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  3. 誘導灯の交換|本体とバッテリーの交換時期、点検で交換になる基準、点滅の見方、バッテリー交換の資格、LED化と配置のルール、業者6社の料金、非常灯との違い【2026年版・条文つき】

誘導灯の交換|本体とバッテリーの交換時期、点検で交換になる基準、点滅の見方、バッテリー交換の資格、LED化と配置のルール、業者6社の料金、非常灯との違い【2026年版・条文つき】

2026 9/26
改修・交換工事
2026年9月26日
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誘導灯の交換|本体とバッテリーの交換時期、点検で交換になる基準、点滅の見方、バッテリー交換の資格、LED化と配置のルール、業者6社の料金、非常灯との違い【2026年版・条文つき】

この記事の情報

法令(e-Gov)、消防庁の告示と点検要領、日本照明工業会、日本消防設備安全センターのページは、2026年9月26日に原文を取得して確認しました。条文や数字は原文どおりに引用し、見つからなかったものは「取得できず」と書いています。業者の料金は各社のサイトに載っている金額をそのまま載せたもので、推薦でも相場でもありません。建物ごとの最終的な判断は、管轄の消防署に確認してください。

ビルや店舗、事務所の誘導灯について、点検の業者から「バッテリーが寿命です」「本体の交換をおすすめします」と言われた、緑の表示が点滅している、器具の横の小さなランプが消えている。そんなとき、本当に交換が要るのか、何年で替えるものなのか、バッテリーは自分で替えてよいのか、いくらかかるのかで迷います。

この記事では、誘導灯を置く義務がある建物の管理者の立場で、交換の判断に要ることを順番に並べます。設置の義務、本体・バッテリー・ランプ・表示板の交換の目安、点検で交換になる基準、点滅とランプの見方、バッテリー交換と点検に要る資格、LEDの器具に替えるときの決まり、届出、業者6社の公開料金、非常用照明(非常灯)との違い、罰則です。条文や公的な資料は原文をそのまま引き、原文で確かめられなかったことは「取得できず」「確認できず」と書きます。

事務所の廊下の突き当たりの壁に、緑色に光る誘導灯が付いている
事務所の廊下に付いた誘導灯(イメージ)
目次
点検の義務と費用の相場をLINEで受け取る。受け取れる情報を見る

先に結論

知りたいこと答え根拠
本体の交換の目安8~10年。耐用の限度は電池内蔵形12年、電源別置形15年日本照明工業会
バッテリーの目安4~6年。点検で規定の時間、非常点灯しなければ交換日本照明工業会/点検要領 第16
表示板の目安6~10年。緑が青に、白が茶に変色したら速やかにパネルを交換日本照明工業会/点検要領 第16
何年で交換と決めた条文今回読んだ法令・告示・点検要領の範囲では見つけていない消防法・施行令・施行規則・告示
点検で交換になるもの変形・損傷・変色、バッテリーの腐食や液漏れ、定格の時間(原則20分間)非常点灯しないもの点検要領 第16/規則28条の3
バッテリー交換に消防設備士は要るか消防設備士でなければできない工事・整備に誘導灯は入っていない消防法17条の5/施行令36条の2
電気工事士は要るか蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事は電気工事から除かれた軽微な工事。本体交換は配線の作業を含むので電気工事士がいる業者へ電気工事士法2条3項/同法施行令1条2号
誰が点検するか延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などは消防設備士等。誘導灯は電気工事士などの免状も要る施行令36条2項/告示10号
LEDに替えるとき区分(A級・B級・C級)と有効範囲、非常電源の時間、認定の表示を確かめる規則28条の3/告示第2号
費用業者6社の公開料金を原文で載せる。平均や相場は作らない各社の料金ページ
非常灯との違い誘導灯は消防法、非常用の照明装置は建築基準法施行令26条/建築基準法施行令126条の4
誘導灯の交換の要点。本体は8~10年、バッテリーは4~6年、表示板は6~10年が目安。点検で定格の時間(原則20分間)非常点灯しなければバッテリー交換。バッテリー交換は消防設備士の独占ではないが、点検は延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などで消防設備士等
交換の要点(出典 日本照明工業会/点検要領 第16/消防法施行令36条・36条の2)

誘導灯を置く義務がある建物

交換の話の前に、誘導灯が法律で置く義務のある設備かどうかを確かめます。義務のある建物では、誘導灯は消防用設備等の一つとして点検と報告の対象になり、交換の判断も点検の基準に沿って決まります。義務は消防法施行令26条1項に書かれていて、書き出しは「誘導灯及び誘導標識は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める防火対象物又はその部分に設置するものとする。」です。

号種類置く建物(条文の要約)
1号避難口誘導灯別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項、(十六)項イ、(十六の二)項、(十六の三)項は建物全体。(五)項ロ、(七)項、(八)項、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロは地階、無窓階及び11階以上の部分
2号通路誘導灯1号と同じ
3号客席誘導灯(一)項(劇場・映画館など)と、複合用途の建物の(一)項の用途の部分
4号誘導標識(一)項から(十六)項まで

別表第一の(一)項は劇場や集会場、(二)項はキャバレーや遊技場、(三)項は飲食店、(四)項は百貨店や物品販売店舗、(五)項イは旅館・ホテル、(六)項は病院や老人ホーム、(九)項は公衆浴場、(十六)項イは特定用途を含む複合用途の建物です。事務所((十五)項)や共同住宅((五)項ロ)、工場((十二)項)は、地階、無窓階、11階以上の部分だけが対象です。

誘導灯を置く建物(消防法施行令26条1項)。避難口誘導灯と通路誘導灯は、飲食店、物品販売店舗、ホテル、病院、特定用途を含む複合用途の建物などは建物全体。事務所、共同住宅、工場などは地階、無窓階、11階以上の部分。客席誘導灯は劇場など。誘導標識は(一)項から(十六)項まで
誘導灯を置く建物(出典 消防法施行令26条1項)

誘導灯の決まり(施行令26条2項)

号条文(原文)
1号避難口誘導灯は、避難口である旨を表示した緑色の灯火とし、防火対象物又はその部分の避難口に、避難上有効なものとなるように設けること。
2号通路誘導灯は、避難の方向を明示した緑色の灯火とし、防火対象物又はその部分の廊下、階段、通路その他避難上の設備がある場所に、避難上有効なものとなるように設けること。
3号客席誘導灯は、客席に、総務省令で定めるところにより計つた客席の照度が〇・二ルクス以上となるように設けること。
4号誘導灯には、非常電源を附置すること。
5号誘導標識は、避難口である旨又は避難の方向を明示した緑色の標識とし、多数の者の目に触れやすい箇所に、避難上有効なものとなるように設けること。

交換で大事なのは4号の「非常電源を附置すること」です。停電しても点灯を続けるための電源で、多くの誘導灯は器具の中にバッテリー(蓄電池)を内蔵しています。このバッテリーが古くなって決められた時間点灯できなくなると、非常電源の基準を満たさなくなります。バッテリー交換の相談が多いのはこのためです。

誘導灯の決まり(消防法施行令26条2項)。避難口誘導灯は避難口である旨を表示した緑色の灯火、通路誘導灯は避難の方向を明示した緑色の灯火、客席誘導灯は客席の照度0.2ルクス以上、誘導灯には非常電源を附置、誘導標識は緑色の標識
誘導灯の決まり(出典 消防法施行令26条2項)

置かなくてよい部分(施行規則28条の2)

26条1項のただし書で、避難が容易な部分は置かなくてよいとされ、中身は消防法施行規則28条の2に書かれています。避難口誘導灯についての主なものは次のとおりです。

号置かなくてよい部分(要約)歩行距離
1号居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができる階避難階は20m以下、避難階以外の階は10m以下
2号劇場などの避難階(床面積500㎡以下、客席の床面積150㎡以下)で、客席避難口が2以上あり、見とおせて、照明装置があるもの客席の各部分から20m以下
3号避難階にある居室で、避難口を容易に見とおせて、蓄光式誘導標識が設けられているもの30m以下

店舗の改装で間仕切りを増やすと、見とおせなくなってこの条件から外れることがあります。誘導灯を外したり、付け替えたりする前に、今の間取りで置かなくてよい部分に当たるかを確かめてください。

誘導灯を置かなくてよい部分(消防法施行規則28条の2)。見とおせて識別できる階で、主要な避難口までの歩行距離が避難階20m以下、避難階以外10m以下。避難階の居室で避難口まで30m以下かつ蓄光式誘導標識あり。間仕切りを増やすと外れることがある
置かなくてよい部分(出典 消防法施行規則28条の2)

誘導灯の交換の目安(本体・バッテリー・ランプ・表示板)

誘導灯の交換の目安は、照明器具のメーカーでつくる日本照明工業会が公表しています。同会は「器具本体は8~10年での交換が目安です。」とし、「適正交換時期を過ぎた器具は、万一の劣化によるトラブルを考慮して、 早めの点検や交換をおすすめします。」と書いています。

器具の種類適正交換時期耐用の限度
電池内蔵形8~10年12年
電源別置形8~10年15年
専用形8~10年15年

表の注は「※専用形とは電池内蔵形器具で、常時消灯・非常時点灯の器具を指します。(一社)日本照明器具工業会ガイド108-2003」です。店舗やビルでよく見る、器具の中にバッテリーがある誘導灯は電池内蔵形で、耐用の限度は12年です。なお、このページには「掲載されている内容は2008年1月現在の情報です。」と書かれています(表の中には2025年4月以降の行もあります)。

誘導灯本体の交換の目安(日本照明工業会)。適正交換時期は電池内蔵形・電源別置形・専用形とも8~10年。耐用の限度は電池内蔵形12年、電源別置形15年、専用形15年
本体の交換の目安(出典 日本照明工業会 防災照明器具の耐用年数、交換部品の寿命)

