
| 令47条1号 | 令3条1項1号イ又はロの者(甲種防火管理講習の修了者など)で、防災管理対象物の防災管理に関する講習の課程を修了したもの |
| 令47条2号 | 令3条1項1号ロの者(大学・高専で防災の学科を修めて卒業した者)で、一年以上防災管理の実務経験を有するもの |
| 令47条3号 | 市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者 |
| 令47条4号 | 前三号に準ずる者(施行規則51条の5。防災管理点検資格者など) |

講習の時間は、施行規則51条の7が決めています。防災管理新規講習は「おおむね四時間三十分」、甲種防火管理新規講習とあわせて行うときは「おおむね十二時間」、防災管理再講習は「おおむね二時間」、甲種防火管理再講習とあわせると「おおむね三時間」です。受講料や申込み、選任届の書き方は防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届)で詳しく書いているので、そちらを見てください。
| 講習(施行規則51条の7) | 講習時間 |
|---|---|
| 防災管理新規講習 | おおむね4時間30分 |
| 甲種防火管理新規講習と防災管理新規講習をあわせて | おおむね12時間 |
| 防災管理再講習 | おおむね2時間 |
| 甲種防火管理再講習と防災管理再講習をあわせて | おおむね3時間 |
防災管理者がすること
令48条は、防災管理者に「防災管理に係る消防計画を作成し、所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。」とし、2項で「前項の消防計画に基づいて、当該防災管理対象物について避難の訓練の実施その他防災管理上必要な業務を行わなければならない。」としています。消防計画に書く項目は施行規則51条の8が決めていて、基本的な事項(自衛消防の組織、避難施設の維持管理、収容人員の適正化、教育、訓練、関係機関との連絡、訓練結果の検証と見直し)、地震の事項、特殊な災害の事項の3つのまとまりです。

| まとまり | 消防計画に書く事項(施行規則51条の8第1項の要点) |
|---|---|
| 1号 基本的な事項 | 自衛消防の組織/避難通路、避難口その他の避難施設の維持管理及びその案内/定員の遵守その他収容人員の適正化/防災管理上必要な教育/避難の訓練その他防災管理上必要な訓練の定期的な実施/関係機関との連絡/訓練の結果を踏まえた検証と見直し |
| 2号 地震 | 被害の想定と対策/自主検査/設備及び資機材の点検並びに整備/家具、じゅう器などの落下、転倒及び移動の防止/通報連絡、避難誘導、救出、救護その他の応急措置 |
| 3号 特殊な災害 | 発生時における通報連絡及び避難誘導/被害の軽減に関し必要な事項 |
この3つのまとまりが、そのまま東京消防庁の点検要領の点検項目になっています。消防計画に書いたことを実施して、防災管理維持台帳に記録する。点検はその確認です。
自衛消防組織(点検基準の2号)
防災管理点検の対象の建物は、自衛消防組織を置かなければならない建物と同じ範囲です(令46条・令4条の2の4)。自衛消防組織は消防法8条の2の5にもとづく組織で、令4条の2の7は業務を「火災の初期の段階における消火活動、消防機関への通報、在館者が避難する際の誘導その他の火災の被害の軽減のために必要な業務」としています。36条7項により、防災管理対象物では「火災その他の災害の被害の軽減のために必要な業務」を行います。
令4条の2の8は、自衛消防組織に統括管理者と自衛消防要員を置くとしています。要員は、施行規則4条の2の11が、業務ごとに「それぞれおおむね二人以上の要員を置かなければならない。」と決めています。
| 号 | 業務(施行規則4条の2の11) | 要員 |
|---|---|---|
| 1号 | 火災の初期の段階における消火活動に関する業務 | おおむね2人以上 |
| 2号 | 情報の収集及び伝達並びに消防用設備等その他の設備の監視に関する業務 | おおむね2人以上 |
| 3号 | 在館者が避難する際の誘導に関する業務 | おおむね2人以上 |
| 4号 | 在館者の救出及び救護に関する業務 | おおむね2人以上 |