部品ごとの交換の目安

部品交換時期の目安(原文)補足(原文)
バッテリー交換時期の目安4~6年点検時に規定の時間、非常点灯しないバッテリーは速やかに交換してください。
誘導灯表示板交換時期の目安6~10年表示板は使用中に変色して劣化することがありますので、速やかな交換をお願いします。
直管形蛍光ランプ1年~2年ランプの交換時期は、それぞれ使用するランプの点灯時間により判断する必要があります。
コンパクト形蛍光ランプ約半年~1年同上
LED光源メーカーの公表値による

本体より先に寿命がくるのがバッテリーです。本体の目安が8~10年なのに対して、バッテリーは4~6年なので、本体を替えるまでの間に一度はバッテリー交換の話が出るのが普通です。蛍光ランプの誘導灯はランプの交換も1年~2年ごとに要ります。LEDの誘導灯は、ランプの寿命はメーカーの公表値によるとされています。

部品ごとの交換の目安(日本照明工業会)。バッテリー4~6年、誘導灯表示板6~10年、直管形蛍光ランプ1年~2年、コンパクト形蛍光ランプ約半年~1年、LED光源はメーカーの公表値による
部品の交換の目安(出典 日本照明工業会)

認定マークの色で製造時期がわかる

誘導灯には、認定を受けた器具であることを示すマーク(認定証票)が貼られています。日本照明工業会は「誘導灯の場合 認定マークの色で、交換時期の目安がわかります。」として、色と製造時期の対応を載せています。

認定マークの色製造年月日対策(原文)
青色1996年4月~2002年3月器具の交換をおすすめします。
青色2002年4月~2005年8月点検し、不具合が見つかれば、部品交換※、器具交換をしてください。
緑色2005年2月~2011年3月同上
黒色2011年4月~2013年3月同上
黒色2013年4月~2018年3月同上
青色2018年4月~2025年3月同上
青色2025年4月~同上

※の部品は「ランプ、蓄電池、誘導灯表示板を指します。」とされています。青色は時期によって3回出てくるので、色だけで決めずに、器具に書かれた製造年も見てください。表の期間は原文のままで、2005年の行は重なっています。

認定マークの色と製造時期(日本照明工業会)。青色1996年4月~2002年3月は器具の交換をおすすめ。青色2002年4月~2005年8月、緑色2005年2月~2011年3月、黒色2011年4月~2018年3月、青色2018年4月以降は点検し不具合があれば部品交換か器具交換。青色は3つの時期にあるので製造年も確認
認定マークの色(出典 日本照明工業会)

製造年は器具の表示で確かめる

製造年は器具に書かれています。誘導灯及び誘導標識の基準(平成11年消防庁告示第2号)の第六は、誘導灯には次の事項を「その見やすい箇所に容易に消えないように表示するものとする。」としています。

番号表示する事項(原文)
一製造者名又は商標
二製造年
三種類
四蓄電池設備を内蔵するものにあっては、その旨
五連続非常点灯可能時間が六十分以上のものにあっては、その旨

交換の見積もりを取るときは、この表示を写真に撮って業者に送ると話が早くなります。五の「六十分以上」の表示は、あとで説明する60分間の非常電源が要る建物かどうかに関わります。

誘導灯及び誘導標識の基準(平成11年消防庁告示第2号)の第六 表示の原文。製造者名又は商標、製造年、種類、蓄電池設備を内蔵するものはその旨、連続非常点灯可能時間が六十分以上のものはその旨
告示第2号 第六 表示の原文(出典 消防庁 誘導灯及び誘導標識の基準)

法令に「何年で交換」という決まりはあるか

今回読んだ消防法、同法施行令、同法施行規則、誘導灯の告示、点検要領の範囲では、誘導灯を何年で交換しなければならないと定めた条文は見つけていません。法令が求めているのは、基準どおりに設置し、維持することです(消防法17条1項)。点検で基準に合わないと分かったら直す、というのが法令上の流れで、年数の目安は日本照明工業会のものです。

ただし日本照明工業会は、点検とは別に「●劣化進行による不意の機能不良を避けるために法定点検とは別に 1 回/年の劣化診断をおすすめ致します。」としています。点検は点検の日に機能があったことを確かめるもので、次の点検まで持つかは分からないからです。

法令と目安の関係。法令が求めるのは基準どおりに設置し維持すること(消防法17条1項)。何年で交換と定めた条文は今回の範囲では見つけていない。年数の目安は日本照明工業会(本体8~10年、バッテリー4~6年、表示板6~10年)。工業会は法定点検とは別に1回/年の劣化診断をすすめている
法令と目安(出典 消防法17条1項/日本照明工業会)

劣化診断チェックシート

日本照明工業会の劣化診断チェックシート(簡易版)は、管理者が自分で見られる項目を3段階に分けています。

段階チェック項目(原文の要約)処置(原文)
器具の交換使用期間は15年以上/こげたような臭い/発煙、油漏れなどの形跡/電線類にひび割れ・芯線露出/配線部品などに変形・ひび割れ・ガタツキ・破損器具の交換をしてください。
交換か専門家使用期間は8年以上/ランプが極端に早く寿命・黒化/ランプモニタ(赤色 LED)が点滅または点灯/充電モニタ(緑色 LED)が点灯していない/ここ2,3年、故障による交換台数が増えている/汚れが取れない・変色/点検スイッチを操作しても非常点灯に切り替わらない/塗装面のふくれ・さび新しい器具に交換するか、もしくは専門家にご相談ください。
部品交換表示板の絵や矢印が判別しにくい/表示板に著しい変色(黄変や緑地部分の脱色)/蓄電池(バッテリー)に白い粉/蓄電池の使用期間は6年以上/ランプの端部が極端に黒化/グロースタータが点滅を繰り返す新しい部品に交換をしてください。
劣化診断チェックシート(日本照明工業会)の3段階。器具の交換は使用期間15年以上、こげた臭い、発煙や油漏れ、電線のひび割れ。交換か専門家は使用期間8年以上、充電モニタが点灯しない、点検スイッチで非常点灯に切り替わらない。部品交換は表示板の変色、バッテリーに白い粉、バッテリーの使用期間6年以上
劣化診断の3段階(出典 日本照明工業会 劣化診断チェックシート)
日本照明工業会の劣化診断チェックシート(誘導灯・非常用照明器具)簡易版の実物。法定点検とは別に1回/年の劣化診断をすすめ、使用期間15年以上は器具の交換、8年以上は交換か専門家に相談とする
劣化診断チェックシートの実物(出典 日本照明工業会)

点検で交換になる基準(点検要領 第16)

法令上、交換につながるのは点検です。誘導灯の点検の周期は平成16年消防庁告示第9号で、誘導灯と誘導標識は機器点検が6か月ごと、総合点検は定めがありません。点検の結果は、特定防火対象物は1年に1回、その他は3年に1回、消防署に報告します(規則31条の6第3項)。

項目誘導灯・誘導標識根拠
機器点検6か月ごと告示9号
総合点検定めなし告示9号
報告(特定防火対象物)1年に1回規則31条の6第3項1号
報告(その他)3年に1回規則31条の6第3項2号

誘導灯には総合点検がないので、非常点灯の確認も6か月ごとの機器点検の中で行います。点検の全体の流れは消防設備点検とは(義務・頻度・報告・費用)、報告書の出し方は消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方にまとめています。

誘導灯の点検の周期。機器点検は6か月ごと、総合点検は定めなし(告示9号)。報告は特定防火対象物1年に1回、その他3年に1回(規則31条の6第3項)。非常点灯の確認も機器点検の中で行う
点検と報告の周期(出典 平成16年消防庁告示第9号/消防法施行規則31条の6)

点検要領が決めている判定

点検のやり方と判定は、消防庁の点検要領 第16 誘導灯及び誘導標識(PDF)に書かれています。交換につながる項目を原文のまま抜き出します。

点検項目判定方法(原文)
外箱及び表示面の外形ア 変形、損傷、変色、脱落、著しい汚損等がないこと。イ 取付状態が適正であること。
同(留意事項)※表面の緑色が青色に、白色が茶色等に変色している場合は速やかにパネルを交換する。
非常電源(内蔵型)の外形ア 変形、損傷、著しい腐食、き裂等がないこと。イ 電解液等の漏れがなく、リード線の接続部等に腐食がないこと。
非常電源の表示所定の電圧値及び容量の表示がされていること。
非常電源の機能ア 不点灯、ちらつき等がないこと。イ 定格の時間、非常点灯するかを確認する。
光源ア 汚損、著しい劣化、ちらつき、自動点検機能による表示ランプ等の異常表示等がなく、正常に点灯していること。イ 誘導灯内の配線等により表示面に影が生じていないこと。
点検スイッチイ 常用電源を遮断したときに自動的に非常電源に切り替わり、即時点灯し、復旧時に自動的に常用電源に切り替わること。
ヒューズ類ア 損傷、溶断等がないこと。イ 回路図等に示された所定の種類及び容量のものが設けられていること。
結線接続断線、端子の緩み、脱落、損傷等がないこと。
点検要領 第16の外箱と表示面の判定。変形、損傷、変色、脱落、著しい汚損がないこと。表面の緑色が青色に、白色が茶色等に変色している場合は速やかにパネルを交換する。光源は汚損、著しい劣化、ちらつきがないこと
外箱・表示面・光源の判定(出典 消防庁 点検要領 第16)
点検要領 第16の非常電源(内蔵型)の判定。外形は変形、損傷、著しい腐食、き裂がないこと、電解液の漏れやリード線の接続部の腐食がないこと。表示は所定の電圧値及び容量。機能は不点灯やちらつきがなく、定格の時間、非常点灯すること
非常電源(バッテリー)の判定(出典 消防庁 点検要領 第16)
消防庁 点検要領 第16 誘導灯及び誘導標識の1ページ目の実物。外形の留意事項に、表面の緑色が青色に、白色が茶色等に変色している場合は速やかにパネルを交換すると書かれている
点検要領 第16の実物(出典 消防庁 点検要領 第16 誘導灯及び誘導標識)

表示面の変色は「速やかにパネルを交換」

点検要領の中で「交換」という言葉がはっきり出てくるのは、表示面の変色です。緑色が青っぽく、白色が茶色っぽくなっていたら、表示板(パネル)の交換です。日本照明工業会の劣化診断でも「表示板に著しい変色(黄変や緑地部分の脱色)がある。」は部品交換の項目です。表示板だけを替えられるかは器具によるので、取扱説明書か業者に確かめてください。

表示面の変色はパネル交換。点検要領は表面の緑色が青色に、白色が茶色等に変色している場合は速やかにパネルを交換するとしている。日本照明工業会の劣化診断でも黄変や緑地部分の脱色は部品交換。表示板の交換の目安は6~10年
表示面の変色(出典 消防庁 点検要領 第16/日本照明工業会)

「定格の時間」は原則20分間、建物によって60分間

バッテリーの点検で一番大事なのは「定格の時間、非常点灯するか」です。時間は規則28条の3第4項10号で決まっていて、非常電源は「直交変換装置を有しない蓄電池設備」とし、容量は誘導灯を有効に「二十分間」作動できるもの、消防庁長官が定める要件に当たる建物の一部の誘導灯は「六十分間」です。点検の業者が停電の状態にして20分(または60分)点灯し続けるかを確かめ、途中で消えたり暗くなったりしたらバッテリー交換、という流れです。

台数が多い建物では、全部を毎回試さなくてもよいとされています。点検要領は、定格の時間の確認は次の抜取方式で行うことができるとしています。

抜取方式(原文)対象外
a 各階ごとに10%以下とならない範囲で、任意の誘導灯により行うこと。集中制御方式及び周期始動方式のもの
b 点検のつど、同一器具についての繰返し点検ではなく、器具を順次変えて行うこと。同上

抜取りでは毎回違う器具を試すので、全部の器具を試し終わるまでに何回かの点検がかかります。点検の報告で「非常点灯 不良」の器具が出たら、同じ時期に付けた他の器具のバッテリーも同じくらい古いと考えて、まとめて見積もりを取るのが現実的です。

定格の時間と抜取り。非常電源の容量は20分間、告示で定める建物の一部は60分間(規則28条の3第4項10号)。確認は各階ごとに10%以下とならない範囲で任意の誘導灯により、点検のつど器具を順次変えて行うことができる(集中制御方式と周期始動方式は除く)
定格の時間と抜取方式(出典 消防法施行規則28条の3/点検要領 第16)

新しいバッテリーは非常点灯の確認が要らない期間がある

点検要領には、非常点灯の確認をしなくてよい誘導灯も書かれています。原文は「「誘導灯及び誘導標識の基準」(平成11年消防庁告示第2号)に適合しているものとして、消防庁長官が登録する登録認定機関が行う認定の効力を有している誘導灯のうち、その蓄電池の製造年からJIS C8705に該当する蓄電池にあっては3年、国際電気標準会議規格61951-2に該当する蓄電池にあっては5年を超えていないものを除く。」です。

蓄電池の規格非常点灯の確認が要らない期間条件
JIS C8705蓄電池の製造年から3年を超えていないもの認定の効力を有している誘導灯
国際電気標準会議規格61951-2蓄電池の製造年から5年を超えていないもの同上

バッテリーを替えたら、新しいバッテリーの製造年と規格を点検の記録に残しておくと、次の点検でどの器具を試すかの判断に使えます。

非常点灯の確認が要らない期間(点検要領 第16)。認定の効力を有している誘導灯で、蓄電池の製造年からJIS C8705は3年、国際電気標準会議規格61951-2は5年を超えていないもの。バッテリーを替えたら製造年と規格を記録
確認が要らない期間(出典 消防庁 点検要領 第16)

自動点検機能のある誘導灯

最近の誘導灯には、自分で非常点灯を試して結果を表示する自動点検機能が付いたものがあります。点検要領は判定のしかたを方式ごとに書いています。

方式どんなものか(原文の要約)判定(原文)
a 個別制御方式誘導灯単体で手動(リモコンで操作を行う場合を含む。)により点検を開始し、その結果を表示する方式非常点灯終了後における表示ランプの色等により判定すること。
b 集中制御方式制御装置を設けて、点検開始と点検結果を確認する方式非常点灯終了後、制御装置の表示等により確認すること。
c 周期始動方式誘導灯単体で点検周期を記憶し、その点検周期に応じて自動的に点検を開始し、その結果を表示する方式表示ランプの状態により判定すること。

集中制御方式の制御装置は「「運転中」又は「監視中」の表示ランプが点灯していること。」、周期始動方式は「「周期始動方式点検モニタ」の表示ランプが点灯していること。」が点検の判定です。

自動点検機能の3つの方式(点検要領 第16)。個別制御方式は誘導灯単体で手動やリモコンで点検を始め、表示ランプの色で判定。集中制御方式は制御装置で一括して確認し、運転中か監視中の表示ランプが点灯していること。周期始動方式は誘導灯が周期を記憶して自動で点検し、表示ランプの状態で判定
自動点検の方式(出典 消防庁 点検要領 第16)

点検の基準(別表第16)の項目

点検要領のもとになる点検の基準は、昭和50年消防庁告示第14号 別表第16(PDF)です。誘導灯はア 外箱及び表示面、イ 非常電源(内蔵型のものに限る。)、ウ 光源、エ 点検スイッチ、オ ヒューズ類、カ 結線接続、キ 信号装置等の7項目で、点検票は別記様式第16(PDF)です。

記号項目確認すること(別表第16の原文の要約)
ア外箱及び表示面種類・視認障害等・外形・表示
イ非常電源(内蔵型のものに限る。)外形・表示・機能
ウ光源汚損、劣化、ちらつき、影等がなく、正常に点灯していること
エ点検スイッチ変形、損傷、脱落等がなく、切替機能が正常であること
オヒューズ類損傷、溶断等がなく、所定の種類及び容量のもの
カ結線接続断線、端子の緩み、脱落、損傷等がないこと
キ信号装置等消灯機能、点滅機能、誘導音機能、減光機能等を作動させるための移報装置
昭和50年消防庁告示第14号 別表第16 誘導灯及び誘導標識の点検の基準の実物。誘導灯は外箱及び表示面、非常電源(内蔵型のものに限る)、光源、点検スイッチ、ヒューズ類、結線接続、信号装置等
別表第16の実物(出典 消防庁 昭和50年消防庁告示第14号 別表第16)

点滅とランプの見方

「誘導灯 点滅」で調べる人が多いのは、点滅に2つの意味があるからです。1つは火災のときに表示面を点滅させて避難口を目立たせる機能、もう1つは器具の横の小さなランプ(モニタ)の点滅で、バッテリーの異常などを知らせるものです。

器具の横の小さなランプ(充電モニタ)

日本照明工業会(修理・改修業者様向け情報)は、充電モニタ(緑色LED)の状態の意味を次のように載せています。

充電モニタ(緑色LED)意味(原文)
点灯正常
消灯バッテリーが充電されていない (電池コネクタ外れなど)
点滅※充電時の電池電圧不足 電池寿命

※は「自動点検機能付の場合」です。同会は「充電モニタが消灯している時は、バッテリーが充電されていません。消灯の原因を確認の上処置してください。」とし、「充電モニタが点灯しない時および非常点灯が誘導灯は20分・ 非常用照明器具は30分持続しない時は、バッテリー交換など適切な処置をしてください。」と書いています。緑の小さなランプが消えている、点滅している、というのはバッテリーの交換が近いことを知らせるサインです。

充電モニタ(緑色LED)の見方(日本照明工業会)。点灯は正常、消灯はバッテリーが充電されていない(電池コネクタ外れなど)、点滅は充電時の電池電圧不足・電池寿命(自動点検機能付の場合)。充電モニタが点灯しないとき、非常点灯が誘導灯は20分持続しないときはバッテリー交換など適切な処置
充電モニタの見方(出典 日本照明工業会 修理・改修業者様向け情報)

劣化診断チェックシートでは、ランプモニタ(赤色 LED)が点滅または点灯しているのも「交換か専門家に相談」の項目です。赤いランプはランプや器具の異常を示すもので、どの色がどの意味かは器具ごとに違うことがあるので、取扱説明書で確かめてください。

表示面の点滅(点滅機能)

表示面そのものが点滅するのは、点滅機能のある誘導灯が火災を知らせる信号を受けたときです。規則28条の3第4項6号は、点滅機能と音声誘導機能について次のように決めています。

号条文(原文)
6号イ前項第一号イ又はロに掲げる避難口に設置する避難口誘導灯以外の誘導灯には設けてはならないこと。
6号ロ自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動すること。
6号ハ避難口から避難する方向に設けられている自動火災報知設備の感知器が作動したときは、当該避難口に設けられた誘導灯の点滅及び音声誘導が停止すること。

火災でもないのに表示面が点滅し続けるなら、自動火災報知設備からの信号や、その間の移報装置の異常が考えられます。点検要領は信号装置等について「ア 正常に点滅すること。イ 正常な音声等が鳴動すること。ウ 正常に点灯すること。(消灯型又は減光型に限る。)」を確かめるとしています。原因は器具の外にあることもあるので、バッテリー交換と決めつけずに点検の業者に見てもらってください。

2つの点滅。器具の横の小さな緑のランプの点滅はバッテリーの異常(電池電圧不足・電池寿命)でバッテリー交換を検討。表示面の点滅は点滅機能で、自動火災報知設備の感知器と連動して起動する。火災でないのに点滅が続くなら信号の異常も考えられるので点検の業者へ
2つの点滅の違い(出典 日本照明工業会/消防法施行規則28条の3第4項6号)