統括管理者は、講習の課程を修了した者などから充てます(令4条の2の8第3項)。自衛消防業務新規講習は「おおむね十二時間」、再講習は「おおむね四時間」です(施行規則4条の2の14)。安全センターの自衛消防業務の講習料は、新規講習A区分40,700円、B区分38,500円、再講習23,300円です(令和6年4月1日現在・消費税込)。
東京都内では、これとは別に、東京都の火災予防条例で決められた自衛消防活動中核要員と防災センター要員に、自衛消防技術認定証が必要です。根拠も試験も別の制度なので、自衛消防技術試験とは(東京都の条例の試験・認定証が必要な建物と人数)で分けて書いています。
| 項目 | 中身 | 出典 |
|---|---|---|
| 置く人 | 管理権原者。権原を有する者が複数あるときは共同して置く | 令4条の2の5 |
| 届出 | 「遅滞なく」届け出る。変更したときも同じ。統括管理者の資格を証する書面を添える | 法8条の2の5第2項・施行規則4条の2の15 |
| 届出の事項 | 権原者の氏名と住所、建物の所在地・用途・延べ面積・階数、権原の範囲、内部組織の編成と要員の配置、統括管理者の氏名と住所、資機材 | 施行規則4条の2の15 |
| 統括管理者の講習 | 新規おおむね12時間、再講習おおむね4時間 | 施行規則4条の2の14 |
| 命令 | 消防長・消防署長の設置命令 | 法8条の2の5第3項 |

罰則について調べた範囲を書いておきます。2026年9月26日にe-Govの消防法の本文を検索したところ、8条の2の5が出てくるのは5条の2(使用禁止等の命令)、8条の2の3(特例の要件の命令)、8条の2の5、36条だけで、罰則の条文で8条の2の5を直接引いたものは見当たりませんでした。ただし、設置命令(8条の2の5第3項)を受けると特例認定の要件から外れ、5条の2の使用禁止等の命令の対象にもなりえます。点検では2号の基準で届出が確認されるので、届出の漏れは点検の不適合として表に出ます。
費用 → 業者4社の公開料金(2026年9月26日取得)
防災管理点検の料金には、公的な基準額がありません。ここでは、料金をサイトに載せている4社の金額を、2026年9月26日に取得した原文のまま載せます。どの会社も推薦ではなく、4社の金額から平均や相場は作っていません。料金は変わることがあるので、依頼する前に各社で確かめてください。
| 会社 | 料金の載せ方 | URL・取得日 |
|---|---|---|
| 株式会社セイフティージャパン | 点検対象面積別。防火・防災の両方と、防火のみ又は防災のみ | https://www.safety-japan.com/menu(2026年9月26日取得) |
| 光栄テクノサービス株式会社 | 基本料金+延べ床面積+管理権原者数(ビル全体)/基本料金+専有面積(テナント単体) | https://www.koei-tec.jp/service/bousai/(2026年9月26日取得) |
| 合同会社防災サポート | 基本料金+件数+床面積の計算式 | https://sapo.co.jp/service.html(2026年9月26日取得) |
| ビューローベリタスジャパン株式会社 | 価格表(例)。1㎡~50㎡の区分 | https://www.buil-repo.com/fireserviceact/price/(2026年9月26日取得) |

株式会社セイフティージャパン
見出しは「防火対象物・防災管理点検料金表」で、「※下記はあくまで目安です。依頼件数や点検場所の距離などにより、点検料金を御社と協議致しますので、御連絡下さい。」と書かれています。
| 点検対象面積 ㎡ | 防火・防災 | 防火のみ又は防災のみ | 諸経費(交通費等) |
|---|---|---|---|
| ~50 | 24,000(税込26,400) | 16,000(税込17,600) | 5,000(税込5,500) |
| ~100(約30坪) | 26,000(税込28,600) | 21,000(税込23,100) | 5,000(税込5,500) |
| ~500(約150坪) | 40,000(税込44,000) | 30,000(税込33,000) | 5,000(税込5,500) |
| ~1,000(約300坪) | 56,000(税込61,600) | 45,000(税込49,500) | 5,000(税込5,500) |
| ~5,000 | 102,000(税込112,200) | 54,000(税込59,400) | 5,000(税込5,500) |
| ~10,000 | 156,000(税込171,600) | 74,000(税込81,400) | 5,000(税込5,500) |
| 10,000以上 | 別途算出 |

注記は「※弊社より30K圏外につきましては、諸経費が割増となります。」「※概算金額となりますので、正式なお見積りは追って連絡させて頂きます。」です。出典 → https://www.safety-japan.com/menu(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)
光栄テクノサービス株式会社
ビル全体を点検する場合と、テナントが単体で点検する場合を分けて載せています。
| ビル全体を点検する場合 | 料金 |
|---|---|
| 基本料金 一式 | 30,000円 |
| 延べ床面積 10,000㎡未満 | 30,000円 |
| 10,000㎡ ~20,000㎡ | 40,000円 |
| 20,001㎡ ~50,000㎡ | 50,000円 |
| 50,001㎡ ~ | 要相談(現場調査又は点検表の確認) |
| 管理権原者数(点検票作成数) | 1テナント 20,000円 |
| 交通費(駐車場代) | 実費 |
| 諸経費 | 合計の5% |
| テナント様単体を点検する場合(専有している面積) | 料金 |
|---|---|
| 基本料金 一式 | 10,000円 |
| ~100㎡ | 15,000円 |
| 101㎡~300㎡ | 20,000円 |
| 301㎡ ~500㎡ | 25,000円 |
| 501㎡ ~ | 要相談 |
| 交通費 | 実費 |
| 諸経費 | 合計の5% |

備考には「上記金額は消費税抜の価格表示です。」「上記金額は1回分の基準料金です。」「点検の実施日が休日・祭日・夜間等の場合は、相互協議のうえ割増料金を頂きます。」「宿泊費、日当は実費加算となります。」「点検確認に必要な書類(消防計画等)の作成は含みません。」「概算金額になるので、正式なお見積もりは書類確認または現場調査が必要です。」とあります。出典 → https://www.koei-tec.jp/service/bousai/(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)
合同会社防災サポート
防火対象物点検と防災管理点検をあわせたプランと、防火対象物点検だけのプランを計算式で載せています。
| プラン | 基本料金 | 点検費用(①+②) | 交通費 |
|---|---|---|---|
| 防火対象物点検・防災管理点検プラン | 12,000円 | ①18,000×点検件数 ②30円×点検床面積(㎡) ※500㎡を超える部分は2円×点検床面積(㎡) | 実費 |
| 防火対象物点検プラン(比較) | 10,000円 | ①15,000円×点検件数 ②25円×点検床面積(㎡) ※500㎡を超える部分は1円×点検床面積(㎡) | 実費 |
「※上記はすべて税別です。」「※上記の金額は概算金額でございます。」と書かれています。出典 → https://sapo.co.jp/service.html(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)
ビューローベリタスジャパン株式会社
「防火対象物・防災管理点検価格表(例)」として、1㎡ ~ 50㎡の区分で、防火対象物点検 16,500円(税抜 15,000円)、防災管理点検 16,500円(税抜 15,000円)を載せています。50㎡ ~は別途お見積です。出典 → https://www.buil-repo.com/fireserviceact/price/(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)

4社の料金を読むときの注意
防災管理点検の対象は延べ面積1万㎡以上などの大規模な建物です。それに対して、セイフティージャパン、防災サポート、ビューローベリタスの小さい面積の区分は、大規模なビルに入っているテナントが自分の占有部分だけを点検してもらう場面の料金と読めます。光栄テクノサービスは、ビル全体とテナント単体を分けて載せています。これはこの記事の読み方で、各社の説明ではありません。
| 比べるところ | 4社の載せ方の違い |
|---|---|
| 税の表示 | セイフティージャパンは税抜と税込の両方、光栄テクノサービスは消費税抜、防災サポートは税別、ビューローベリタスは税込と税抜の両方 |
| 防火と防災をまとめた料金 | セイフティージャパンと防災サポートは別に載せている。ビューローベリタスは防火対象物点検と防災管理点検を別々に載せている |
| テナントごとの加算 | 光栄テクノサービスは点検票作成数(1テナント 20,000円)、防災サポートは点検件数 |
| 交通費・諸経費 | セイフティージャパンは諸経費5,000円、光栄テクノサービスは交通費実費と諸経費合計の5%、防災サポートは交通費実費 |
| 書類の作成 | 光栄テクノサービスは「点検確認に必要な書類(消防計画等)の作成は含みません。」 |