管理者が自分で確かめられること

日本照明工業会は、非常点灯の性能を確かめるときは「十分(誘導灯 24時間・ 非常用照明器具 48時間)充電したのち常用電源を遮断して非常点灯に切り替えてください。誘導灯は20分・非常用照明器具は30分経過後、 非常点灯しているか再び確認してください。」としています。点検スイッチ(引きひもやボタン)で試せるのは短い時間の切り替わりまでで、20分間の確認は点検の業者に任せるのが一般的です。

自分で見られること見たらどうするか
表示面が点いているか、汚れ・変色がないか変色は表示板の交換を業者に相談
充電モニタ(緑)が点いているか消えている・点滅しているならバッテリーの確認を依頼
器具に焦げた臭いや変形がないか劣化診断では器具の交換の項目
誘導灯の前に棚や掲示物を置いていないか規則28条の3第4項8号のとおり、まぎらわしい物・さえぎる物を置かない
非常点灯の性能の確かめ方(日本照明工業会)。誘導灯は24時間充電したのち常用電源を遮断して非常点灯に切り替え、20分経過後も非常点灯しているか確認。持続しないときはバッテリー交換など適切な処置
非常点灯の性能の確認(出典 日本照明工業会)

バッテリー交換は誰がしてよいか(資格)

「誘導灯のバッテリー交換に資格は要るか」は、3つの別の問いに分けると整理できます。消防用設備等の工事・整備に消防設備士が要るか、電気工事に電気工事士が要るか、点検に消防設備士等が要るか、です。

問い根拠誘導灯の場合
消防設備士でなければできない工事・整備か消防法17条の5/施行令36条の2誘導灯は入っていない
電気工事士でなければできない電気工事か電気工事士法2条3項・3条/同法施行令1条蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事は軽微な工事として除かれている
点検を消防設備士等にさせる建物か消防法17条の3の3/施行令36条2項延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などは消防設備士等
誘導灯を点検できる資格平成16年消防庁告示第10号第4類・第7類の消防設備士で電気工事士などの免状を持つ者、第二種消防設備点検資格者
バッテリー交換の資格は3つの問いに分ける。消防設備士の独占の工事・整備か(消防法17条の5・施行令36条の2)は誘導灯は入っていない。電気工事士の電気工事か(電気工事士法・同法施行令1条2号)は蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事は軽微な工事。点検は延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などで消防設備士等(施行令36条2項)
資格の3つの問い(出典 消防法17条の5・17条の3の3/施行令36条・36条の2/電気工事士法施行令1条)

消防設備士でなければできない工事・整備に誘導灯は入っていない

消防法17条の5は「消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行つてはならない。」としています。その「政令で定めるもの」が施行令36条の2です。

区分施行令36条の2に挙がっている設備
工事(1項)屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、金属製避難はしご(固定式のものに限る。)、救助袋、緩降機
整備(2項)前項各号に掲げる消防用設備等、消火器、漏電火災警報器

誘導灯と誘導標識は、1項にも2項にも入っていません。つまり、誘導灯の工事や整備は、消防法の上では消防設備士の免状がないとできない作業には当たりません。「誘導灯の交換には甲種第4類の消防設備士が要る」という説明を見かけることがありますが、甲種第4類が工事できるのは「自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備又は消防機関へ通報する火災報知設備」(規則33条の3)で、誘導灯は入っていません。

消防設備士でなければできない工事・整備(消防法施行令36条の2)。工事は屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、救助袋、緩降機など。整備はそれらと消火器、漏電火災警報器。誘導灯と誘導標識はどちらにも入っていない
消防設備士の独占業務(出典 消防法17条の5/同法施行令36条の2)

電気工事士法では、蓄電池の端子へのねじ止めは軽微な工事

もう一つは電気の資格です。電気工事士法2条3項は「この法律において「電気工事」とは、一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。」とし、3条で電気工事の作業は電気工事士でなければ従事してはならないとしています。除かれる軽微な工事は電気工事士法施行令1条に並んでいて、2号は次のとおりです。

電気工事士法施行令1条原文
2号電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事
3号電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事

誘導灯の内蔵バッテリーは、電線の先のコネクタで器具とつながっているものが多く、日本照明工業会も充電モニタが消える原因に「電池コネクタ外れなど」を挙げています。蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事でさえ電気工事から除かれた軽微な工事とされているので、内蔵バッテリーの交換は電気工事士法の電気工事には当たらないと読めます。コネクタの抜き差しそのものを名指しした条文は、今回の範囲では見つけていません。

電気工事士法の電気工事と軽微な工事。電気工事は一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し又は変更する工事で、政令で定める軽微な工事を除く(電気工事士法2条3項)。施行令1条2号は電圧600ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事を軽微な工事としている
電気工事士法の軽微な工事(出典 電気工事士法2条3項/同法施行令1条2号)

本体の交換は電気工事の作業を含む

本体の交換は事情が違います。古い器具を外して新しい器具を付けるには、天井や壁の中から来ている電源の電線を外し、新しい器具につなぎ直します。電気工事士法施行規則2条1項1号は、電気工事士でなければできない作業として、次のようなものを挙げています。

記号電気工事士でなければできない作業(原文)
イ電線相互を接続する作業
ハ電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く。)に取り付け、又はこれを取り外す作業
ホ配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)
ヌ配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業

誘導灯の配線について、規則28条の3第4項11号は「配線は、電気工作物に係る法令の規定によること。」とし、9号は電源を自動火災報知設備の電源の規定(24条3号)の例によるとしています。本体交換でどの作業が要るかは現場の配線で変わるので、本体交換やLEDの器具への取り替えは、電気工事士がいる業者に頼むのが確実です。

本体交換は電気工事の作業を含む。電線相互を接続する作業、配線器具に電線を接続する作業などは電気工事士でなければできない(電気工事士法施行規則2条1項1号)。誘導灯の配線は電気工作物に係る法令による(消防法施行規則28条の3第4項11号)。本体交換は電気工事士がいる業者へ
本体交換と電気工事(出典 電気工事士法施行規則2条/消防法施行規則28条の3)

点検は消防設備士等、誘導灯は電気の免状も要る

交換作業とは別に、点検には資格が要る建物があります。施行令36条2項は、消防設備士等に点検をさせなければならない建物として、1号で「別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が千平方メートル以上のもの」を挙げています。それ以外の建物は、消防法17条の3の3のとおり「自ら点検し」てもよいとされています。

消防設備士等のうち、誰が誘導灯を点検できるかは平成16年消防庁告示第10号(PDF)が決めています。

資格誘導灯を点検できるか(告示10号の原文の要約)
第4類の甲種・乙種消防設備士、第7類の乙種消防設備士非常警報器具、非常警報設備、排煙設備、非常コンセント設備などは点検できる。誘導灯は次の行の人だけ
上のうち電気工事士免状、または第一種から第三種までの電気主任技術者免状を持つ者「前項に掲げる消防用設備等の種類のほか誘導灯及び誘導標識」
第二種消防設備点検資格者自動火災報知設備、避難器具、誘導灯、誘導標識、排煙設備など
第一種消防設備点検資格者消火器具、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備など(誘導灯は入っていない)

点検結果報告書の点検者一覧表では、誘導灯を点検した人は電気工事士などの免状を備考に書くことになっています(消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方)。業者に点検を頼むときは、誘導灯を点検する人がこの資格を持っているかを確かめてください。

誘導灯を点検できる人(平成16年消防庁告示第10号)。第4類の甲種・乙種、第7類の乙種の消防設備士のうち、電気工事士免状か第一種から第三種の電気主任技術者免状を持つ者。第二種消防設備点検資格者。点検を消防設備士等にさせるのは延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物など(施行令36条2項)
誘導灯を点検できる人(出典 平成16年消防庁告示第10号/消防法施行令36条2項)
平成16年消防庁告示第10号の実物。第四類の甲種消防設備士若しくは乙種消防設備士又は第七類の乙種消防設備士のうち電気工事士免状や電気主任技術者免状の交付を受けている者は、誘導灯及び誘導標識も点検できると書かれている
告示10号の実物(出典 消防庁 平成16年消防庁告示第10号)

自分で替えるなら取扱説明書どおりに

法令上は消防設備士の独占ではなく、内蔵バッテリーの交換は電気工事士法の電気工事にも当たらないと読めます。ただし日本照明工業会は「ランプ、バッテリー、誘導灯表示板など補修部品の交換は取扱説明書などを参照し、行ってください。部分的な改修や改造は上記委員会の認定品、評定品と異なることになりますので禁止されています。改修する場合は、器具毎の交換をお願いします。」としています。

確かめること理由
器具の取扱説明書に書かれた交換用バッテリーか点検要領は非常電源の表示について「所定の電圧値及び容量の表示がされていること。」を確かめる
電圧・容量が器具の指定どおりか定格の時間(20分間または60分間)非常点灯できるかに関わる
交換したバッテリーの製造年を記録したか点検要領の3年・5年の扱いと次の交換時期の判断に使う
交換後に非常点灯を確かめたか日本照明工業会は24時間充電してから20分の確認をすすめている
次の点検で業者に伝えたか点検票に交換の記録を残すため

指定と違う部品に替えるのは、工業会のいう「部分的な改修や改造」に当たるおそれがあります。延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などでは、交換後の点検も消防設備士等が行います。建物の規模が大きい、台数が多い、高い所にある、といった場合は、点検の業者にまとめて頼むほうが記録も残って確実です。

自分でバッテリーを替えるときの確認。取扱説明書に書かれた交換用バッテリーか、電圧と容量が指定どおりか、製造年を記録したか、24時間充電してから20分の非常点灯を確かめたか、次の点検で業者に伝えたか。指定と違う部品は部分的な改修や改造に当たるおそれ
自分で替えるとき(出典 日本照明工業会/点検要領 第16)

本体の交換・LED化と配置のルール

蛍光灯の古い誘導灯から、LEDの薄くて小さい誘導灯に替える工事がよく行われています。法令にLEDへ替えることを求める条文は見つけていませんが、新しい器具を付けるときは、今の基準に合った区分・位置・非常電源で付ける必要があります。基準は消防法施行規則28条の3と告示第2号に書かれています。

区分(A級・B級・C級)

規則28条の3第1項は、避難口誘導灯と通路誘導灯を、表示面の縦寸法と明るさでA級・B級・C級に分けています。明るさは「常用電源により点灯しているときの表示面の平均輝度と表示面の面積の積」で、単位はカンデラです。

種類区分表示面の縦寸法表示面の明るさ
避難口誘導灯A級0.4m以上50カンデラ以上
避難口誘導灯B級0.2m以上0.4m未満10カンデラ以上
避難口誘導灯C級0.1m以上0.2m未満1.5カンデラ以上
通路誘導灯A級0.4m以上60カンデラ以上
通路誘導灯B級0.2m以上0.4m未満13カンデラ以上
通路誘導灯C級0.1m以上0.2m未満5カンデラ以上
誘導灯の区分(消防法施行規則28条の3第1項)。避難口誘導灯はA級が縦寸法0.4m以上で50カンデラ以上、B級が0.2m以上0.4m未満で10以上、C級が0.1m以上0.2m未満で1.5以上。通路誘導灯はA級0.4m以上で60以上、B級13以上、C級5以上
A級・B級・C級(出典 消防法施行規則28条の3第1項)

有効範囲(1台がカバーする距離)

区分によって、1台の誘導灯がカバーできる距離(有効範囲)が変わります。規則28条の3第2項は、有効範囲を誘導灯までの歩行距離で決めていて、誘導灯を「容易に見とおすことができない場合又は識別することができない場合」は10m以下です。

種類区分歩行距離
避難口誘導灯A級(避難の方向を示すシンボルのないもの)60m
避難口誘導灯A級(シンボルのあるもの)40m
避難口誘導灯B級(シンボルのないもの)30m
避難口誘導灯B級(シンボルのあるもの)20m
避難口誘導灯C級15m
通路誘導灯A級20m
通路誘導灯B級15m
通路誘導灯C級10m

大きな器具から小さな器具に替えると、1台がカバーする距離が短くなります。たとえば避難口誘導灯をB級(シンボルなし、30m)からC級(15m)に替えると、有効範囲は半分です。器具を小さくしたら通路誘導灯を足す必要が出た、ということが起こりうるので、交換の見積もりでは台数と位置が今の基準に合うかも確かめてもらってください。

有効範囲(消防法施行規則28条の3第2項)。避難口誘導灯はA級シンボルなし60m・あり40m、B級シンボルなし30m・あり20m、C級15m。通路誘導灯はA級20m、B級15m、C級10m。見とおせない・識別できない場合は10m以下。B級からC級にすると有効範囲は半分
有効範囲(出典 消防法施行規則28条の3第2項)

有効範囲は、表の距離のほかに計算式でも決められます。2項2号は「D=kh」で、Dは歩行距離(メートル)、hは表示面の縦寸法(メートル)、kは避難口誘導灯でシンボルのないもの150、シンボルのあるもの100、通路誘導灯50です。

種類kの値hが0.2mのときのD
避難口誘導灯(シンボルのないもの)15030m
避難口誘導灯(シンボルのあるもの)10020m
通路誘導灯5010m
有効範囲の計算式D=kh(消防法施行規則28条の3第2項2号)。Dは歩行距離、hは表示面の縦寸法、kは避難口誘導灯シンボルなし150、シンボルあり100、通路誘導灯50。hが0.2mなら避難口誘導灯シンボルなしで30m
D=khの計算(出典 消防法施行規則28条の3第2項2号)

付ける場所

規則28条の3第3項は、各階ごとに付ける場所を決めています。

種類付ける場所(原文)
避難口誘導灯 イ屋内から直接地上へ通ずる出入口(附室が設けられている場合にあつては、当該附室の出入口)
避難口誘導灯 ロ直通階段の出入口(附室が設けられている場合にあつては、当該附室の出入口)
避難口誘導灯 ハイ又はロに掲げる避難口に通ずる廊下又は通路に通ずる出入口(室内の各部分から容易に避難することができるものとして消防庁長官が定める居室の出入口を除く。)
避難口誘導灯 ニイ又はロに掲げる避難口に通ずる廊下又は通路に設ける防火戸で直接手で開くことができるもの(くぐり戸付きの防火シャッターを含む。)がある場所
通路誘導灯 イ曲り角
通路誘導灯 ロ前号イ及びロに掲げる避難口に設置される避難口誘導灯の有効範囲内の箇所
通路誘導灯 ハイ及びロのほか、廊下又は通路の各部分(避難口誘導灯の有効範囲内の部分を除く。)を通路誘導灯の有効範囲内に包含するために必要な箇所

避難口誘導灯は、これらの避難口の「上部又はその直近の避難上有効な箇所」に設けます。交換のときに位置を変える場合も、この場所から外れないようにします。

誘導灯を付ける場所(消防法施行規則28条の3第3項)。避難口誘導灯は屋内から直接地上へ通ずる出入口、直通階段の出入口、それらに通ずる廊下や通路への出入口、直接手で開く防火戸の場所の上部又は直近。通路誘導灯は曲り角、避難口誘導灯の有効範囲内の箇所、廊下の各部分を有効範囲に含めるのに必要な箇所
付ける場所(出典 消防法施行規則28条の3第3項)

A級かB級が要る建物

規則28条の3第4項3号は、次の建物ではA級かB級(避難口誘導灯は表示面の明るさが20以上のもの又は点滅機能を有するもの、通路誘導灯は25以上のもの)にすることとしています。C級に替えられない場所があるので注意が要ります。

号対象(原文の要約)
3号イ令別表第一(十)項(駅など)、(十六の二)項(地下街)、(十六の三)項(準地下街)
3号ロ(一)項から(四)項まで若しくは(九)項イの建物の階、または(十六)項イの建物でそれらの用途の部分がある階で、その床面積が1,000㎡以上のもの
ただし書通路誘導灯を廊下に設置する場合であつて、当該誘導灯をその有効範囲内の各部分から容易に識別することができるときは、この限りでない。
A級かB級が要る場所(消防法施行規則28条の3第4項3号)。駅、地下街、準地下街。劇場、飲食店、物品販売店舗などの階で床面積1,000㎡以上。避難口誘導灯は明るさ20以上か点滅機能、通路誘導灯は25以上。C級に替えられない場所がある
A級・B級が要る場所(出典 消防法施行規則28条の3第4項3号)

常時点灯と、消してよい場合

規則28条の3第4項2号は、避難口誘導灯と通路誘導灯は「常時、第一項に掲げる明るさで点灯していること。」とし、次の場合を除いています。消灯や減光の機能がある器具に替えるときの前提です。

消してよい場合条件
当該防火対象物が無人である場合自動火災報知設備の感知器の作動と連動して点灯し、かつ、利用形態に応じて点灯するように措置されているとき
イ 外光により避難口又は避難の方向が識別できる場所同上
ロ 利用形態により特に暗さが必要である場所同上
ハ 主として当該防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者の使用に供する場所同上

消灯型や減光型の器具は、点検要領でも信号装置等の機能として「正常に点灯すること。(消灯型又は減光型に限る。)」を確かめる対象です。

常時点灯と消してよい場合(消防法施行規則28条の3第4項2号)。誘導灯は常時点灯が原則。無人のとき、外光で識別できる場所、特に暗さが必要な場所、主に関係者と従業員が使う場所は、自動火災報知設備の感知器と連動して点灯する措置があれば消してよい
常時点灯(出典 消防法施行規則28条の3第4項2号)

非常電源が60分間の建物

非常電源の容量は原則20分間ですが、告示第2号の第四に当たる建物では、避難口や避難階の廊下、直通階段などの誘導灯は60分間です。

号60分間が要る建物(告示第2号 第四の原文の要約)
一令別表第一(一)項から(十六)項までで、延べ面積5万㎡以上、または地階を除く階数が15以上で延べ面積3万㎡以上
二(十六の二)項(地下街)で、延べ面積1,000㎡以上
三(十)項又は(十六)項で乗降場が地階にあり、消防長又は消防署長が避難上必要があると認めて指定したもの

日本照明工業会は「平成22年9月1日より、大規模・高層の防火対象物において60分タイプ誘導灯の設置義務が拡大されます。」と案内しています。告示の附則2は、施行の際に現にある建物の誘導灯で第四に合わないものは「なお従前の例による。」としています。交換のときに60分間の器具が要るかは、建物がこの要件に当たるかと、器具の表示(「連続非常点灯可能時間が六十分以上のもの」)で確かめます。迷ったら消防署に聞いてください。

非常電源が60分間の建物(告示第2号 第四)。延べ面積5万㎡以上、または地階を除く15階以上で延べ面積3万㎡以上。地下街で延べ面積1,000㎡以上。地階に乗降場がある駅などで消防長等が指定したもの。それ以外は20分間
60分間の建物(出典 誘導灯及び誘導標識の基準 第四/消防法施行規則28条の3第4項10号)

認定の表示がある器具を選ぶ

規則28条の3第6項は「誘導灯及び誘導標識は、消防庁長官が定める基準に適合するものでなければならない。」としています。この基準に合っていることを確かめるのが認定で、日本照明工業会(誘導灯の認定情報)は「一般社団法人日本電気協会(以下「協会」という。)は、2004年12月から総務省消防庁の登録認定機関として、消防法令に基づく誘導灯の認定業務を実施しています。」と書いています。