業者を探すときは、安全センターの防火対象物点検・防災管理点検の事業者名簿が手がかりになります。消防設備点検の業者の探し方と見積もりの見方は消防設備点検の費用と業者の探し方にもまとめています。
点検を頼む前にそろえるもの
点検では、届出の写しと防災管理維持台帳が確認されます。頼む前に、次の書類がそろっているかを見ておくと、当日の指摘を減らせます。
| 書類 | 根拠 | 無いときにすること |
|---|---|---|
| 防災管理者の選任届の控え | 施行規則51条の9・51条の14第1号 | 選任して届け出る(防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届)) |
| 防災管理に係る消防計画と作成届の控え | 施行規則51条の8・51条の14第1号 | 消防計画を作って届け出る |
| 自衛消防組織の設置届の控え | 法8条の2の5第2項・施行規則51条の14第2号 | 設置して届け出る。統括管理者の資格を証する書面を添える |
| 訓練・教育の実施記録 | 施行規則51条の12第1項6号ハ・ニ | 年1回以上の避難訓練を行い、記録を綴じる |
| 地震の自主検査・備品の固定の記録 | 施行規則51条の12第1項6号ホ・ヘ・ト | 自主検査と固定の措置を行い、記録を綴じる |
| 前回の点検結果報告書の控え | 施行規則51条の12第1項3号 | 消防署に控えがあるか確かめる |

人事異動で防災管理者や統括管理者が替わったのに届出を出していない、というのは、点検要領が「届出されている防災管理者が人事異動等により異動していないか」を確かめる項目を置いているとおり、見られやすいところです。点検の前に、今の担当者と届出の名前が合っているかを確かめてください。
大規模なビルで毎年並ぶ点検
防災管理点検の対象になるような大規模なビルでは、ほかにも法律で決まった点検や検査が毎年並びます。根拠の法律も、する人も、出し先も違うので、年間の予定表に並べておくと抜けを防げます。
| 点検・検査 | 根拠 | 周期の目安 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 防災管理点検 | 消防法36条 | 1年に1回 | この記事 |
| 防火対象物点検 | 消防法8条の2の2 | 1年に1回 | 防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定) |
| 消防設備点検 | 消防法17条の3の3 | 6か月ごとに点検 | 消防設備点検とは(義務・頻度・報告・費用) |
| 防火設備定期検査 | 建築基準法12条3項 | 毎年(東京都) | 防火設備定期検査とは |
| 特定建築物の定期調査 | 建築基準法12条1項 | 特定行政庁が決める | 建築基準法12条点検(定期報告)とは |