項目原文
認定の効果(規則31条の3第3項)第三十一条の四第一項の認定を受け、同条第二項の規定による表示が付されている消防用設備等又はこれらの部分である機械器具については、当該認定に係る設備等技術基準に適合するものとみなす。
誘導灯の認定機関一般社団法人日本電気協会(事務は日本照明工業会が協力)
表示の効果この表示がある誘導灯については消防検査において技術基準に適合するものとみなされます。
蓄光式誘導標識の認定日本消防設備安全センターの登録認定の品目に「中輝度蓄光式誘導標識及び高輝度蓄光式誘導標識」

消防用設備等の認定というと日本消防設備安全センターを思い浮かべる人が多いですが、同センターの登録認定の避難設備5品目は、避難はしご、避難ロープ、すべり台、救助袋、中輝度蓄光式誘導標識及び高輝度蓄光式誘導標識で、誘導灯は入っていません。誘導灯の認定は日本電気協会です。

誘導灯の認定。規則28条の3第6項は消防庁長官が定める基準への適合を求める。誘導灯の認定は一般社団法人日本電気協会(2004年12月から登録認定機関)。認定の表示があれば設備等技術基準に適合するものとみなす(規則31条の3第3項)。蓄光式誘導標識の認定は日本消防設備安全センター
認定(出典 消防法施行規則28条の3・31条の3/日本照明工業会/日本消防設備安全センター)

交換で消防署への届出は要るか

消防法17条の3の2は、特定防火対象物などで消防用設備等を「設置したときは」、消防長又は消防署長に届け出て検査を受けなければならないとしています。対象の建物は施行令35条で、規則31条の3第1項は届出を「工事が完了した日から四日以内」としています。

項目内容根拠
届出と検査が要る建物施行令35条1項の建物(病院、ホテルなどは面積に関係なく、劇場・飲食店・物品販売店舗などは延べ面積300㎡以上 など)消防法17条の3の2/施行令35条
届出の期限工事が完了した日から4日以内規則31条の3第1項
添える書類平面図、配管及び配線の系統図、消防用設備等試験結果報告書規則31条の3第1項1号
同じ種類の器具への入れ替え届出が要るかを示した公的な資料は取得できず今回の調査
業者の説明「種類の違う誘導灯に交換される場合は、所轄消防署への届け出が必要な場合があります。」消防テック

同じ型の器具への入れ替えは、多くの業者が届出の費用を「-」としていますが、種類(区分や型)を変えるときは届出が要る場合があるとされています。交換の前に、業者を通じて管轄の消防署に確かめてもらうのが確実です。届出を怠ったときの罰則は後の「罰則」で説明します。

届出と検査(消防法17条の3の2)。施行令35条の建物で消防用設備等を設置したら、工事が完了した日から4日以内に消防長又は消防署長に届け出る(規則31条の3第1項)。同じ種類の入れ替えで届出が要るかの公的な資料は取得できず。種類の違う誘導灯に替えるときは届出が要る場合がある
交換と届出(出典 消防法17条の3の2/施行令35条/規則31条の3/消防テック)

改装で位置がずれていないか

点検要領は、視認障害等について「エ 防火対象物の改装等により、設置位置が不適正になり、設置個数に不足を生じていないこと。」を確かめるとしています。また規則28条の3第4項8号は「誘導灯の周囲には、誘導灯とまぎらわしい又は誘導灯をさえぎる灯火、広告物、掲示物等を設けないこと。」としています。

見直すきっかけ確かめること
間仕切りや棚を増やした誘導灯が見とおせるか、置かなくてよい部分の条件から外れていないか
出入口を増やした・ふさいだ避難口誘導灯の場所が今の避難口と合っているか
看板や照明を増やしたまぎらわしい灯火、さえぎる広告物がないか
器具を小さくした有効範囲が短くなって通路誘導灯が足りなくならないか
改装のあとに見直すこと。点検要領は改装等で設置位置が不適正になり個数が不足していないかを確かめる。規則28条の3第4項8号は誘導灯の周囲にまぎらわしい灯火や、さえぎる広告物・掲示物を置かないとしている。間仕切り、出入口、看板、器具のサイズを変えたら見直す
改装と誘導灯(出典 消防庁 点検要領 第16/消防法施行規則28条の3第4項8号)
コンクリートの階段室で、作業着の男性がクリップボードを持って壁の照明を見上げている
階段室の設備を確かめる管理者(イメージ)

誘導灯の交換の費用(業者の公開料金)

料金を公開している業者のページを、2026年9月26日に取得して原文のまま載せます。載せ方は業者によって違い、本体の代金が入っているか、古い器具の処分や届出の費用が入っているかで、比べる数字が変わります。ここに載せた金額は、推薦でも相場でもありません。平均も出しません。

消防テック(料金一覧)

消防テック 料金一覧(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)は、誘導灯について「新規で誘導灯を設置するパターン、個数は変えずに誘導灯を新しいものに交換するパターンをご案内致します」としています。バッテリー(予備電池)だけの交換の料金を載せている、今回見つけた唯一のページです。

区分設置個数施工費・材料費届出・検査立合い費合計
新規1台70,000円50,000円120,000円
改修予備電池×1個18,000円–18,000円
交換1台30,000円50,000円80,000円

表の下には「※交換の場合も、種類の違う誘導灯に交換される場合は、所轄消防署への届け出が必要な場合があります。」とあります。税込か税別かの表記は、この表の近くには見当たりませんでした。

消防テックの料金一覧(2026年9月26日取得)。誘導灯の新規1台は施工費・材料費70,000円、届出・検査立合い費50,000円、合計120,000円。改修の予備電池1個は18,000円。交換1台は30,000円と50,000円で合計80,000円。推薦でも相場でもない
消防テック 料金一覧(出典 消防テック・2026年9月26日取得)

消防テック(誘導灯の設置工事のページ)

同じ消防テックの誘導灯の設置工事のページ(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)には料金として「80,000円~」とあり、建物の種類ごとの表が載っています。料金一覧のページと金額が違うので、見積もりのときにどちらが今の料金か確かめてください。

建物区分設置個数施工費用届出費用合計
飲食店新規1台78,000円65,000円143,000円
飲食店交換1台39,000円ー39,000円
物販店・スケルトン新規1台45,500円39,000円84,500円
物販店・スケルトン改修3台130,000円39,000円169,000円
物販店・スケルトン交換1台32,500円ー32,500円

物販店とスケルトンの表の下には「※届出費用については検査なしの場合です。」とあります。同じページの誘導標識の表は、誘導標識1枚2,600円、蓄光式誘導標識1枚123,500円(届出費用は「別途お打合せ」)です。

種別(種類別料金表)サイズ(原文)値段(原文)
A級表示面の縦寸法が0.4m以上70,070円〜
B級0.2m以上0.4m未満9,113円〜18,590円
C級0.1m以上0.2m未満6,760円〜

この種類別料金表は「種類別で誘導灯1枚のお値段の目安」とされ、「※実際に工事を行う場合は、誘導灯本体価格、工事費とは別に所轄消防署への届け出費用が必要な場合があります。」と書かれています。A級とC級で1桁違うことが分かります。

消防テックの誘導灯の設置工事のページ(2026年9月26日取得)。飲食店の新規1台は143,000円、交換1台は39,000円。物販店とスケルトンの新規1台は84,500円、改修3台は169,000円、交換1台は32,500円。種類別はA級70,070円〜、B級9,113円〜18,590円、C級6,760円〜。料金一覧のページと金額が違う
消防テック 誘導灯の設置工事(出典 消防テック・2026年9月26日取得)

消防設備ワークス

消防設備ワークス 料金(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)(運営 BULLTEQ合同会社)は、誘導灯を次のように載せています。税の表記は見当たりませんでした。

区分設置個数施工費・材料費届出・検査立合い費合計
新規1台78,000円65,000円143,000円
改修––––
交換1台39,000円–39,000円
消防設備ワークスの料金(2026年9月26日取得)。誘導灯の新規1台は施工費・材料費78,000円、届出・検査立合い費65,000円、合計143,000円。交換1台は39,000円。推薦でも相場でもない
消防設備ワークス 料金(出典 消防設備ワークス・2026年9月26日取得)

そのほかの業者

業者料金(原文)注記(原文)
建築×消防ラボ(株式会社トネクション・東京都北区)避難口誘導灯 更新 55,000円〜「弊社では、避難口誘導灯の更新を55,000円〜で承っています。」投稿 2022年5月12日・更新 2024年9月
株式会社エフ・ピーアイ(新潟市)誘導灯交換工事1台¥25,000(税別)から2024/07/01の記事
なかの消防サービス(広島市)高輝度B級誘導灯(両面)1灯 33,600円~/(片面)29,800円~/高輝度C級誘導灯(両面)21,600円~/(片面)19,800円~「工事費・試験調整費・廃材処分費・設置届・着工届・諸経費・消費税が別途必要です。」
沖消防建設誘導灯点検 1,650円(税込) / 台点検の料金。交換の料金ではない

いずれも(2026年9月26日取得・推薦でも相場でもありません)です。なかの消防サービスの金額は器具1灯の金額で、工事費などは別です。沖消防建設は交換ではなく点検の料金で、点検の料金の比べ方は消防設備点検の費用と業者の探し方にまとめています。

そのほかの業者の公開料金(2026年9月26日取得)。トネクションは避難口誘導灯の更新55,000円〜。エフ・ピーアイは誘導灯交換工事1台25,000円(税別)から。なかの消防サービスは高輝度B級誘導灯(両面)1灯33,600円~で工事費や設置届などは別途。沖消防建設は誘導灯点検1,650円(税込)/台。推薦でも相場でもない
そのほかの業者(出典 各社の料金ページ・2026年9月26日取得)

見積もりで確かめること

上の料金を見ると、同じ「交換1台」でも25,000円から80,000円まで載せ方が違います。差が出るのは、何が含まれているかです。見積もりを取るときは次を確かめてください。