このほか、受水槽がある建物は貯水槽(受水槽)の清掃は義務?、連結送水管がある建物は連結送水管の耐圧試験とはも関わります。消防設備点検の報告書は消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方の手順で出します。
よくある質問
防火対象物点検をやっていれば、防災管理点検は要らない?
要ります。2つは別の点検で、根拠(防火対象物点検は消防法8条の2の2、防災管理点検は36条)も、点検する資格者も、報告書も別です。両方が対象の建物では、両方の点検で基準に適合したときに限って「防火・防災基準点検済証」をまとめて表示できます。
事務所だけのビルでも対象になる?
なります。オフィスは別表第一の(十五)項「前各項に該当しない事業場」で、令4条の2の4第1号の用途に入っています。地階を除く階数が11以上で延べ面積1万㎡以上などの規模なら対象です。一方、(十五)項は防火対象物点検の用途(令4条の2の2)には入っていません。
大きなタワーマンションは対象?
共同住宅だけの建物は対象外です。宇都宮市は「共同住宅等(5項ロ),格納庫等(13項ロ),倉庫(14項)は含まれません。」としています。複合用途の建物では、共同住宅の部分は対象用途の床面積に数えません。
テナントも報告を出す必要がある?
東京消防庁は、点検報告の義務のある人を「点検が必要な対象物の各管理権原者です。」としています。テナントは自分が管理している部分について報告します。点検の基準日も、テナントとして入居し管理を開始した日です。
点検は毎年いつまでにやればいい?
1年に1回です。東京消防庁は基準日を「管理を開始した日」とし、平成21年6月1日以前から管理している場合は平成21年6月1日を基準日にしています。報告の具体的な時期の扱いは消防本部ごとに違うことがあるので、管轄の消防署に確かめてください。
防災管理点検資格者はどうやってなる?
施行規則51条の12第3項の7つの要件(防災管理者3年以上、消防職員、防火対象物点検資格者で点検3年以上など)のいずれかに当たる人が、安全センターの講習を修了して免状の交付を受けます。受講料はA区分20,100円、B区分18,900円です(令和6年4月1日現在・消費税込)。
特例認定を受けたら、何もしなくていい?
点検と報告が3年間免除されますが、防災管理の業務そのもの(消防計画、訓練、自衛消防組織など)は続けます。認定から3年たつか、管理権原者が変わると特例は終わり、失効した日が次の点検の基準日になります。
報告しないとどうなる?
消防法44条11号で「三十万円以下の罰金又は拘留」です。45条3号で法人にも罰金刑が科されます。また、過去3年以内に報告をしなかったことがあると、特例認定の要件を満たせなくなります。
全国でどれくらいのビルが報告している?
防災管理対象物は令和7年3月31日現在で全国に1万173件です(令和7年版消防白書)。防災管理点検を報告している割合は、白書の防災管理制度の節に載っておらず、取得できませんでした。
困ったときの窓口
| 聞きたいこと | 窓口 |
|---|---|
| 自分のビルが対象か、報告の時期と出し方 | 建物を管轄する消防署(東京消防庁は東京消防庁 防災管理点検報告制度(概要)) |
| 点検の項目と判定の方法 | 東京消防庁 防災管理点検要領(PDF) |
| 防災管理点検資格者の講習・再講習 | 日本消防設備安全センター 防災管理点検資格者講習 |
| 制度の説明と点検報告の流れ | 日本消防設備安全センター 防災管理定期点検報告 |
| 点検を頼む業者 | 日本消防設備安全センター 防火対象物点検・防災管理点検事業者名簿、または複数社から見積もり |
| 防災管理者の講習と選任届 | 防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届) |
| 防火対象物点検の対象と特例 | 防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定) |
まとめ

防災管理点検は、消防法36条で火災の仕組みを地震と特殊な災害に読み替えた点検です。対象は、施行令46条から4条の2の4につながる大規模な建物で、地階を除く階数が11以上なら延べ面積1万㎡以上、5以上10以下なら2万㎡以上、4以下なら5万㎡以上、地下街は1,000㎡以上です。自衛消防組織を置く建物と同じ範囲で、事務所だけのビルも対象になる一方、共同住宅や倉庫は外れます。
点検は1年に1回、防災管理点検資格者がして、各管理権原者が消防長又は消防署長に報告します。見られるのは、防災管理者と消防計画と自衛消防組織の届出、消防計画どおりの訓練や教育、地震の被害想定や自主検査や備品の固定、避難施設の管理です。その記録を綴じた防災管理維持台帳が、点検の土台になります。防火対象物点検とは資格者も報告書も別で、両方が対象なら同じ日に頼むと表示の期限がそろいます。
優良と認められれば3年間は点検と報告が免除され、報告しなければ30万円以下の罰金又は拘留です。料金は業者によって載せ方が違い、ビル全体かテナント単体か、防火とまとめるか、点検票の数、交通費と諸経費で差が出ます。この記事の4社の金額は2026年9月26日に取得した各社の価格で、推薦でも相場でもありません。細部は、管轄の消防署と点検を頼む会社に確かめてください。
この記事で使った一次情報
消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
東京消防庁 防災管理点検報告制度(概要)
東京消防庁 防災管理点検要領(PDF)
消防白書 令和7年版 4.防災管理制度
消防白書 令和7年版 3.防火管理制度
日本消防設備安全センター 防災管理定期点検報告
同 防災管理点検資格者講習
同 消防防災関係資格者講習の受講料及び手数料(PDF)
同 講習事務規程(PDF)
同 防災管理点検資格者講習実施状況(PDF)
同 防災管理点検資格者再講習実施状況(PDF)
同 防災管理点検資格者再講習のご案内
同 防火対象物点検・防災管理点検事業者名簿
同 リーフレット 防災管理定期点検報告が義務化されました(PDF)
宇都宮市 防災管理点検報告制度
川崎市 防災管理点検報告制度のご案内