確かめること理由
本体の代金が入っているか器具1灯の金額と工事費を別に載せる業者がある
区分(A級・B級・C級)と台数A級とC級で本体の値段が大きく違う。有効範囲で台数も変わる
届出・検査立合いの費用が入っているか種類を変えると届出が要る場合がある
古い器具とバッテリーの処分費「廃材処分費」を別にする業者がある
60分間の器具が要るか告示第2号 第四の建物の一部は60分間
電気工事士が作業するか本体交換は配線の作業を含む
税込か税別か表記がない業者がある
交換後の非常点灯の確認と記録次の点検と報告に使う
見積もりで確かめること。本体の代金、区分と台数、届出・検査立合いの費用、古い器具とバッテリーの処分費、60分間の器具が要るか、電気工事士が作業するか、税込か税別か、交換後の非常点灯の確認と記録
見積もりのチェック(出典 各社の料金ページ/消防法施行規則28条の3)

非常用照明(非常灯)との違い

天井に付いた白い非常用の照明を「非常灯」と呼ぶことがあり、誘導灯と混同されがちです。日本照明工業会も「非常用照明器具を非常灯と呼ぶ場合があります。」と書いています。2つは根拠の法律が違い、点検と報告の先も違います。

項目誘導灯非常用の照明装置(非常灯)
根拠の法律消防法(施行令26条)建築基準法(施行令126条の4・126条の5)
役割避難口と避難の方向を緑色の灯火で示す停電のときに床面を照らす(床面において1ルクス以上)
予備の電源非常電源(原則20分間、建物によって60分間)予備電源
点検の資格者消防設備士、消防設備点検資格者一級又は二級建築士、建築設備検査資格者など
報告先消防長又は消防署長特定行政庁
非常点灯確認(日本照明工業会)20分間又は60分間(各階ごとに1/10の台数以下とならない範囲で)30分間又は60分間
誘導灯と非常用の照明装置(非常灯)の違い。誘導灯は消防法(施行令26条)で避難口と方向を緑の灯火で示し、非常電源は原則20分間、点検は消防設備士等、報告は消防署。非常用の照明装置は建築基準法(施行令126条の4・126条の5)で床面1ルクス以上を照らし、点検は建築士や建築設備検査資格者など、報告は特定行政庁
誘導灯と非常灯の違い(出典 消防法施行令26条/建築基準法施行令126条の4・126条の5/日本照明工業会)

非常用の照明装置が要る建物

建築基準法施行令126条の4は、非常用の照明装置を設ける場所を決めています。

設ける場所(原文の要約)除かれるもの(ただし書)
法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までの特殊建築物の居室一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
階数が3以上で延べ面積が500㎡を超える建築物の居室病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
窓その他の開口部を有しない居室学校等
延べ面積が1,000㎡を超える建築物の居室避難階などの居室で避難上支障がないものとして国土交通大臣が定めるもの
これらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路

126条の5は構造として「照明は、直接照明とし、床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとすること。」「予備電源を設けること。」などを求めています。非常用の照明装置は建築設備の定期検査(建築基準法12条3項)で見る設備の一つで、建築基準法12条点検(定期報告)とはで扱っています。

非常用の照明装置が要る場所(建築基準法施行令126条の4)。特殊建築物の居室、階数3以上で延べ面積500㎡超の建築物の居室、無窓の居室、延べ面積1,000㎡超の建築物の居室と、そこから地上に通ずる廊下・階段・通路。構造は直接照明で床面1ルクス以上、予備電源を設ける(126条の5)
非常用の照明装置(出典 建築基準法施行令126条の4・126条の5)

2つが関わり合う場面

2つは別の法律ですが、関わり合う場面があります。規則28条の3第3項1号ニは、防火戸に誘導標識があり「当該誘導標識を識別することができる照度が確保されるように非常用の照明装置が設けられている場合」を避難口誘導灯を付ける場所から除いています。また日本照明工業会は、平成23年6月17日の省令改正で、誘導灯の非常電源60分間が義務の建物で「階段通路誘導灯の代替として設置している非常用照明器具も長時間形(60分間)への置き換えが義務付けられることになりました。」と案内しています。

場面内容出典
防火戸の避難口誘導灯誘導標識と、識別できる照度の非常用の照明装置があれば除かれる規則28条の3第3項1号ニ
階段の通路誘導灯の代わりの非常用照明60分間の建物では長時間形(60分間)へ日本照明工業会(平成23年6月17日の省令改正)
交換の見積もり誘導灯と非常用照明をまとめて替える場合も、点検と報告の先は別日本照明工業会の比較表
誘導灯と非常用の照明装置が関わる場面。防火戸の避難口誘導灯は、誘導標識と識別できる照度の非常用の照明装置があれば除かれる(規則28条の3第3項1号ニ)。60分間の建物では階段の通路誘導灯の代わりの非常用照明も長時間形(60分間)へ(日本照明工業会)
関わり合う場面(出典 消防法施行規則28条の3/日本照明工業会)

交換を決める順番

ここまでの内容を、交換を決める順番に並べます。

順番やること見るもの
1誘導灯を置く義務がある建物か確かめる施行令26条1項・規則28条の2
2器具の表示で製造年と種類、60分以上の表示を確かめる告示第2号 第六
3点検の結果で「不良」とされた項目を確かめる点検票(別記様式第16)・点検要領 第16
4バッテリーだけで直るか、本体ごとか決める日本照明工業会の目安(本体8~10年、耐用の限度12年)
5本体を替えるなら区分・台数・位置を今の基準で見直す規則28条の3
6届出が要るか業者を通じて消防署に確かめる消防法17条の3の2・規則31条の3
7見積もりを比べ、交換後の非常点灯の確認と記録をもらう各社の料金ページ
交換を決める順番。1 置く義務があるか、2 器具の表示で製造年と種類、3 点検で不良の項目、4 バッテリーだけか本体ごとか、5 本体なら区分・台数・位置を今の基準で、6 届出が要るか消防署に確認、7 見積もりを比べて交換後の確認と記録
交換を決める順番(出典 消防法施行令26条/規則28条の3/点検要領 第16/日本照明工業会)

バッテリーだけで直すか本体ごと替えるかは、器具の年数で考えるのが分かりやすいです。日本照明工業会の目安では、本体の適正交換時期は8~10年、電池内蔵形の耐用の限度は12年、劣化診断では使用期間が15年以上なら器具の交換です。器具が8年を過ぎているなら、バッテリーだけの交換と本体ごとの交換の両方の見積もりを取って比べてください。

器具の使用期間日本照明工業会の目安・診断考え方
8年未満適正交換時期の前バッテリーや表示板など部品の交換で直す
8年以上劣化診断「使用期間は 8 年以上」は交換か専門家部品交換と本体交換の両方の見積もりを取る
12年(電池内蔵形)耐用の限度本体の交換を考える
15年以上劣化診断「使用期間は 15 年以上」は器具の交換本体の交換
バッテリーだけか本体ごとか。器具の使用期間が8年未満なら部品の交換、8年以上なら部品交換と本体交換の両方の見積もり、電池内蔵形の耐用の限度12年を過ぎたら本体の交換を考える、15年以上は劣化診断で器具の交換
部品か本体か(出典 日本照明工業会 耐用年数・劣化診断チェックシート)

外したバッテリーと古い器具の扱い

日本照明工業会(2016年4月現在の情報)は、使用済みのバッテリーについて「防災照明器具に使用しているニッケル・カドミウム蓄電池またはニッケル・水素蓄電池は、リサイクル法で規定された小形二次電池です。」とし、「実際には、有限責任中間法人JBRCのリサイクルシステムの枠組みの中で回収することになっております。」「使用済みのこれらの蓄電池については、上記JBRCに確認し、回収にご協力いただきますようお願いします。」と書いています。

外したもの扱い出典
ニッケル・カドミウム蓄電池/ニッケル・水素蓄電池小形二次電池。JBRCのリサイクルシステムの枠組みで回収日本照明工業会(2016年4月現在)
古い誘導灯の器具消火器の回収の仕組みでは引き取れない消火器リサイクル推進センター(消火器の廃棄・処分方法)
交換を業者に頼んだ場合処分費が料金に入っているか確かめるなかの消防サービスは「廃材処分費」が別途

JBRCの今の回収窓口は、今回は取得していません。古い器具やバッテリーは、交換を頼む業者に引き取りと処分費を確かめるのが確実です。消火器の回収の仕組みは誘導灯を対象にしていないことを、消火器の廃棄・処分方法で書いています。

外したバッテリーと古い器具。防災照明器具のニッケル・カドミウム蓄電池とニッケル・水素蓄電池は小形二次電池で、JBRCのリサイクルシステムの枠組みで回収(日本照明工業会・2016年4月現在)。古い器具は消火器の回収の仕組みでは引き取れない。業者に引き取りと処分費を確認
外したバッテリーと器具(出典 日本照明工業会/消火器リサイクル推進センター)

直さないとどうなるか(罰則)

誘導灯が基準どおりに設置・維持されていないと、消防長又は消防署長は設置や維持の措置を命じることができます(消防法17条の4)。命令に従わないときなどの罰則は次のとおりです。

違反罰則(原文)条文
命令に違反して消防用設備等を設置しなかつた者一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金消防法41条1項5号
同上(法人)三千万円以下の罰金刑消防法45条2号
命令に違反して維持のため必要な措置をしなかつた者三十万円以下の罰金又は拘留消防法44条12号
点検の報告をせず、又は虚偽の報告をした者三十万円以下の罰金又は拘留消防法44条11号
設置の届出(17条の3の2)を怠つた者三十万円以下の罰金又は拘留消防法44条8号

バッテリーが切れた誘導灯をそのままにしていても、すぐに罰則になるわけではありません。点検で不良と分かり、消防署から直すよう求められたのに直さない、という段階で重くなります。点検の報告書に不良と書かれたら、次の点検までに直しておくのが基本です。

直さないとどうなるか(消防法)。命令に違反して設置しなければ一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(41条1項5号)、法人は三千万円以下の罰金刑(45条2号)。維持の命令違反、報告をしない、設置の届出を怠るは三十万円以下の罰金又は拘留(44条12号・11号・8号)
罰則(出典 消防法17条の4・41条・44条・45条)

同じ建物で並ぶ点検

誘導灯を置く建物では、ほかにも法律で決まった点検や検査が並びます。誘導灯の交換を考えるときに、あわせて予定を確かめておくと抜けを防げます。

点検・検査根拠周期の目安詳しい記事
消防設備点検(誘導灯を含む)消防法17条の3の36か月ごとに機器点検消防設備点検とは(義務・頻度・報告・費用)
防火対象物点検消防法8条の2の21年に1回防火対象物点検とは(消防設備点検との違い・対象・特例認定)
防災管理点検消防法36条1年に1回防災管理点検とは
建築設備の定期検査(非常用の照明装置)建築基準法12条3項特定行政庁が決める建築基準法12条点検(定期報告)とは
防火設備定期検査建築基準法12条3項毎年(東京都)防火設備定期検査とは
連結送水管の耐圧試験告示14号 別表第20設置から10年、以後3年ごと連結送水管の耐圧試験とは
消火器の交換規格省令・点検要領 第1使用期限と点検の結果による消火器の交換(使用期限・点検で廃棄になる基準)
同じ建物で並ぶ点検。消防設備点検(誘導灯を含む)は6か月ごとに機器点検、防火対象物点検と防災管理点検は1年に1回、建築設備の定期検査(非常用の照明装置)は特定行政庁が決める、防火設備定期検査は毎年(東京都)、連結送水管の耐圧試験は設置から10年以後3年ごと、消火器の交換は使用期限と点検の結果による
並ぶ点検(出典 消防法/建築基準法/各記事の出典)

このほか、受水槽がある建物は貯水槽(受水槽)の清掃は義務?も関わります。誘導灯の点検と報告は防火管理者の仕事と結びつくことが多く、防火管理者の選任や消防計画は防火管理者とは(必要な建物・講習・選任届)に、マンションでの点検の進め方はマンションの消防点検(部屋に入る理由・費用の負担)にまとめています。

よくある質問

誘導灯は何年で交換する?

日本照明工業会の目安は、本体が8~10年、バッテリーが4~6年、表示板が6~10年です。耐用の限度は電池内蔵形で12年です。法令に何年で交換と定めた条文は、今回読んだ範囲では見つけていません。点検で基準に合わないと分かったら直す、というのが法令上の流れです。

バッテリー交換に資格は要る?

消防設備士でなければできない工事・整備(消防法施行令36条の2)に誘導灯は入っていません。電気工事士法施行令1条2号は、蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事を電気工事から除いています。ただし日本照明工業会は、取扱説明書を参照して行い、部分的な改修や改造はしないよう求めています。延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などでは、点検は消防設備士等が行います。

本体の交換に資格は要る?

本体の交換は、電源の電線を器具につなぎ直す作業を含みます。電線相互を接続する作業などは、電気工事士法施行規則2条で電気工事士でなければできない作業に挙がっています。本体交換やLEDへの取り替えは、電気工事士がいる業者に頼むのが確実です。

誘導灯の横の緑のランプが点滅している

日本照明工業会によると、充電モニタ(緑色LED)の点滅は「充電時の電池電圧不足 電池寿命」(自動点検機能付の場合)、消灯は「バッテリーが充電されていない (電池コネクタ外れなど)」です。バッテリーの確認と交換を点検の業者に相談してください。

表示面そのものが点滅している

点滅機能のある避難口誘導灯は、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して点滅します(規則28条の3第4項6号)。火災でないのに点滅が続く場合は、信号の異常も考えられるので、点検の業者に見てもらってください。

点検で「非常点灯不良」と言われた

定格の時間(原則20分間、建物によって60分間)非常点灯しなかったということです。バッテリーの交換で直ることが多いですが、器具が8年を過ぎているなら本体ごとの交換の見積もりも取って比べてください。

LEDの誘導灯に替えなければならない?

LEDに替えることを求める条文は見つけていません。ただし日本照明工業会は、蛍光灯の器具のランプの寿命を1年~2年としており、本体も8~10年が交換の目安です。本体を替えるときに今の基準で区分・台数・位置を見直すことになります。

小さい誘導灯に替えてもいい?

区分が変わると有効範囲が変わります。避難口誘導灯をB級(シンボルなし30m)からC級(15m)にすると半分になり、台数を足す必要が出ることがあります。劇場・飲食店・物品販売店舗などの階で床面積1,000㎡以上などはA級かB級が要ります(規則28条の3第4項3号)。

交換したら消防署に届け出る?

特定防火対象物などで消防用設備等を設置したときは、工事完了から4日以内に届出です(消防法17条の3の2・規則31条の3)。同じ種類の器具への入れ替えで届出が要るかを示した公的な資料は取得できませんでした。業者は種類の違う誘導灯に替えるときは届出が必要な場合があるとしています。業者を通じて管轄の消防署に確かめてください。

非常灯と誘導灯は同じもの?

違います。誘導灯は消防法(施行令26条)の設備で、避難口と避難の方向を緑色の灯火で示します。非常用の照明装置(非常灯)は建築基準法(施行令126条の4・126条の5)の設備で、停電時に床面を1ルクス以上で照らします。点検の資格者と報告先も違います。

外したバッテリーはどうする?

日本照明工業会(2016年4月現在)は、防災照明器具のニッケル・カドミウム蓄電池とニッケル・水素蓄電池は小形二次電池で、JBRCのリサイクルシステムの枠組みで回収するとしています。交換を頼む業者に引き取りと処分費を確かめてください。

困ったときの窓口

聞きたいこと窓口
自分の建物に誘導灯が要るか、交換で届出が要るか建物を管轄する消防署
点検の基準消防庁 点検要領 第16(PDF)、消防庁 点検要領の一覧
交換の目安と劣化診断日本照明工業会 耐用年数、劣化診断チェックシート(PDF)
誘導灯の認定日本照明工業会 誘導灯の認定情報
非常用の照明装置の定期検査特定行政庁(建築基準法12条点検(定期報告)とは)
点検の費用と業者の探し方消防設備点検の費用と業者の探し方
点検結果の報告消防用設備等点検結果報告書の書き方と出し方
困ったときの窓口。建物に誘導灯が要るか、交換で届出が要るかは管轄の消防署。点検の基準は消防庁の点検要領 第16。交換の目安と劣化診断は日本照明工業会。誘導灯の認定は日本電気協会と日本照明工業会。非常用の照明装置の定期検査は特定行政庁
窓口(出典 消防庁/日本照明工業会)

まとめ

覚えておくこと。本体8~10年、バッテリー4~6年、表示板6~10年が目安。点検で定格の時間(原則20分間)非常点灯しなければバッテリー交換、表示面が変色したらパネル交換。バッテリー交換は消防設備士の独占ではなく、蓄電池の端子へのねじ止めは軽微な工事。本体交換は電気工事士がいる業者へ。LED化では区分・有効範囲・60分・認定・届出を確認。料金は業者6社の原文を掲載し相場は作らない
まとめ(出典 日本照明工業会/点検要領 第16/消防法施行令36条の2/電気工事士法施行令1条/消防法施行規則28条の3)

誘導灯の交換の目安は、日本照明工業会によると本体が8~10年、バッテリーが4~6年、表示板が6~10年です。法令で何年で交換と定めた条文は今回の範囲では見つけていませんが、点検要領は、表示面の変色は速やかにパネルを交換、バッテリーは定格の時間(原則20分間、建物によって60分間)非常点灯するかを確かめるとしています。器具の横の緑の充電モニタが消えたり点滅したりしたら、バッテリーの確認のサインです。

バッテリーの交換は、消防設備士でなければできない工事・整備(施行令36条の2)に入っておらず、蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事は電気工事士法の軽微な工事です。ただし取扱説明書どおりの部品で行い、改造はしないことが前提です。本体の交換は配線の作業を含むので電気工事士がいる業者に頼み、区分・有効範囲・60分間の非常電源・認定の表示・届出を今の基準で確かめます。点検は、延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物などでは消防設備士等が行い、誘導灯は電気工事士などの免状も要ります。

料金は業者によって載せ方が違い、同じ「交換1台」でも本体の代金や届出、処分費が入っているかで数字が変わります。この記事の6社の金額は2026年9月26日に取得した各社の価格で、推薦でも相場でもありません。非常用の照明装置(非常灯)は建築基準法の設備で、点検と報告の先が違うことも覚えておいてください。

倉庫の奥の扉の上で、緑色の誘導灯が暗い室内を照らしている
扉の上の避難口誘導灯(イメージ)

この記事で使った一次情報

消防法(e-Gov)
消防法施行令(e-Gov)
消防法施行規則(e-Gov)
電気工事士法(e-Gov)
電気工事士法施行令(e-Gov)
電気工事士法施行規則(e-Gov)
建築基準法施行令(e-Gov)
誘導灯及び誘導標識の基準(平成11年消防庁告示第2号・PDF)
平成16年消防庁告示第9号(PDF)
平成16年消防庁告示第10号(PDF)
昭和50年消防庁告示第14号 別表第16 誘導灯及び誘導標識の点検の基準(PDF)
同 別記様式第16 点検票(PDF)
消防庁 点検要領 第16 誘導灯及び誘導標識(PDF)
消防庁 消防用設備等の点検要領
日本照明工業会 防災照明器具の耐用年数、交換部品の寿命
同 修理・改修業者様向け情報
同 点検者様向け情報
同 建物のオーナー様向け情報
同 防災照明
同 誘導灯の認定情報
同 劣化診断チェックシート(簡易版・PDF)
日本消防設備安全センター 登録認定

改修・交換工事
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